2022/07/06 11:00
少年「母親と姿が重なり怒った」 福岡の商業施設で女性刺殺 第2回公判(1) 福岡地裁
暮らし
2022/07/07 12:15
2020年、福岡市の商業施設で女性が殺害された事件の裁判員裁判で、殺人などの罪に問われている当時15歳の少年が、女性に包丁を向けたときの気持ちについて「母親と姿が重なり怒った」と語りました。
殺人などの罪に問われているのは17歳の少年です。
起訴状などによりますと、少年(当時15)は2020年8月、福岡市の商業施設1階の女子トイレ内で、買い物に訪れていた面識のない女性(21)を包丁で刺し殺害するなどした罪に問われています。
7日に福岡地裁で開かれた裁判員裁判は、6日と同様に少年の姿が見えないようついたてが設けられ、少年に対する被告人質問が行われました。
質問は、初公判で弁護側が読み上げた、少年が小学4年生の時に担任だった女性の供述調書をもとに始まりました。
◆供述調書より(少年の元担任の女性)
「少年は、父・母・姉・兄との5人家族」
「少年は家庭環境に問題があった」
「父親からは電話でのクレームが度々あり、『お前が来い!お前の対応が悪いから子供が言うこと聞かないんだ!お前を辞めさせてやる!』と言われた」
「母親は、自分で家事ができない、料理が出来ない」
「祖父は学校運営協議会の会長でクレーマーだった」
「少年が車のドアに挟まれた時、『先生のせいにして、カードを買ってもらう、ケガが証拠になる。おじいちゃんに言って先生をやめさせる』と言うことがあった」
「少年は人間関係を冷静に見ることができる」
**************************
<少年の家庭環境について>
◆弁護側
「(元担任の供述調書を聞いて)どう思った?」
◆少年
「自分勝手な行動をしていたなと思います」
◆弁護側
「(自分は)どんな子供だった?」
◆少年
「暴力的な子供だった」
◆弁護側
「原因は?」
◆少年
「家でのストレスなどで、外でストレス発散していた」
◆弁護側
「家でのストレスとは?」
◆少年
「親とうまくいかなかった。兄弟ともうまくいかなかった」
◆弁護側
「けんかは誰と?」
◆少年
「兄とけんかしていた」
◆弁護側
「兄とはどういうことでけんかしていた?」
◆少年
「テレビのリモコンで。どっちが先に見るかでよくけんかしていた」
◆弁護側
「兄とは何歳差?」
◆少年
「兄とは4歳差です」
◆弁護側
「兄から暴力は?」
◆少年
「けんかでは、よく首を絞められた」
◆弁護側
「止めてくれる人はいなかった?」
◆少年
「だれもいなかった」
◆弁護側
「なぜあなたに暴力を?」
◆少年
「兄が父親から暴力をふるわれ、(その)ストレスで自分に」
◆弁護側
「どんな暴力?」
◆少年
「殴ったり、蹴ったり。ほうきで殴ったり」
◆弁護側
「母親はあなたにどのような態度で接していた?」
◆少年
「わりと普通に接してくれていた」
◆弁護側
「(あなたは)病院に行っていたが、何と診断された?」
◆少年
「ADHD(注意欠如・多動症)と診断された」
◆弁護側
「何歳のときに?」
◆少年
「小3のときに」
◆弁護側
「家族の態度は変わったか?」
◆少年
「すごく変わりました」
◆弁護側
「(家族)みんなの態度が変わった?」
◆少年
「みんなが変わったし、一番 母が変わった」
◆弁護側
「どういう風に?」
◆少年
「腫れものに触るような感じに変わった」
◆弁護側
「どのように感じた?」
◆少年
「期待されていないように強く感じた」
*************************
<事件の前日、保護施設を抜け出したことについて>
◆弁護側
「なぜ保護施設を出ていこうと思った?」
◆少年
「保護施設の人とうまく馴染めなくて」
**************************
<事件当日の状況について>
◆弁護側
「(事件現場の)商業施設にたどり着いたのはたまたま?」
◆少年
「たまたま着きました」
◆弁護側
「商業施設に入ったのはなぜ?」
◆少年
「スタイルのいい女の人が通りかかって、その人に付いて行ったら商業施設に入った」
(検察側によると、少年はこの女性を見失い、その後、施設内で被害女性を見かけた、とされる)
◆弁護側
「包丁を盗んだのは何のため?」
