【独自】偽造された免許証…“ニセ介護士”の52歳男 障害者の女性から200万円詐取か 北九州市
暮らし
2022/05/03 20:25
髭を蓄えた写真をSNSのプロフィール欄にアップしていた男。
4月、偽造した介護福祉士の免許を使った疑いなどで逮捕・起訴された北九州市小倉北区の米原徹訓被告(52)です。
◆記者リポート
「米原容疑者を乗せた車が小倉北警察署から出てきました。検察庁へと身柄が送られます」
起訴状によりますと、米原被告は、この偽造された免許を使って2021年3月から7月までの間、勤め先の介護事業所から5万円あまりの資格手当を騙し取ったとされています。
TNCは米原被告の偽造免許を独自入手しました。
◆記者リポート
「私の手元に2枚の書類があります。どちらも介護福祉士の免許のコピーなのですが、一方は私たちが入手した偽造されたものです」
精巧に作られた免許証。
厚生労働大臣の印鑑まであり、ひと目では違いが分かりません。
一体どうやって偽物と気づくことができたのでしょうか。
米原被告が働いていた訪問介護事業所の経営者に話を聞くとー。
◆訪問介護事業所の経営者
「資格証と並べて見比べて見るとフォントが違った。1人フォントが違った。あ、やられたと思いますよね。それですべてのことが…。この人の全部に虚偽があると疑って」
正規の免許証とは微妙に異なるフォント。
この経営者が免許偽造を疑ったのは、米原被告をとりまく「金銭トラブルの相談」を受けたことがきっかけだったといいます。
◆記者
「(顔写真を見せながら)これは誰ですか?」
◆金銭被害を訴える女性
「米原徹訓です。2年間の人生はこの人にすべて預けていました。2年間返してって思います」
米原被告の写真を見て声を絞り出すようにして口を開く女性。
ヘルパーだった米原被告の訪問介護サービスを受けていた京子さん(仮名)です。
京子さんは生まれつき脳性麻痺があるため体の自由がきかず、人生のほとんどを車椅子かベッドの上で過ごしてきました。
◆金銭被害を訴える京子さん(仮名)
「旦那さんくらいに思ってた人だったんですよね。(米原被告と)一緒に住めるって思ってたから」
京子さんと米原被告の出会いは約3年前。
SNSを通じて当時神戸に住んでいた米原被告と知り合うと、米原被告は甘い言葉でこう切り出してきたといいます。
「ヘルパーの免許を持っているから事業所で雇ってもらい北九州で一緒に住もう」
米原被告と女性は介護事業所に相談し、米原被告をヘルパーとして受け入れてもらうことが決まりました。
◆訪問介護事業所の経営者
「ファッショナブルで、この業界の人にしては派手目な男性だなと。今考えたらの話ですけども…」
◆金銭被害を訴える京子さん
「最初は優しかったんです、すごく…。あ、この人もしかして本気かなって」
『これからもずっとそばにいて』
これは当時、米原被告が女性に送ってきたという画像。
しかし、京子さんにとっての幸せな時間は“ある時間”を境に変わり果ててしまったといいます。
◆金銭被害を訴える京子さん
「ずっと自分が面倒見るからって、だからお金預けてって言われたんです。自分は障害者年金と生活保護で生活しているんですけど、通帳と印鑑全部持って行かれて…」
家賃の支払いなどという言葉を信じ、通帳と印鑑を渡してしまった京子さん。
しかし米原被告は家賃や電気代を支払わなかったため、自宅の電気が止まり、京子さんは手元にあったわずかな現金を使いネットカフェで寝泊まりすることもあったといいます。
◆金銭被害を訴える京子さん
「ネットカフェに泊まる感じになって、ひどいときは駐輪場で寝てました」
さらに追い打ちをかけたのがー。
◆金銭被害を訴える京子さん
「着信拒否されて、LINEもブロックかけられて。なんでこの人こんなことするんかなって。通帳の中にも0円って書いてて…」
突如として音信不通にー。
米原被告との将来を信じていましたが、そこでようやく目が覚めたといいます。
米原被告に“搾取”されたとみられる現金は総額約200万円。
女性が生活費を切り詰めて貯めてきたものでした。
◆金銭被害を訴える京子さん
「簡単に言えば生活できない状態でしたね。生きているのが不思議だなくらいの」
さらに京子さんは、食事の際、熱いカレーを口に入れられ、やけどしたこともあり、モノのような扱いを受けたことにもショックを受けています。
◆金銭被害を訴える京子さん
「我慢できず出したんです。『出すな子供じゃないねんから』って。じゃあ少し冷ましてから…って。『今は時間ない』って言われて。障害者と思って本当にバカにされてるというかモノと思われてるというか。こんな人が1人でも増えてほしくないなって思ったんですね」
介護免許の偽造だけでなく、人の尊厳をも踏みにじったという米原被告について、勤務先だった介護事業所の経営者は。
◆介護事業所の経営者
「この介護業界のためにもどうにかしないと、こういうことがまん延されたら大ごと」
警察の捜査段階で、介護免許の偽造などについて「間違いありません」と認めたという米原被告。
京子さんは警察に被害届を出すべく相談を続けていて、警察は詐欺事件として立件できるか調べを続けています。
