2023/02/21 16:45
減り続けるシロウオ 今年は漁が中止に “春の風物詩”復活へ 続けられる「産卵場」作り 福岡市
暮らし
2023/02/22 17:15

福岡市の室見川で行われるシロウオ漁は春の風物詩になってきましたが、今年は中止になってしまいました。
年々シロウオが減り続ける室見川の現状を打開するために、文字通り、川に一石を投じる取り組みがありました。
◆記者リポート
「室見川の河口から約500メートルの地点です。現在、干潮の時間です。大勢の市民が川に降りてきています」
18日に行われた、シロウオの産卵場の「造成プロジェクト」です。
シロウオは、体長3センチほどのハゼ科の魚。
春先に海から上ってきて、川底の石に卵を産みつけます。
それを待ち受けて「やな」でとらえるシロウオ漁は、室見川の春の風物詩として、古くから親しまれてきました。
ところが…
◆福岡大学 伊豫岡宏樹 助教
「去年の収穫量は、やなを小さくしたことも関係があるかもしれないが、25~26キロだった。一番獲れていた時期は1800キロとか獲れていたので、そのデータを見せて(室見川シロウオ組合の)組合長と話して、今年は休漁しましょうと」
シロウオの保護のため、今年は川に「やな」を設置せず、漁を「断念」することが決まったのです。
福岡大学工学部の伊豫岡宏樹助教は、この産卵場の造成プロジェクトを13年続けてきました。
◆福岡大学 伊豫岡宏樹 助教
「シロウオは石の裏に卵を産むと言いましたが、川底に石が出てないといけない」
伊豫岡さんは、室見川でシロウオの漁獲量が減った理由として、「川幅の拡幅」と「護岸の改修」を上げました。
今から約半世紀前の室見川は、川岸には緑が茂り、豊かな水辺の生態系が形づくられていました。
その後、室見川は水害を防ぐために川幅が広げられ、護岸はコンクリートで固められました。
その結果、川の流れが全体的に緩やかになり、山から流れ出す土砂が海まで到達せず、川底の石に覆いかぶさったため、シロウオの産卵場所が徐々に失われていったというのです。
◆福岡大学 伊豫岡宏樹 助教
「それをどうにかするには、川の形を変えたりとか大変なんですけど、それができるようになるまでには、地域の人たちと何かできることはないかと」
そんな呼びかけに応じて集まった、約100人のボランティア。
土砂に埋まった川底の石を鍬で掘り返しては、渾身の力で川に投げ込んで行きます。
こうすることで川底に再び凹凸ができ、石の下に穴を掘って卵を産むシロウオが産卵しやすい環境ができるのです。
取材中、大きな石だけを選んで、川底に一直線に並べている中学生を見つけました。
◆記者
「どういう風に考えて(石を)並べている?」
◆中学生
「少し隙間を作って、密接に置ければいいかなと」
その様子を見ていた伊豫岡さんはー。
◆福岡大学 伊豫岡宏樹助教
「面白いですよね。きっと(産卵場として)使うと思います。川の流れもあるし、水深もある程度浅いし」
◆中学生にアドバイスする 伊豫岡宏樹 助教
「石が浮いていたら卵を産まないから、少し(石を)踏んでやるといいよ」
街中の川で、年々失われていく自然の営みー。
参加した多くのボランティアが、室見川の変化を肌で感じていました。
◆参加者
「毎年だったら、このボランティアをやる時にやなが出ているが、今年は無くなっってしまった。ぜひ、産卵場を広げてあげたい」
◆参加者
「絶対にここに産んでもらおうと思って、信念を持ってやっている。いま、こうして作業していても、ゴミがかなり多いと思う。地球にやさしいとか、そういうことを言っているレベルでは無い気がする」
長年続いてきた、室見川の春の風物詩をこれからも守り続けたいー。
変わりゆく川の環境に、文字通り「一石」を投じる、地道な取り組みが続いています。
年々シロウオが減り続ける室見川の現状を打開するために、文字通り、川に一石を投じる取り組みがありました。
◆記者リポート
「室見川の河口から約500メートルの地点です。現在、干潮の時間です。大勢の市民が川に降りてきています」
18日に行われた、シロウオの産卵場の「造成プロジェクト」です。
シロウオは、体長3センチほどのハゼ科の魚。
春先に海から上ってきて、川底の石に卵を産みつけます。
それを待ち受けて「やな」でとらえるシロウオ漁は、室見川の春の風物詩として、古くから親しまれてきました。
ところが…
◆福岡大学 伊豫岡宏樹 助教
「去年の収穫量は、やなを小さくしたことも関係があるかもしれないが、25~26キロだった。一番獲れていた時期は1800キロとか獲れていたので、そのデータを見せて(室見川シロウオ組合の)組合長と話して、今年は休漁しましょうと」
シロウオの保護のため、今年は川に「やな」を設置せず、漁を「断念」することが決まったのです。
福岡大学工学部の伊豫岡宏樹助教は、この産卵場の造成プロジェクトを13年続けてきました。
◆福岡大学 伊豫岡宏樹 助教
「シロウオは石の裏に卵を産むと言いましたが、川底に石が出てないといけない」
伊豫岡さんは、室見川でシロウオの漁獲量が減った理由として、「川幅の拡幅」と「護岸の改修」を上げました。
今から約半世紀前の室見川は、川岸には緑が茂り、豊かな水辺の生態系が形づくられていました。
その後、室見川は水害を防ぐために川幅が広げられ、護岸はコンクリートで固められました。
その結果、川の流れが全体的に緩やかになり、山から流れ出す土砂が海まで到達せず、川底の石に覆いかぶさったため、シロウオの産卵場所が徐々に失われていったというのです。
◆福岡大学 伊豫岡宏樹 助教
「それをどうにかするには、川の形を変えたりとか大変なんですけど、それができるようになるまでには、地域の人たちと何かできることはないかと」
そんな呼びかけに応じて集まった、約100人のボランティア。
土砂に埋まった川底の石を鍬で掘り返しては、渾身の力で川に投げ込んで行きます。
こうすることで川底に再び凹凸ができ、石の下に穴を掘って卵を産むシロウオが産卵しやすい環境ができるのです。
取材中、大きな石だけを選んで、川底に一直線に並べている中学生を見つけました。
◆記者
「どういう風に考えて(石を)並べている?」
◆中学生
「少し隙間を作って、密接に置ければいいかなと」
その様子を見ていた伊豫岡さんはー。
◆福岡大学 伊豫岡宏樹助教
「面白いですよね。きっと(産卵場として)使うと思います。川の流れもあるし、水深もある程度浅いし」
◆中学生にアドバイスする 伊豫岡宏樹 助教
「石が浮いていたら卵を産まないから、少し(石を)踏んでやるといいよ」
街中の川で、年々失われていく自然の営みー。
参加した多くのボランティアが、室見川の変化を肌で感じていました。
◆参加者
「毎年だったら、このボランティアをやる時にやなが出ているが、今年は無くなっってしまった。ぜひ、産卵場を広げてあげたい」
◆参加者
「絶対にここに産んでもらおうと思って、信念を持ってやっている。いま、こうして作業していても、ゴミがかなり多いと思う。地球にやさしいとか、そういうことを言っているレベルでは無い気がする」
長年続いてきた、室見川の春の風物詩をこれからも守り続けたいー。
変わりゆく川の環境に、文字通り「一石」を投じる、地道な取り組みが続いています。
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