◆少年
「空腹でしたので、自殺しようと思って包丁を盗みました」
◆弁護側
「自殺願望があった?」
◆少年
「強くあった」
◆弁護側
「なぜ女子トイレまで付いていった?」
◆少年
「…自分でもわからない」
◆弁護側
「性的目的は本音?」
◆少年
「当時は自暴自棄だったので性的目的と言ってしまいました」
◆弁護側
「被害女性になぜ包丁を向けることになった?」
◆少年
「自分の悪い癖で、何も言わないでも自分が困っている状況を分かってくれるだろうと思い自分勝手な行動に出た」
◆弁護側
「女性の反応は?」
◆少年
「とても驚いていらっしゃいました」
◆弁護側
「(女性に)声をかけられた?」
◆少年
「自首をすすめられました」
◆弁護側
「(女性の)行動としては?」
◆少年
「包丁の持ち手を持って、自首をすすめられました」
◆弁護側
「どう思って、どう反応した?」
◆少年
「母親と姿が重なり、怒ってしまいました」
◆弁護側
「『母親と重なった』というのを詳しく」
◆少年
「少年院を出るとき、引き取り手として母のもとへ、と話が進んでいたのに、直前になって断られて、期待した気持ちが強かったので、その気持ちが重なった」
***************************
<被害女性への気持ちについて>
◆弁護側
「被害女性は正しかったと思いますか?」
◆少年
「正しいと思います」
◆弁護側
「女性をどういう方だと思う?」
◆少年
「優しい方だと思う」
◆弁護側
「被害者に落ち度はない?」
◆少年
「はい」
◆弁護側
「謝罪の言葉は?」
◆少年
「自分の勝手な行動に、将来のことなど、いろんなものを自分の行いで奪ってしまったことは申し訳ないと思います」
◆弁護側
「被害者の家族には?」
◆少年
「自分が生活を壊してしまったと思っています」
◆弁護側
「ごめんなさい、はある?」
◆少年
「特にないです」
◆弁護側
「最後に遺族に伝えたいことは?」
◆少年
「特にないです」
******************************
裁判は、このあと検察側の被告人質問が行われました。
殺人などの罪に問われているのは17歳の少年です。
起訴状などによりますと、少年(当時15)は2020年8月、福岡市の商業施設1階の女子トイレ内で、買い物に訪れていた面識のない女性(21)を包丁で刺し殺害するなどした罪に問われています。
7日に福岡地裁で開かれた裁判員裁判は、6日と同様に少年の姿が見えないようついたてが設けられ、少年に対する被告人質問が行われました。
質問は、初公判で弁護側が読み上げた、少年が小学4年生の時に担任だった女性の供述調書をもとに始まりました。
◆供述調書より(少年の元担任の女性)
「少年は、父・母・姉・兄との5人家族」
「少年は家庭環境に問題があった」
「父親からは電話でのクレームが度々あり、『お前が来い!お前の対応が悪いから子供が言うこと聞かないんだ!お前を辞めさせてやる!』と言われた」
「母親は、自分で家事ができない、料理が出来ない」
「祖父は学校運営協議会の会長でクレーマーだった」
「少年が車のドアに挟まれた時、『先生のせいにして、カードを買ってもらう、ケガが証拠になる。おじいちゃんに言って先生をやめさせる』と言うことがあった」
「少年は人間関係を冷静に見ることができる」
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<少年の家庭環境について>
◆弁護側
「(元担任の供述調書を聞いて)どう思った?」
◆少年
「自分勝手な行動をしていたなと思います」
◆弁護側
「(自分は)どんな子供だった?」
◆少年
「暴力的な子供だった」
◆弁護側
「原因は?」
◆少年
「家でのストレスなどで、外でストレス発散していた」
◆弁護側
「家でのストレスとは?」
◆少年
「親とうまくいかなかった。兄弟ともうまくいかなかった」
◆弁護側
「けんかは誰と?」
◆少年
「兄とけんかしていた」
◆弁護側
「兄とはどういうことでけんかしていた?」
◆少年
「テレビのリモコンで。どっちが先に見るかでよくけんかしていた」
◆弁護側
「兄とは何歳差?」
◆少年
「兄とは4歳差です」
◆弁護側
「兄から暴力は?」
◆少年