4月、偽造した介護福祉士の免許を使った疑いなどで逮捕・起訴された北九州市小倉北区の米原徹訓被告(52)です。
◆記者リポート
「米原容疑者を乗せた車が小倉北警察署から出てきました。検察庁へと身柄が送られます」
起訴状によりますと、米原被告は、この偽造された免許を使って2021年3月から7月までの間、勤め先の介護事業所から5万円あまりの資格手当を騙し取ったとされています。
TNCは米原被告の偽造免許を独自入手しました。
◆記者リポート
「私の手元に2枚の書類があります。どちらも介護福祉士の免許のコピーなのですが、一方は私たちが入手した偽造されたものです」
精巧に作られた免許証。
厚生労働大臣の印鑑まであり、ひと目では違いが分かりません。
一体どうやって偽物と気づくことができたのでしょうか。
米原被告が働いていた訪問介護事業所の経営者に話を聞くとー。
◆訪問介護事業所の経営者
「資格証と並べて見比べて見るとフォントが違った。1人フォントが違った。あ、やられたと思いますよね。それですべてのことが…。この人の全部に虚偽があると疑って」
正規の免許証とは微妙に異なるフォント。
この経営者が免許偽造を疑ったのは、米原被告をとりまく「金銭トラブルの相談」を受けたことがきっかけだったといいます。
◆記者
「(顔写真を見せながら)これは誰ですか?」
◆金銭被害を訴える女性
「米原徹訓です。2年間の人生はこの人にすべて預けていました。2年間返してって思います」
米原被告の写真を見て声を絞り出すようにして口を開く女性。
ヘルパーだった米原被告の訪問介護サービスを受けていた京子さん(仮名)です。
京子さんは生まれつき脳性麻痺があるため体の自由がきかず、人生のほとんどを車椅子かベッドの上で過ごしてきました。
◆金銭被害を訴える京子さん(仮名)
「旦那さんくらいに思ってた人だったんですよね。(米原被告と)一緒に住めるって思ってたから」
京子さんと米原被告の出会いは約3年前。
SNSを通じて当時神戸に住んでいた米原被告と知り合うと、米原被告は甘い言葉でこう切り出してきたといいます。
「ヘルパーの免許を持っているから事業所で雇ってもらい北九州で一緒に住もう」
米原被告と女性は介護事業所に相談し、米原被告をヘルパーとして受け入れてもらうことが決まりました。
◆訪問介護事業所の経営者
「ファッショナブルで、この業界の人にしては派手目な男性だなと。今考えたらの話ですけども…」
◆金銭被害を訴える京子さん
「最初は優しかったんです、すごく…。あ、この人もしかして本気かなって」
『これからもずっとそばにいて』
これは当時、米原被告が女性に送ってきたという画像。
しかし、京子さんにとっての幸せな時間は“ある時間”を境に変わり果ててしまったといいます。
◆金銭被害を訴える京子さん
「ずっと自分が面倒見るからって、だからお金預けてって言われたんです。自分は障害者年金と生活保護で生活しているんですけど、通帳と印鑑全部持って行かれて…」
家賃の支払いなどという言葉を信じ、通帳と印鑑を渡してしまった京子さん。
しかし米原被告は家賃や電気代を支払わなかったため、自宅の電気が止まり、京子さんは手元にあったわずかな現金を使いネットカフェで寝泊まりすることもあったといいます。
◆金銭被害を訴える京子さん
「ネットカフェに泊まる感じになって、ひどいときは駐輪場で寝てました」
さらに追い打ちをかけたのがー。
◆金銭被害を訴える京子さん
「着信拒否されて、LINEもブロックかけられて。なんでこの人こんなことするんかなって。通帳の中にも0円って書いてて…」
突如として音信不通にー。
米原被告との将来を信じていましたが、そこでようやく目が覚めたといいます。
米原被告に“搾取”されたとみられる現金は総額約200万円。
女性が生活費を切り詰めて貯めてきたものでした。
◆金銭被害を訴える京子さん
「簡単に言えば生活できない状態でしたね。生きているのが不思議だなくらいの」
さらに京子さんは、食事の際、熱いカレーを口に入れられ、やけどしたこともあり、モノのような扱いを受けたことにもショックを受けています。
◆金銭被害を訴える京子さん
「我慢できず出したんです。『出すな子供じゃないねんから』って。じゃあ少し冷ましてから…って。『今は時間ない』って言われて。障害者と思って本当にバカにされてるというかモノと思われてるというか。こんな人が1人でも増えてほしくないなって思ったんですね」
介護免許の偽造だけでなく、人の尊厳をも踏みにじったという米原被告について、勤務先だった介護事業所の経営者は。
◆介護事業所の経営者
「この介護業界のためにもどうにかしないと、こういうことがまん延されたら大ごと」
警察の捜査段階で、介護免許の偽造などについて「間違いありません」と認めたという米原被告。
京子さんは警察に被害届を出すべく相談を続けていて、警察は詐欺事件として立件できるか調べを続けています。
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