「ちゃんと大麻吸ってます」 若者に広がる薬物乱用 “合法大麻”が新たに規制対象も…イタチごっこ
2023/08/04 18:50
若者の間で違法薬物の乱用が広がっているのでしょうか?
国が大麻の規制を強化する中、大学の学生寮に捜査のメスが入りました。
福岡で若者と薬物をめぐる現状を取材しました。
東京・中野区にある日大アメフト部の学生寮で3日、大麻取締法違反などの疑いで警察の家宅捜索が行われました。
捜査関係者によると、7月上旬、大学側がアメフト部の寮の内部から植物片と錠剤を発見。
これを警視庁が押収し鑑定を進めていました。
鑑定の結果、植物片は大麻と判明。
さらに錠剤から検出されたのは覚醒剤の成分でした。
法務省の最新の統計では、大麻取締法違反で検挙された人のうち20代以下が最も多く、全体の約70パーセントを占めているといいます。
いったい若者たちに何が起きているのか。
福岡に住む若者たちに大麻に対する認識を聞きました。
◆20代男性
「大麻=違法なイメージはありますよね。それこそクラブとかで一時期流行ったりはしたので。A大学でめっちゃ流行った。バイヤーが流行って、それがB大学、C大学に流れてきたみたいな」
Q.大麻吸ったことありますか?
◆20代男性
「あります。大麻自体は19か20歳くらいからずっと吸ってます。ちゃんと大麻吸ってます。今もっす」
日本で大麻は違法ですが、大麻を身近に感じているという若者たち。
話を聞くと、気になるワードが…
◆20代男性
「合法大麻の成分は、THなんとかなんとか」
若者の口から出た「合法大麻」という言葉ー。
詳しく聞いてみると、『THCH』という成分で、これまでは規制の対象外でしたが、8月4日から「違法成分」として規制されることが分かりました。
このTHCHとはいったいどのような成分なのでしょうか?
専門家を訪ねました。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「炭素数が6個のやつが今回規制されるTHCHになります。『THC』の合成品ということだと思います」
教授によりますと、大麻は大きく向精神作用を持つ『THC』と抗炎症作用があるといわれる『CBD』という成分に分けられるといいます。
THCは違法成分で、若者が言っていた『THCH』は規制をかいくぐったTHCの合成品ということです。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「THCよりも強力になる可能性はあると思います」
三島教授によりますと、ハイになるなど大麻に似た作用があり、これがより強い可能性があるといいます。
規制をすると、すぐ同様の合成成分が現れ、またそれを規制すると、新成分が現れる、いわゆる『イタチごっこ』状態。
この一連の流れ、実は以前にも同じようなことが起きていました。
2010年代に大流行した『危険ドラッグ』です。
規制がかかると、化学式を少し変えた新商品がすぐに登場する点は当時と変わりません。
『脱法ハーブ』などと呼ばれた危険ドラッグは、2015年に実施された指定薬物の包括指定で、ほぼ壊滅したとされています。
そんな中登場した新たな物質。
取り締まり機関である厚生労働省の担当者はー。
◆厚生労働省 担当者(取材によるコメント)
「今年3月以降、THCHを摂取したとみられる人の救急搬送が9件。合法と安全は違う」
THCHを摂取して9人が搬送されたという事例を踏まえて、規制に踏み切ったといいます。
そんな中、急ピッチでの対応を迫られているのが販売店です。
◆記者リポート(北九州市内)
「おしゃれな内装の店舗です。巻きタバコみたいなものが置いてあります」
◆店長
「これは『CBDジョイント』といって、紙巻きタバコとして売っている商品。合法です」
北九州市八幡西区にある店舗では、精神作用を伴わないという『CBD』の商品を販売しています。
以前は4日から規制された『THCH』の商品も扱っていました。
◆店長
「THCH、うちの商品。(規制決定から)2日後くらいにはほぼない状態」
店長は規制に一定の理解を示す一方で、規制によって危険な商品をまん延させる可能性も指摘します。
◆店長
「(脱法)ハーブのときもそうですけど、規制をしてその法をくぐるために強い成分っていう流れ。THCHの次のヤツとかだんだん強くなっていくんじゃないかな。脱法(ハーブ)の流れになると思うから、うちとしてはTHCH以降は扱わない方がいいんじゃないかな。けど他の業者さんとかは分からないから。歯止め効かず、よくない方向にいく気はしてます」
再燃が懸念される危険ドラッグブーム。
このイタチごっごを収束する方法はあるのでしょうか。
国が大麻の規制を強化する中、大学の学生寮に捜査のメスが入りました。
福岡で若者と薬物をめぐる現状を取材しました。
東京・中野区にある日大アメフト部の学生寮で3日、大麻取締法違反などの疑いで警察の家宅捜索が行われました。
捜査関係者によると、7月上旬、大学側がアメフト部の寮の内部から植物片と錠剤を発見。
これを警視庁が押収し鑑定を進めていました。
鑑定の結果、植物片は大麻と判明。
さらに錠剤から検出されたのは覚醒剤の成分でした。
法務省の最新の統計では、大麻取締法違反で検挙された人のうち20代以下が最も多く、全体の約70パーセントを占めているといいます。
いったい若者たちに何が起きているのか。
福岡に住む若者たちに大麻に対する認識を聞きました。
◆20代男性
「大麻=違法なイメージはありますよね。それこそクラブとかで一時期流行ったりはしたので。A大学でめっちゃ流行った。バイヤーが流行って、それがB大学、C大学に流れてきたみたいな」
Q.大麻吸ったことありますか?
