2022/08/26 15:00
岸田首相の熊本後援会長も 旧統一教会と“日韓トンネル” 韓国の日本人信者に直撃取材
暮らし
2022/08/28 06:00
『旧統一教会』と自民党の関係が次々と明らかになる中、岸田首相にも接点が浮上しました。
その接点というのが、TNCが追い続けている『日韓トンネル』でした。
旧統一教会が推し進める、日本と韓国を海底でつなぐという全長およそ230キロメートルの『日韓トンネル構想』。
8月24日、熊本県で岸田首相の後援会会長を務める崇城大学の中山峰男学長が、『日韓トンネル推進熊本県民会議』の議長を2011年の発足当初から務めていたことを明らかにしました。
◆崇城大学 中山峰男学長
「私自身も今の今まで日韓トンネルそのものが統一教会と関係があると認識がなかった」
中山学長は、『統一教会は非常に問題がある団体という認識』として、23日、議長を辞任。
これまで団体との金銭の授受はなかったということです。
また、中山学長は「結果的に岸田総理と統一教会を結びつけるような記事が出て岸田首相に申し訳ない」と話しました。
旧統一教会との関係に揺れる、日本の政治。
そんな中、8月18日―
◆記者
「すごい数のバスです。ざっと50台程でしょうか。駐車場を埋め尽くしています」
韓国・ソウル近郊の集会会場に続々と集まった大型バス。
降りて来る女性たちのほとんどが、旧統一教会、世界平和統一家庭連合の日本人信者とみられています。
女性たちが入っていった建物では集会が行われ、参加者によると、韓鶴子総裁が「日本の今の状況も時が経てば過ぎていく」などと演説をしたといいます。
◆記者
「旧統一教会による抗議集会には、ものすごい数の日本人信者らが参加しています」
日本人信者たちはソウル中心部へと場所を移して、日本での教団批判に抗議する大規模デモを行いました。
『歪曲報道 宗教弾圧 糾弾しろ 糾弾しろ』
安倍元首相の銃撃事件後、一気に明るみとなった『旧統一教会』と政治のつながり。
TNCでは、旧統一教会の関連団体、国際ハイウェイ財団が深く関わる日韓トンネルの取材を続けています。
佐賀県・唐津市から長崎県・対馬市を経て、韓国・プサンまでを結び総工費10兆円ともされる巨大プロジェクト。
実現に懐疑的な声もあるなか、教団の信者はどう見ているのでしょうか。
日本のメディアには固く口を閉ざす韓国の日本人信者、数人から取材のみという条件で話を聞くことができました。
◆韓国の日本人信者
「日韓トンネル構想はとても素晴らしいと思いませんか?日本と韓国を車で行き来できるようになるんですよ」
「事業に直接投資をしていなくても、私たちの献金が使われていることはみんな認識していると思います」
Q日韓トンネルがいわゆる集金装置になっているとの見方もあるが?
