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日本の伝統「BENTO」体験で3万7000円 “欧米豪の富裕層を狙え” 福岡の新インバウンド戦略

暮らし

2024/02/23 18:55

コロナ禍で落ち込んだインバウンド需要は去年から順調な回復をみせていますが、そんな中で、福岡市が新たな戦略を打ち出しています。

ターゲットは「欧米の富裕層」です。



◆記者リポート
「太宰府天満宮参道です。今、午前10時なんですが、すでに多くの観光客であふれています。」

福岡の人気観光スポット、太宰府天満宮。

3連休初日の23日は、多くの観光客で賑わっていました。

特に目立っていたのはアジアからの観光客です。

訪れていた韓国人旅行客からは「家族同士で遊びにきた」「人が多くて有名だったので来たけど、とても良い」という声が聞かれました。

名物の「梅ヶ枝餅」を販売する店では-

◆甘木屋・高田由美子さん
「きょうは特に8割方インバウンドのお客様。韓国と、香港、台湾が多くて、東南アジア系の方も来ている」



一方、福岡市では21日、インバウンド戦略をめぐる新たな動きがありました。

高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」では-

◆記者リポート
「こちらでは、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアの富裕層の旅行客の取り込みに向けたセミナーが開かれています」

その名も『欧米豪富裕層旅行客獲得セミナー』。



なぜ、官民を挙げて彼らにターゲットを定めるのか。

去年、日本を訪れた外国人観光客の1人当たりの支出は韓国人が10万7000円、タイ人が19万円だったのに対し、イギリス、アメリカ、オーストラリアはいずれも30万円前後で、欧米豪の「消費単価」はアジアを大きく上回っているからです。



富裕層獲得のカギを握るのがー。

◆欧米富裕層向けの旅行会社
「いかに特別な体験を提供できるかどうか」

「日本の伝統文化と体験」という付加価値が、富裕層の心を最もくすぐるというのです。

この、富裕層取り込みに向けた動きが、すでに進んでいます。



◆川崎キャスター
「おはようございます。入ってすぐに良い木材の香りがします。そして今まさに、曲げ物を作ってらっしゃいますね」

福岡県志免町の工房で作られていたのは、福岡の伝統工芸品「博多曲物」。

杉やヒノキの板を加工して柔らかい曲線を描き、金属を一切使わずに桜の皮で綴じるという、まさに匠の技です。

弁当箱やおひつなどの日用品として、古くから親しまれてきました。



Q.何代目なんですか?
◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「私で18代目になります」

Q.歴代は何年?
◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「うちの初代の没年が慶長5年、420年続いています」



その曲物の弁当箱づくりを川崎キャスターが体験させてもらいました。

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「最後の仕上げで、桜の木の皮で合わせ目のところを縫い綴じる」

◆川崎キャスター
「これでちょっとずつツヤが出てきますかね」

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「後、表裏表裏ですね」

◆川崎キャスター
「こうやって削ぐことでだんだん風味が変わっていくのが面白いですね、ちょっとまだツヤが…」

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「ツヤが全然出てないですね」

◆川崎キャスター
「まだまだ私の技術がね」

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「そんなに簡単にしてもろうたら、こっちもね。職人として『こげん簡単にできるっちゃない』って言われたらちょっとね」



福岡市は、この伝統の曲物づくりこそが欧米の富裕層が求める「特別な体験」と考え、去年の秋以降、アメリカとフランスの旅行会社を招待するモニターツアーを実施。

富裕層の目線で、実際に弁当箱づくりを体験してもらいました。

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「フランスの方でも『BENTO』という単語で、ヘルシー料理として好まれているようで、自分でオリジナルの弁当箱を作って持って帰って大事にしてもらえる」



そして、曲物体験の最後の工程がー

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「ご飯とおかずを詰めてもらいます」

◆川崎キャスター
「これを自分で作ったお弁当箱に…これは楽しい、テンションが上がります」

Q.これから欧米の食卓に曲物が並ぶことになるかもしれない?
◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「ぜひ並べて頂きたいと思います」



この曲物体験、実際に欧米の富裕層が利用する場合の料金は、1人3万7000円です。

弁当箱を作って料理を詰めて持ち帰るのに加えて、博多曲物と関わりが深い福岡市の神社「筥崎宮」を神職が案内するツアーも含まれています。

勢いのある福岡市が欧米の富裕層を獲得して、もう一段階先に進むために、伝統工芸のブランディングが鍵を握ることになりそうです。
コロナ禍で落ち込んだインバウンド需要は去年から順調な回復をみせていますが、そんな中で、福岡市が新たな戦略を打ち出しています。