◆20代男性
「あります。大麻自体は19か20歳くらいからずっと吸ってます。ちゃんと大麻吸ってます。今もっす」
日本で大麻は違法ですが、大麻を身近に感じているという若者たち。
話を聞くと、気になるワードが…
◆20代男性
「合法大麻の成分は、THなんとかなんとか」
若者の口から出た「合法大麻」という言葉ー。
詳しく聞いてみると、『THCH』という成分で、これまでは規制の対象外でしたが、8月4日から「違法成分」として規制されることが分かりました。
このTHCHとはいったいどのような成分なのでしょうか?
専門家を訪ねました。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「炭素数が6個のやつが今回規制されるTHCHになります。『THC』の合成品ということだと思います」
教授によりますと、大麻は大きく向精神作用を持つ『THC』と抗炎症作用があるといわれる『CBD』という成分に分けられるといいます。
THCは違法成分で、若者が言っていた『THCH』は規制をかいくぐったTHCの合成品ということです。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「THCよりも強力になる可能性はあると思います」
三島教授によりますと、ハイになるなど大麻に似た作用があり、これがより強い可能性があるといいます。
規制をすると、すぐ同様の合成成分が現れ、またそれを規制すると、新成分が現れる、いわゆる『イタチごっこ』状態。
この一連の流れ、実は以前にも同じようなことが起きていました。
2010年代に大流行した『危険ドラッグ』です。
規制がかかると、化学式を少し変えた新商品がすぐに登場する点は当時と変わりません。
『脱法ハーブ』などと呼ばれた危険ドラッグは、2015年に実施された指定薬物の包括指定で、ほぼ壊滅したとされています。
そんな中登場した新たな物質。
取り締まり機関である厚生労働省の担当者はー。
◆厚生労働省 担当者(取材によるコメント)
「今年3月以降、THCHを摂取したとみられる人の救急搬送が9件。合法と安全は違う」
THCHを摂取して9人が搬送されたという事例を踏まえて、規制に踏み切ったといいます。
そんな中、急ピッチでの対応を迫られているのが販売店です。
◆記者リポート(北九州市内)
「おしゃれな内装の店舗です。巻きタバコみたいなものが置いてあります」
◆店長
「これは『CBDジョイント』といって、紙巻きタバコとして売っている商品。合法です」
北九州市八幡西区にある店舗では、精神作用を伴わないという『CBD』の商品を販売しています。
以前は4日から規制された『THCH』の商品も扱っていました。
◆店長
「THCH、うちの商品。(規制決定から)2日後くらいにはほぼない状態」
店長は規制に一定の理解を示す一方で、規制によって危険な商品をまん延させる可能性も指摘します。
◆店長
「(脱法)ハーブのときもそうですけど、規制をしてその法をくぐるために強い成分っていう流れ。THCHの次のヤツとかだんだん強くなっていくんじゃないかな。脱法(ハーブ)の流れになると思うから、うちとしてはTHCH以降は扱わない方がいいんじゃないかな。けど他の業者さんとかは分からないから。歯止め効かず、よくない方向にいく気はしてます」
再燃が懸念される危険ドラッグブーム。
このイタチごっごを収束する方法はあるのでしょうか。
若者の間で違法薬物の乱用が広がっているのでしょうか?