「先生は、絶対にそんなつもりで始めたわけではないと思います。平和と日韓友好のために進めてきたのに残念です」
日韓トンネル構想は、政治とどう結びついているのでしょうか。
自民党・安倍派、清和会の最高顧問を務める衛藤征士郎衆院議員(81)を直撃しました。
衛藤議員は、2008年に発表された清和会の政策集で、「日韓トンネル」について“プロジェクトへの投資価値は大きい″と提言。
また、同じ時期に結成されていた日韓トンネル推進議連の会長も務めていました。
◆安倍派(清和会)最高顧問 衛藤征士郎衆院議員
『“日韓トンネル”構想は1930年代からあった。1981年に旧統一教会の教祖・文鮮明氏が提案をして、いかにも旧統一教会の提案、主導によるものと言われているが、そうではない』
衛藤氏は、戦前からあった日韓の海底トンネル構想を、日本と韓国が国家的プロジェクトとして実現するように推進してきたといいます。
しかし現実は、旧統一教会の関連団体を主体に日韓トンネル構想が進んでいます。
この現実についてはー
◆自民党(安倍派)衛藤征士郎衆院議員
『研究会か財団か知りませんが、それはそれとしてやっていることではあるが、それについてこちらが何かブレーキをかけたりそんなことは何もしません。どうぞやって下さい』
衛藤氏らの推進議連は既に解散していて、解散理由のひとつには、旧統一教会の活動が関係していると明言します。
◆自民党(安倍派)衛藤征士郎衆院議員
『我々は韓国の国会議員にも懸命の働きかけをしたが、韓国側はB/C(費用対効果)のコストから非常に冷ややかだった。もうひとつは、旧統一教会がいかにも自分たちのイニシアチブ(主導)でやっているんだということが前面に出てきた。これは我々の言う両国政府の国家的プロジェクトの思惑から外れてしまうとの事で、私どもの日韓トンネル推進議連は解散した。我々は我々として、誤解のないように、純粋に日韓両国の国家事業と位置付けてやりたいんです。そこは本当なんです』
旧統一教会の元信者で、ジャーナリストの多田文明氏。
信者として活動していた1980年代後半から90年代半ばの事とした上で、教団内部での日韓トンネル構想について次のように証言します。
◆ジャーナリスト(元信者) 多田文明氏
「私は1987年に入信したんですが、その当時やあとは、(日韓トンネルを)すごく盛んに言われていた。進捗状況はわからなかったですけど、トンネル掘っている様子はビデオで見せられる。議員や学者も賛同して日韓トンネル関係で協力してくださる。信者たちは実現するものだと」
「日韓トンネル」に関して、国会議員の推進活動は旧統一教会の構想とは違うものだという衛藤氏の説明についてはー
◆ジャーナリスト(元信者) 多田文明氏
「信者はびっくりするんじゃないですか。信者も日韓トンネルを通じて、議員さんたちが応援してくれて、旧統一教会の思想の方に賛同してくれているという話しか聞いていない。別物とは思っていなかった」
次々と明らかになる、旧統一教会と自民党議員の接点。
今後、どこまで広がりを見せるのでしょうか。
そして、教団が進める日韓トンネルと政治の結びつきはあるのでしょうか。
(TNC報道ワイド「記者のチカラ」2022年8月26日放送より)
その接点というのが、TNCが追い続けている『日韓トンネル』でした。
旧統一教会が推し進める、日本と韓国を海底でつなぐという全長およそ230キロメートルの『日韓トンネル構想』。
8月24日、熊本県で岸田首相の後援会会長を務める崇城大学の中山峰男学長が、『日韓トンネル推進熊本県民会議』の議長を2011年の発足当初から務めていたことを明らかにしました。
◆崇城大学 中山峰男学長
「私自身も今の今まで日韓トンネルそのものが統一教会と関係があると認識がなかった」
中山学長は、『統一教会は非常に問題がある団体という認識』として、23日、議長を辞任。
これまで団体との金銭の授受はなかったということです。
また、中山学長は「結果的に岸田総理と統一教会を結びつけるような記事が出て岸田首相に申し訳ない」と話しました。
旧統一教会との関係に揺れる、日本の政治。
そんな中、8月18日―
◆記者
「すごい数のバスです。ざっと50台程でしょうか。駐車場を埋め尽くしています」
韓国・ソウル近郊の集会会場に続々と集まった大型バス。
降りて来る女性たちのほとんどが、旧統一教会、世界平和統一家庭連合の日本人信者とみられています。
女性たちが入っていった建物では集会が行われ、参加者によると、韓鶴子総裁が「日本の今の状況も時が経てば過ぎていく」などと演説をしたといいます。
◆記者
「旧統一教会による抗議集会には、ものすごい数の日本人信者らが参加しています」
日本人信者たちはソウル中心部へと場所を移して、日本での教団批判に抗議する大規模デモを行いました。
『歪曲報道 宗教弾圧 糾弾しろ 糾弾しろ』
安倍元首相の銃撃事件後、一気に明るみとなった『旧統一教会』と政治のつながり。
TNCでは、旧統一教会の関連団体、国際ハイウェイ財団が深く関わる日韓トンネルの取材を続けています。
佐賀県・唐津市から長崎県・対馬市を経て、韓国・プサンまでを結び総工費10兆円ともされる巨大プロジェクト。
実現に懐疑的な声もあるなか、教団の信者はどう見ているのでしょうか。
日本のメディアには固く口を閉ざす韓国の日本人信者、数人から取材のみという条件で話を聞くことができました。
◆韓国の日本人信者
「日韓トンネル構想はとても素晴らしいと思いませんか?日本と韓国を車で行き来できるようになるんですよ」
「事業に直接投資をしていなくても、私たちの献金が使われていることはみんな認識していると思います」
Q日韓トンネルがいわゆる集金装置になっているとの見方もあるが?
