“園児に暴行”7件で再逮捕　夫「子供への愛情は一番強かった」　元保育士の女「イライラする頻度が増え…」　園の“不適切保育”2ヵ月で132件…ほかの保育士による暴行疑いも捜査　福岡・田川市

福岡県田川市の保育園で園児を殴りケガをさせた疑いなどで逮捕された元保育士の女が、別の園児にも7件の暴行を加えた疑いで再逮捕されました。

容疑者の夫で元職員の男性がTNCの取材に応じました。



8日、暴行の疑いで再逮捕されたのは元保育士の中村麗奈容疑者（25）です。

警察によりますと、中村容疑者は、今年7月から8月にかけて、保育士として勤務していた田川市の松原保育園で、5歳児クラスの園児1人の頭を太鼓用の木製の棒で複数回殴ったり、口の中に食べ物を押し込んだりするなど、合わせて7件の暴行を加えた疑いです。



◆記者リポート（11月20日、飯塚警察署）
「中村容疑者を乗せた車が出てきました」

中村容疑者は11月、別の園児の頭や顔を殴りけがをさせた傷害などの疑いで逮捕・起訴されていて、今回の再逮捕を合わせると、2人の園児に対して11件の暴行や傷害の疑いで逮捕されたことになります。

調べに対し、中村容疑者は容疑を認めた上で、「クラス担任をしていく中で心に余裕がなくなり、イライラする頻度が増え、悪いことと分かりながら子供たちをたたくようになった」などと供述しているということです。



◆保護者（保護者説明会）
「口の中に食べ物を詰められて、『おえおえ』って言っているところを後頭部たたかれたらどう思いますか！」

中村容疑者が勤めていた松原保育園をめぐっては、これまでに、当時勤務していた保育士14人のうち10人が、園児に虐待などを行っていたと県が認定。

園の調査では、2カ月間で132件の“不適切な行為”があり、そのうち98件が虐待にあたるものだったといいます。

また、園は約7割の“不適切な行為“が、中村容疑者と、すでに解雇されているもう1人の保育士によるものだったとしています。



◆記者リポート（8日）
「中村容疑者が再逮捕されたきょうも、園には子供たちが登園しています」

異例とも言える保育士の“集団虐待”と、中村容疑者の2度にわたる逮捕に揺れる松原保育園。



自身も職員として勤務していたという中村容疑者の夫がTNCの取材に応じました。

◆以前 松原保育園に勤務　中村容疑者の夫
「『あの園では、子供への愛情は一番強かったんじゃないかな』っていうのはあると思います。本人が罰せられるのは警察沙汰にもなっているから。暴行となれば、報道が正しければ『良くないな』と思う」

中村容疑者の“虐待”を「良くない」としながらも園の責任を訴えます。

◆中村容疑者の夫
「別の先生が（園児を）たたいていたり引っ張っていたり、というのはあった。園自体の問題もあると思うから、1人だけの責任で終わらせてほしくない。トップが代わらないのであれば、園自体がない方がいいのではないか」

松原保育園は11月、「1クラスに2人以上の担任をつける」ことや、「新たに副園長や主任保育士を採用する」ことなどをまとめた改善報告書を県に提出。

警察は、他の保育士も園児に暴行を加えていた疑いもあるとみて、詳しく調べを進めています。