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石破茂前首相に単独インタビュー 参院選大敗の原因は「説得力が私になかった」 冷え込む日中関係やコメ問題、「日本人ファースト」にも言及

政治・行政

2025/12/23 00:00

石破茂前首相がTNCの報道ワイド番組「記者のチカラ」の単独インタビューに応じ、この1年を振り返りました。

まずはこの話題から。

夏の参議院選挙で最大の争点となった物価高対策で、消費税の減税を声高に訴えた野党に対し、2万円の現金給付を訴えた自民党は、歴史的な大敗を喫しました。

◆石破前首相
「『消費税を撤廃せよ』『食料品に限って半額にせよ』とかね、そういう主張はもう2、3秒でパーンとできちゃう。でも、耳障りの良いことばかり言っていると国は傾く。その辺をご理解いただく説得力が、私に十分なかったってことかな」

参院選で躍進を見せたのが「日本人ファースト」を掲げ福岡でも議席を獲得した参政党です。

党を率いる神谷代表について、「問題点を指摘するのは上手だ」と評した石破氏。
インタビュー前に生出演した報道特別番組では、ピリリとするやりとりがありました。

《12月20日放送「FNN九州・沖縄報道スペシャル2025」より》
◆参政党 神谷代表
「一番の課題である経済の問題、それから人口減少・外国人政策。こういったところは全く手をつけられなかったので、(石破政権が)長く続かなかったのも仕方がなかったのかな」

◆石破前首相
「人口減少・経済政策、何もしてこなかったと…国会の議論、何を聞いていたんですかね。人口減少はこういう方策だと、経済政策については、新しい商品・サービスに投資を行う。付加価値創出型の経済に変えるということを申し上げてきた」

特番でこんなやりとりがあった上で、参政党が掲げる「日本人ファースト」が国民に受け入れられた背景についてインタビューでは…。

◆石破前首相
「やはり日本の経済的な地位がだんだんと低下をしてきた。コストカット型では、経済伸びない。もう1度、日本が経済を人口が減る中で上げていくこと(が必要)」
続いては、日本の食卓を揺るがした「コメ問題」。

コメの価格高騰を受け、石破政権では備蓄米を放出しコメの増産にかじを切りました。

しかし、その後誕生した高市政権では一転、事実上の減反政策とも言える「需要に応じた生産」へと見直しています。

◆石破前首相
「なぜ増産にかじを切るのかという説明は、かなり丁寧にしてきた。これを変えるということならば『前政権の言っていることは間違いでした。なぜならば…』という話をしてほしい。増産にかじを切る、備蓄の体制を見直すことが大事だと、私は今でも思っている」

政府が自治体に推奨する「おこめ券」の配布を巡り、経費や事務作業の観点から地方の不満が続出したことについては…。

◆石破前首相
「食糧をどうしますか、ということを真面目に考えた時に、自治体の負担を増やしておこめ券って全体的にどうなんだろうねと。食糧の自給も安全保障ということを考えた時に、その場しのぎの政策というのは、これから先は慎まなきゃいけないのでは」
最後は、インバウンドをはじめ、福岡にも大きな影響をもたらしている問題、高市首相の「存立危機事態」答弁についてです。

11月に高市首相は「台湾を完全に中国・北京政府の支配下に置くようなことのために、戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても(武力行使が可能な)存立危機事態になり得る」と述べました。

これをきっかけに日中関係が冷え込んでいます。

◆石破前首相
「私が政権をお預かりした1年間、トランプ関税でアメリカとは本当にいろんな交渉を赤沢大臣を中心にやってきた。あるいは関西万博もやっていた多くの国から首脳がやってくる。中国は主に政党、与党ね。自民党、公明党で一生懸命努力をしてきた。それが途絶えるというのは良いことではない」

中国軍による自衛隊への「レーダー照射問題」や2026年1月に控える中国への返還で国内の飼育数がゼロとなる「パンダ問題」など、方々に尾を引く高市首相の発言に防衛大臣も務めた石破氏は…。

◆石破前首相
「首脳同士の信頼感、信頼感までいかなくても偶発的なそういう紛争というかな、そういうのを避ける努力は併せてしなければいけない」

首相在任中は、「らしさ」を失っていたとも評される石破氏ですが、インタビューでは政治家としての自身のポリシーを垣間見せました。

◆石破前首相
「保守の本質は、寛容さだと思っている。批判とか意見とかしない方が楽だが、だったら代議士でいる意味がない。常に原点に戻らなければいけないと思っている」

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