「けんかでは、よく首を絞められた」
◆弁護側
「止めてくれる人はいなかった?」
◆少年
「だれもいなかった」
◆弁護側
「なぜあなたに暴力を?」
◆少年
「兄が父親から暴力をふるわれ、(その)ストレスで自分に」
◆弁護側
「どんな暴力?」
◆少年
「殴ったり、蹴ったり。ほうきで殴ったり」
◆弁護側
「母親はあなたにどのような態度で接していた?」
◆少年
「わりと普通に接してくれていた」
◆弁護側
「(あなたは)病院に行っていたが、何と診断された?」
◆少年
「ADHD(注意欠如・多動症)と診断された」
◆弁護側
「何歳のときに?」
◆少年
「小3のときに」
◆弁護側
「家族の態度は変わったか?」
◆少年
「すごく変わりました」
◆弁護側
「(家族)みんなの態度が変わった?」
◆少年
「みんなが変わったし、一番 母が変わった」
◆弁護側
「どういう風に?」
◆少年
「腫れものに触るような感じに変わった」
◆弁護側
「どのように感じた?」
◆少年
「期待されていないように強く感じた」
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<事件の前日、保護施設を抜け出したことについて>
◆弁護側
「なぜ保護施設を出ていこうと思った?」
◆少年
「保護施設の人とうまく馴染めなくて」
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<事件当日の状況について>
◆弁護側
「(事件現場の)商業施設にたどり着いたのはたまたま?」
◆少年
「たまたま着きました」
◆弁護側
「商業施設に入ったのはなぜ?」
◆少年
「スタイルのいい女の人が通りかかって、その人に付いて行ったら商業施設に入った」
(検察側によると、少年はこの女性を見失い、その後、施設内で被害女性を見かけた、とされる)
◆弁護側
「包丁を盗んだのは何のため?」
◆少年
「空腹でしたので、自殺しようと思って包丁を盗みました」
◆弁護側
「自殺願望があった?」
◆少年
「強くあった」
◆弁護側
「なぜ女子トイレまで付いていった?」
◆少年
「…自分でもわからない」
◆弁護側
「性的目的は本音?」
◆少年
「当時は自暴自棄だったので性的目的と言ってしまいました」
◆弁護側
「被害女性になぜ包丁を向けることになった?」
◆少年
「自分の悪い癖で、何も言わないでも自分が困っている状況を分かってくれるだろうと思い自分勝手な行動に出た」
◆弁護側
「女性の反応は?」
◆少年
「とても驚いていらっしゃいました」
◆弁護側
「(女性に)声をかけられた?」
◆少年
「自首をすすめられました」
◆弁護側
「(女性の)行動としては?」
◆少年
「包丁の持ち手を持って、自首をすすめられました」
◆弁護側
「どう思って、どう反応した?」
◆少年
「母親と姿が重なり、怒ってしまいました」
◆弁護側
「『母親と重なった』というのを詳しく」
◆少年
「少年院を出るとき、引き取り手として母のもとへ、と話が進んでいたのに、直前になって断られて、期待した気持ちが強かったので、その気持ちが重なった」
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<被害女性への気持ちについて>
◆弁護側
「被害女性は正しかったと思いますか?」
◆少年
「正しいと思います」
◆弁護側
「女性をどういう方だと思う?」
◆少年
「優しい方だと思う」
◆弁護側
「被害者に落ち度はない?」
◆少年
「はい」
◆弁護側
「謝罪の言葉は?」
◆少年
「自分の勝手な行動に、将来のことなど、いろんなものを自分の行いで奪ってしまったことは申し訳ないと思います」
◆弁護側
「被害者の家族には?」
◆少年
「自分が生活を壊してしまったと思っています」
◆弁護側
「ごめんなさい、はある?」
◆少年
「特にないです」
◆弁護側
「最後に遺族に伝えたいことは?」
◆少年
「特にないです」
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裁判は、このあと検察側の被告人質問が行われました。
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