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大混戦パ・リーグ「上位3球団のゲーム差0」注目は残りの直接対決数 ソフトバンク千賀はどこで投げるのか

ホークス

2022/09/05 12:00

 混戦が続くプロ野球のパ・リーグは各球団とも残り20試合前後となりさらに先の読めない展開となってきた。4日の試合で首位ソフトバンクが2位西武に敗れ、3位オリックスはロッテに同一カード3連勝。この結果、上位3チームが0ゲーム差の中にひしめき合うことになった。

 3チームの残り試合はソフトバンクがリーグ最多の23、西武とオリックスはいずれも最少の18。西武とオリックスは直接対決があと1試合しかない一方、ソフトバンクとはそれぞれ5試合を残している。4位楽天が失速気味なだけに、西武とオリックスはソフトバンク戦を中心に戦略を考えてくることが予想される。

 2年ぶりの優勝を目指すソフトバンクは2日からの西武との首位攻防戦で3連勝こそ逃したが2勝1敗。首位の座を奪い返し、このカードの今季対戦戦績を11勝8敗1分けとした。数字上は残りの直接対決に優位さを保って臨むことになった一方、オリックス戦に関しては懸念材料がある。今季パ・リーグのカード別成績で唯一負け越し(9勝11敗)ていること、そして残り5試合の舞台が全て敵地京セラドーム大阪であることだ。同球場でのオリックス戦は今季2勝6敗。8月に主催試合として行ったロッテ戦も加えると2勝7敗と特に苦手としており、鬼門の地でいかに白星を重ねるかがポイントとなってくる。

 このオリックス戦は土、日に2試合ずつ、月曜に1試合で、ローテの順番通りならオリックスはエース山本と2年連続2桁勝利を挙げた宮城が2試合ずつ先発する。ソフトバンクはエース千賀がコロナ陽性から復帰して以降は2週連続で日曜に先発。こちらも順番通りならオリックスを相手に2試合投げることになる。

 2軍での調整期間を大幅に短縮しコロナ陽性明けの復帰戦となった8月28日の日本ハム戦では、球数制限がある中でも6回無失点と貫禄を見せ9勝目。この試合について千賀は「この状況の中で、2軍でしっかり時間をかけずに上がってきたという意味を考えた時にすごく重要な登板になると思っていた。僕がダメだった時のチームの雰囲気とかを考えたら、失敗できない気持ちがあった」と明かす。

 エースの責任を胸に、復帰2戦目となった9月3日の西武戦でも立ち上がりから気持ちのこもった投球を見せつけ6回までわずか1安打で無失点。しかし0-0の7回、外崎に先制2ランを浴びて屈しチームを首位攻防戦3連勝へ導けなかった。

 残りの日程で仮に千賀が中6日で回るとすると先発数は4試合。全勝すれば自己最多の13勝に並ぶが、シーズン前に掲げた「キャリアハイ」は勝ち星に関して言えば難しくなった。もっとも、今の千賀にそこは眼中にない。今季前半は右肘痛、後半はコロナで約1カ月離脱したこともあり、残り試合に懸ける思いをこう明かす。

 「今年は登板数も少ないし、なかなかうまくマウンドで表現できる部分は少なかった。そこ(キャリアハイ)に関しては難しい部分もあると思う。ただ、その中でチームのためにやれる部分というのはあるのかなと思っている。あとは僕の意見というよりも、チームが新しい首脳陣になってどういうふうに考えているのかというころの差はあるんじゃないかなと思います」

 投手出身の工藤前監督に対し、藤本監督は野手出身。工藤前監督は自ら決断してシーズン終盤に千賀を中4日で起用する勝負手を打ったこともあるが、果たして藤本監督は残り試合でどんな手を考えているのか。いずれにしても、エースが投げる試合を「落とせない」との思いで臨むのはどのチームも同じだ。

 大混戦となった今年のパ・リーグでここまでBクラスに落ちたことがないのはソフトバンクだけ。現在の貯金は8で、開幕8連勝して以降は一気に抜け出すこともなかったが、大きく失速することもなかった。コロナ禍による主力の大量離脱期間が2度もありながら持ちこたえてきた成果を、最後に「優勝」という形で結実させることができるか。その中心となるべき存在の千賀は「チームのためにやらなくちゃいけない」と繰り返し口にした。

(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」3日オンエア・YouTube「ももスポチャンネル」より」)

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