ターゲットは「欧米の富裕層」です。
◆記者リポート
「太宰府天満宮参道です。今、午前10時なんですが、すでに多くの観光客であふれています。」

福岡の人気観光スポット、太宰府天満宮。

3連休初日の23日は、多くの観光客で賑わっていました。

特に目立っていたのはアジアからの観光客です。

訪れていた韓国人旅行客からは「家族同士で遊びにきた」「人が多くて有名だったので来たけど、とても良い」という声が聞かれました。

名物の「梅ヶ枝餅」を販売する店では-

◆甘木屋・高田由美子さん
「きょうは特に8割方インバウンドのお客様。韓国と、香港、台湾が多くて、東南アジア系の方も来ている」
一方、福岡市では21日、インバウンド戦略をめぐる新たな動きがありました。

高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」では-

◆記者リポート
「こちらでは、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアの富裕層の旅行客の取り込みに向けたセミナーが開かれています」

その名も『欧米豪富裕層旅行客獲得セミナー』。
なぜ、官民を挙げて彼らにターゲットを定めるのか。

去年、日本を訪れた外国人観光客の1人当たりの支出は韓国人が10万7000円、タイ人が19万円だったのに対し、イギリス、アメリカ、オーストラリアはいずれも30万円前後で、欧米豪の「消費単価」はアジアを大きく上回っているからです。
富裕層獲得のカギを握るのがー。

◆欧米富裕層向けの旅行会社
「いかに特別な体験を提供できるかどうか」

「日本の伝統文化と体験」という付加価値が、富裕層の心を最もくすぐるというのです。

この、富裕層取り込みに向けた動きが、すでに進んでいます。
◆川崎キャスター
「おはようございます。入ってすぐに良い木材の香りがします。そして今まさに、曲げ物を作ってらっしゃいますね」

福岡県志免町の工房で作られていたのは、福岡の伝統工芸品「博多曲物」。

杉やヒノキの板を加工して柔らかい曲線を描き、金属を一切使わずに桜の皮で綴じるという、まさに匠の技です。

弁当箱やおひつなどの日用品として、古くから親しまれてきました。
Q.何代目なんですか?
◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「私で18代目になります」

Q.歴代は何年?
◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「うちの初代の没年が慶長5年、420年続いています」
その曲物の弁当箱づくりを川崎キャスターが体験させてもらいました。

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「最後の仕上げで、桜の木の皮で合わせ目のところを縫い綴じる」

◆川崎キャスター
「これでちょっとずつツヤが出てきますかね」

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「後、表裏表裏ですね」

◆川崎キャスター
「こうやって削ぐことでだんだん風味が変わっていくのが面白いですね、ちょっとまだツヤが…」

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「ツヤが全然出てないですね」

◆川崎キャスター
「まだまだ私の技術がね」

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「そんなに簡単にしてもろうたら、こっちもね。職人として『こげん簡単にできるっちゃない』って言われたらちょっとね」
福岡市は、この伝統の曲物づくりこそが欧米の富裕層が求める「特別な体験」と考え、去年の秋以降、アメリカとフランスの旅行会社を招待するモニターツアーを実施。

富裕層の目線で、実際に弁当箱づくりを体験してもらいました。

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「フランスの方でも『BENTO』という単語で、ヘルシー料理として好まれているようで、自分でオリジナルの弁当箱を作って持って帰って大事にしてもらえる」
そして、曲物体験の最後の工程がー

◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「ご飯とおかずを詰めてもらいます」

◆川崎キャスター
「これを自分で作ったお弁当箱に…これは楽しい、テンションが上がります」

Q.これから欧米の食卓に曲物が並ぶことになるかもしれない?
◆博多曲物 玉樹 柴田玉樹さん
「ぜひ並べて頂きたいと思います」
この曲物体験、実際に欧米の富裕層が利用する場合の料金は、1人3万7000円です。

弁当箱を作って料理を詰めて持ち帰るのに加えて、博多曲物と関わりが深い福岡市の神社「筥崎宮」を神職が案内するツアーも含まれています。

勢いのある福岡市が欧米の富裕層を獲得して、もう一段階先に進むために、伝統工芸のブランディングが鍵を握ることになりそうです。

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