自力V消滅でも好材料 ソフトバンク工藤監督が描く「逆襲プラン」は実現するか
ホークス
2021/09/07 23:00
逆転優勝を目指すソフトバンクがじわじわと反撃態勢を整えつつある。
7日の西武戦で逆転負けを喫し、工藤監督にとっては就任7年目で最速の107試合目で自力優勝の可能性が消滅。試合終盤、利き腕と反対の左肘の故障で離脱していた森が約4カ月ぶりに出場選手登録されブルペンで肩をつくっていたが、2点リードの8回に甲斐野が3点を奪われ出番は回ってこなかった。
この試合では結果的に継投がうまくいかなかったものの、森の復帰はチームにとって大きな意味を持っている。森の離脱後、抑えの代役を務めていたモイネロ、岩嵜が相次いで離脱。工藤監督は状態のいい投手を抑え役としてやり繰りしてきたが、9回は後半戦で最も失点の多いイニングとなっていた。泣きどころだった「9回問題」を森の復帰で解消できれば、ブルペン陣のほかの投手の役割もはっきりする。
森だけではない。右肘の張りで8月29日に抹消された岩嵜も間もなく2軍戦に登板予定で、週内には1軍に戻る可能性が高まった。さらに左手首の違和感で戦列を離れているモイネロは早ければ10日の2軍戦で実戦復帰する見込み。その前の8日に3軍練習でシート打撃に登板する予定で、斉藤リハビリ担当コーチは「見ている限り、そこそこ大丈夫ではないか。順調だし、心配はしていない」と話した。
追う立場のソフトバンクにとってはどの試合も大事だが、来週から特に重要な試合が控えている。14日から本拠地でロッテ3連戦、18日からはいずれも敵地での楽天3連戦、そしてロッテ2連戦だ。開幕5連敗から立て直し今月5日に一時首位に立ったロッテには昨年まで2年連続で負け越しており、勢いづく宿敵との直接対決は9月の大きなヤマ場となりそうだ。
こうした状況で、工藤監督は逆転優勝への道筋をどう描いているのか。そのヒントとなる言葉を4日の試合前に口にしていた。「僕が考えているのは後ろの3人が戻ってくること。打線はグラシアルが戻ってくるだけで変わる。そういう時にみんなの安心感というか『自分がやらなきゃ』というところから『次へ次へ』という気持ちが強くなる」。この話をした時点で残り39試合、首位オリックスと6ゲーム差。そこから3試合を消化し、7日に首位を奪い返したオリックスとはわずかに接近して5ゲーム差だ。じわじわと迫りながら森、モイネロ、岩嵜、すなわち後ろの3人がそろって戻るタイミングが見えてきた。
右手指の故障で5月に離脱したグラシアルの復帰はいまだ見通せないが、今月2日に初昇格した4年目のリチャードが5日にプロ1号の逆転満塁弾を放つなど開花の予感を漂わせている。グラシアルの長期不在、代走の切り札だった周東が9月10日に右肩の手術を受けることが決まるなど想定外の事態も起きてはいるが、リチャードの活躍はこれまでにないインパクトでチームの流れを変えつつある。
オリックスは打線の大黒柱の吉田やT‐岡田、楽天は抑えの松井が離脱中で、ロッテは規定投球回到達者が1人もいない。どの球団も台所事情が苦しく決め手を欠く中、ヒーロー出現に続いて後ろの3人がまもなくそろうであろう王者ソフトバンクの逆襲はあるのか。残りは全チーム40試合以下。混戦パ・リーグはいよいよ最終コーナーに入っていく。
7日の西武戦で逆転負けを喫し、工藤監督にとっては就任7年目で最速の107試合目で自力優勝の可能性が消滅。試合終盤、利き腕と反対の左肘の故障で離脱していた森が約4カ月ぶりに出場選手登録されブルペンで肩をつくっていたが、2点リードの8回に甲斐野が3点を奪われ出番は回ってこなかった。
この試合では結果的に継投がうまくいかなかったものの、森の復帰はチームにとって大きな意味を持っている。森の離脱後、抑えの代役を務めていたモイネロ、岩嵜が相次いで離脱。工藤監督は状態のいい投手を抑え役としてやり繰りしてきたが、9回は後半戦で最も失点の多いイニングとなっていた。泣きどころだった「9回問題」を森の復帰で解消できれば、ブルペン陣のほかの投手の役割もはっきりする。
森だけではない。右肘の張りで8月29日に抹消された岩嵜も間もなく2軍戦に登板予定で、週内には1軍に戻る可能性が高まった。さらに左手首の違和感で戦列を離れているモイネロは早ければ10日の2軍戦で実戦復帰する見込み。その前の8日に3軍練習でシート打撃に登板する予定で、斉藤リハビリ担当コーチは「見ている限り、そこそこ大丈夫ではないか。順調だし、心配はしていない」と話した。
追う立場のソフトバンクにとってはどの試合も大事だが、来週から特に重要な試合が控えている。14日から本拠地でロッテ3連戦、18日からはいずれも敵地での楽天3連戦、そしてロッテ2連戦だ。開幕5連敗から立て直し今月5日に一時首位に立ったロッテには昨年まで2年連続で負け越しており、勢いづく宿敵との直接対決は9月の大きなヤマ場となりそうだ。
こうした状況で、工藤監督は逆転優勝への道筋をどう描いているのか。そのヒントとなる言葉を4日の試合前に口にしていた。「僕が考えているのは後ろの3人が戻ってくること。打線はグラシアルが戻ってくるだけで変わる。そういう時にみんなの安心感というか『自分がやらなきゃ』というところから『次へ次へ』という気持ちが強くなる」。この話をした時点で残り39試合、首位オリックスと6ゲーム差。そこから3試合を消化し、7日に首位を奪い返したオリックスとはわずかに接近して5ゲーム差だ。じわじわと迫りながら森、モイネロ、岩嵜、すなわち後ろの3人がそろって戻るタイミングが見えてきた。
右手指の故障で5月に離脱したグラシアルの復帰はいまだ見通せないが、今月2日に初昇格した4年目のリチャードが5日にプロ1号の逆転満塁弾を放つなど開花の予感を漂わせている。グラシアルの長期不在、代走の切り札だった周東が9月10日に右肩の手術を受けることが決まるなど想定外の事態も起きてはいるが、リチャードの活躍はこれまでにないインパクトでチームの流れを変えつつある。
オリックスは打線の大黒柱の吉田やT‐岡田、楽天は抑えの松井が離脱中で、ロッテは規定投球回到達者が1人もいない。どの球団も台所事情が苦しく決め手を欠く中、ヒーロー出現に続いて後ろの3人がまもなくそろうであろう王者ソフトバンクの逆襲はあるのか。残りは全チーム40試合以下。混戦パ・リーグはいよいよ最終コーナーに入っていく。
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