国が大麻の規制を強化する中、大学の学生寮に捜査のメスが入りました。
福岡で若者と薬物をめぐる現状を取材しました。
東京・中野区にある日大アメフト部の学生寮で3日、大麻取締法違反などの疑いで警察の家宅捜索が行われました。
捜査関係者によると、7月上旬、大学側がアメフト部の寮の内部から植物片と錠剤を発見。
これを警視庁が押収し鑑定を進めていました。
鑑定の結果、植物片は大麻と判明。
さらに錠剤から検出されたのは覚醒剤の成分でした。
法務省の最新の統計では、大麻取締法違反で検挙された人のうち20代以下が最も多く、全体の約70パーセントを占めているといいます。
いったい若者たちに何が起きているのか。
福岡に住む若者たちに大麻に対する認識を聞きました。
◆20代男性
「大麻=違法なイメージはありますよね。それこそクラブとかで一時期流行ったりはしたので。A大学でめっちゃ流行った。バイヤーが流行って、それがB大学、C大学に流れてきたみたいな」
Q.大麻吸ったことありますか?
◆20代男性
「あります。大麻自体は19か20歳くらいからずっと吸ってます。ちゃんと大麻吸ってます。今もっす」
日本で大麻は違法ですが、大麻を身近に感じているという若者たち。
話を聞くと、気になるワードが…
◆20代男性
「合法大麻の成分は、THなんとかなんとか」
若者の口から出た「合法大麻」という言葉ー。
詳しく聞いてみると、『THCH』という成分で、これまでは規制の対象外でしたが、8月4日から「違法成分」として規制されることが分かりました。
このTHCHとはいったいどのような成分なのでしょうか?
専門家を訪ねました。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「炭素数が6個のやつが今回規制されるTHCHになります。『THC』の合成品ということだと思います」
教授によりますと、大麻は大きく向精神作用を持つ『THC』と抗炎症作用があるといわれる『CBD』という成分に分けられるといいます。
THCは違法成分で、若者が言っていた『THCH』は規制をかいくぐったTHCの合成品ということです。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「THCよりも強力になる可能性はあると思います」
三島教授によりますと、ハイになるなど大麻に似た作用があり、これがより強い可能性があるといいます。
規制をすると、すぐ同様の合成成分が現れ、またそれを規制すると、新成分が現れる、いわゆる『イタチごっこ』状態。
この一連の流れ、実は以前にも同じようなことが起きていました。
2010年代に大流行した『危険ドラッグ』です。
規制がかかると、化学式を少し変えた新商品がすぐに登場する点は当時と変わりません。
『脱法ハーブ』などと呼ばれた危険ドラッグは、2015年に実施された指定薬物の包括指定で、ほぼ壊滅したとされています。
そんな中登場した新たな物質。
取り締まり機関である厚生労働省の担当者はー。
◆厚生労働省 担当者(取材によるコメント)
「今年3月以降、THCHを摂取したとみられる人の救急搬送が9件。合法と安全は違う」
THCHを摂取して9人が搬送されたという事例を踏まえて、規制に踏み切ったといいます。
そんな中、急ピッチでの対応を迫られているのが販売店です。
◆記者リポート(北九州市内)
「おしゃれな内装の店舗です。巻きタバコみたいなものが置いてあります」
◆店長
「これは『CBDジョイント』といって、紙巻きタバコとして売っている商品。合法です」
北九州市八幡西区にある店舗では、精神作用を伴わないという『CBD』の商品を販売しています。
以前は4日から規制された『THCH』の商品も扱っていました。
◆店長
「THCH、うちの商品。(規制決定から)2日後くらいにはほぼない状態」
店長は規制に一定の理解を示す一方で、規制によって危険な商品をまん延させる可能性も指摘します。
◆店長
「(脱法)ハーブのときもそうですけど、規制をしてその法をくぐるために強い成分っていう流れ。THCHの次のヤツとかだんだん強くなっていくんじゃないかな。脱法(ハーブ)の流れになると思うから、うちとしてはTHCH以降は扱わない方がいいんじゃないかな。けど他の業者さんとかは分からないから。歯止め効かず、よくない方向にいく気はしてます」
再燃が懸念される危険ドラッグブーム。
このイタチごっごを収束する方法はあるのでしょうか。
国が大麻の規制を強化する中、大学の学生寮に捜査のメスが入りました。
福岡で若者と薬物をめぐる現状を取材しました。
東京・中野区にある日大アメフト部の学生寮で3日、大麻取締法違反などの疑いで警察の家宅捜索が行われました。
捜査関係者によると、7月上旬、大学側がアメフト部の寮の内部から植物片と錠剤を発見。
これを警視庁が押収し鑑定を進めていました。
鑑定の結果、植物片は大麻と判明。
さらに錠剤から検出されたのは覚醒剤の成分でした。
法務省の最新の統計では、大麻取締法違反で検挙された人のうち20代以下が最も多く、全体の約70パーセントを占めているといいます。
いったい若者たちに何が起きているのか。
福岡に住む若者たちに大麻に対する認識を聞きました。
◆20代男性
「大麻=違法なイメージはありますよね。それこそクラブとかで一時期流行ったりはしたので。A大学でめっちゃ流行った。バイヤーが流行って、それがB大学、C大学に流れてきたみたいな」
Q.大麻吸ったことありますか?