「先生は、絶対にそんなつもりで始めたわけではないと思います。平和と日韓友好のために進めてきたのに残念です」
日韓トンネル構想は、政治とどう結びついているのでしょうか。
自民党・安倍派、清和会の最高顧問を務める衛藤征士郎衆院議員(81)を直撃しました。
衛藤議員は、2008年に発表された清和会の政策集で、「日韓トンネル」について“プロジェクトへの投資価値は大きい″と提言。
また、同じ時期に結成されていた日韓トンネル推進議連の会長も務めていました。
◆安倍派(清和会)最高顧問 衛藤征士郎衆院議員
『“日韓トンネル”構想は1930年代からあった。1981年に旧統一教会の教祖・文鮮明氏が提案をして、いかにも旧統一教会の提案、主導によるものと言われているが、そうではない』
衛藤氏は、戦前からあった日韓の海底トンネル構想を、日本と韓国が国家的プロジェクトとして実現するように推進してきたといいます。
しかし現実は、旧統一教会の関連団体を主体に日韓トンネル構想が進んでいます。
この現実についてはー
◆自民党(安倍派)衛藤征士郎衆院議員
『研究会か財団か知りませんが、それはそれとしてやっていることではあるが、それについてこちらが何かブレーキをかけたりそんなことは何もしません。どうぞやって下さい』
衛藤氏らの推進議連は既に解散していて、解散理由のひとつには、旧統一教会の活動が関係していると明言します。
◆自民党(安倍派)衛藤征士郎衆院議員
『我々は韓国の国会議員にも懸命の働きかけをしたが、韓国側はB/C(費用対効果)のコストから非常に冷ややかだった。もうひとつは、旧統一教会がいかにも自分たちのイニシアチブ(主導)でやっているんだということが前面に出てきた。これは我々の言う両国政府の国家的プロジェクトの思惑から外れてしまうとの事で、私どもの日韓トンネル推進議連は解散した。我々は我々として、誤解のないように、純粋に日韓両国の国家事業と位置付けてやりたいんです。そこは本当なんです』
旧統一教会の元信者で、ジャーナリストの多田文明氏。
信者として活動していた1980年代後半から90年代半ばの事とした上で、教団内部での日韓トンネル構想について次のように証言します。
◆ジャーナリスト(元信者) 多田文明氏
「私は1987年に入信したんですが、その当時やあとは、(日韓トンネルを)すごく盛んに言われていた。進捗状況はわからなかったですけど、トンネル掘っている様子はビデオで見せられる。議員や学者も賛同して日韓トンネル関係で協力してくださる。信者たちは実現するものだと」
「日韓トンネル」に関して、国会議員の推進活動は旧統一教会の構想とは違うものだという衛藤氏の説明についてはー
◆ジャーナリスト(元信者) 多田文明氏
「信者はびっくりするんじゃないですか。信者も日韓トンネルを通じて、議員さんたちが応援してくれて、旧統一教会の思想の方に賛同してくれているという話しか聞いていない。別物とは思っていなかった」
次々と明らかになる、旧統一教会と自民党議員の接点。
今後、どこまで広がりを見せるのでしょうか。
そして、教団が進める日韓トンネルと政治の結びつきはあるのでしょうか。
(TNC報道ワイド「記者のチカラ」2022年8月26日放送より)
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