高速バスで横行する「相席ブロック」2席予約し直前に1席キャンセル　偽計業務妨害罪の可能性も　バス会社は手数料値上げ　福岡

物価高の中、旅行の際の移動手段として需要が高まっているのが、比較的安価な高速バスです。

その高速バスをめぐって今、耳を疑うような問題が持ち上がっています。

◆利用者
「ちょっと良くないと思いますね」

◆利用者
「迷惑がかかるので、モラル的に良くないなとは思いますけど」

◆利用者
「バス会社に迷惑かけていると思う。私はしたくないって思います」

利用者が口をそろえて批判的な意見を示しているのが「相席ブロック」と呼ばれる行為です。

「相席ブロック」とは高速バスの座席を事前予約する際に隣り合う2席を1人で予約した上で、出発間際に1席をキャンセルすることで隣に人が座らないようにする迷惑行為のこと。

高速バスは乗車直前のキャンセルでも払い戻し手数料が100円程度という場合もあり、この迷惑行為が全国的に相次いでいるといいます。

「ブロック」は隣の席だけにとどまらず、こんな例も。

◆ジェイアールバス関東株式会社の担当者
「最近では前後左右計5席くらいとるのが当たり前の行為となっていて、それが毎日、特に長距離路線で頻発している状況です。もっとひどい場合には1階と2階のバスがあるが、1階部分も全部押さえてしまうというパターンも確認しております」

福岡を中心に高速バスを運行する西鉄でも…。

◆西鉄 広報課　樽見優さん
「これまでにも同様の行為というのはあったんですけれども、件数として増加した印象にあるのは2021年ごろから」

バス会社の損失にも直結する「相席ブロック」の問題を受け、西鉄は対策に乗り出しました。

◆西鉄 広報課　樽見優さん
「2023年10月に予約決済の期限を変更し、2024年12月には払い戻し手数料の改定を行っています」

WEB・コンビニともに予約日含め3日以内だった決済期限を、WEBは即時決済、コンビニは予約当日中に変更。

そして直前のキャンセルでも110円だった払い戻し手数料は、乗車日が近づくにつれて段階的に価格が上がる仕組みに改定し、前日と当日のキャンセルは運賃の50％となっています。

対策の効果もあり迷惑行為は少なくなりましたが、ゼロになったとは言えない状況だといいます。

◆西鉄広報課　樽見優さん
「1人でも多くのお客様にご乗車いただきたいというところがございますので、ご利用いただくお客様1人1人にご協力いただきたいと思います」

偽計業務妨害の罪に問われる可能性も

この「相席ブロック」、法律的に問題ないのか弁護士に聞いてみました。

弁護士によると、度を超してバス会社の業務を妨害するレベルの場合は「偽計業務妨害罪」として3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金となる可能性があるとの見解でした。

悪質な場合は犯罪となりますので、意図的な「相席ブロック」は絶対にしないようにしましょう。