◆20代男性
「あります。大麻自体は19か20歳くらいからずっと吸ってます。ちゃんと大麻吸ってます。今もっす」
日本で大麻は違法ですが、大麻を身近に感じているという若者たち。
話を聞くと、気になるワードが…
◆20代男性
「合法大麻の成分は、THなんとかなんとか」
若者の口から出た「合法大麻」という言葉ー。
詳しく聞いてみると、『THCH』という成分で、これまでは規制の対象外でしたが、8月4日から「違法成分」として規制されることが分かりました。
このTHCHとはいったいどのような成分なのでしょうか?
専門家を訪ねました。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「炭素数が6個のやつが今回規制されるTHCHになります。『THC』の合成品ということだと思います」
教授によりますと、大麻は大きく向精神作用を持つ『THC』と抗炎症作用があるといわれる『CBD』という成分に分けられるといいます。
THCは違法成分で、若者が言っていた『THCH』は規制をかいくぐったTHCの合成品ということです。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「THCよりも強力になる可能性はあると思います」
三島教授によりますと、ハイになるなど大麻に似た作用があり、これがより強い可能性があるといいます。
規制をすると、すぐ同様の合成成分が現れ、またそれを規制すると、新成分が現れる、いわゆる『イタチごっこ』状態。
この一連の流れ、実は以前にも同じようなことが起きていました。
2010年代に大流行した『危険ドラッグ』です。
規制がかかると、化学式を少し変えた新商品がすぐに登場する点は当時と変わりません。
『脱法ハーブ』などと呼ばれた危険ドラッグは、2015年に実施された指定薬物の包括指定で、ほぼ壊滅したとされています。
そんな中登場した新たな物質。
取り締まり機関である厚生労働省の担当者はー。
◆厚生労働省 担当者(取材によるコメント)
「今年3月以降、THCHを摂取したとみられる人の救急搬送が9件。合法と安全は違う」
THCHを摂取して9人が搬送されたという事例を踏まえて、規制に踏み切ったといいます。
そんな中、急ピッチでの対応を迫られているのが販売店です。
◆記者リポート(北九州市内)
「おしゃれな内装の店舗です。巻きタバコみたいなものが置いてあります」
◆店長
「これは『CBDジョイント』といって、紙巻きタバコとして売っている商品。合法です」
北九州市八幡西区にある店舗では、精神作用を伴わないという『CBD』の商品を販売しています。
以前は4日から規制された『THCH』の商品も扱っていました。
◆店長
「THCH、うちの商品。(規制決定から)2日後くらいにはほぼない状態」
店長は規制に一定の理解を示す一方で、規制によって危険な商品をまん延させる可能性も指摘します。
◆店長
「(脱法)ハーブのときもそうですけど、規制をしてその法をくぐるために強い成分っていう流れ。THCHの次のヤツとかだんだん強くなっていくんじゃないかな。脱法(ハーブ)の流れになると思うから、うちとしてはTHCH以降は扱わない方がいいんじゃないかな。けど他の業者さんとかは分からないから。歯止め効かず、よくない方向にいく気はしてます」
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