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辞職から2カ月…姿現さぬ蔵内勇夫前議長に“公私混同”の指摘 「ワンヘルス」1億円の公金支出や議長専決での海外出張に説明なく 福岡

政治・行政

1時間前

福岡県政界の実力者であった蔵内勇夫・前県議会議長が突然の議員辞職をしてから約2カ月が経過しました。

いまだ記者会見などの日程は決まっておらず、公の場での説明は行われていません。

こうした中、蔵内氏不在のまま進められた県議会9月定例会では、蔵内氏が強力に推し進めてきた政策「ワンヘルス」をめぐり、“公私混同”とも受け取れる実態が次々と明らかになりました。

「ワンヘルス」めぐり県が賃料負担や職員派遣

人と動物の健康やその環境を一体的に守ろうというのが「ワンヘルス」。

これを「ライフワーク」として位置付けていたのが蔵内氏でした。

6月の会見でも「ワンヘルスを推進するということは福岡県議会の大きな政策です。私は獣医師であると同時に福岡県議会議員で、ワンヘルスを推進するという点において分けることはできません」と熱く語りました。

しかし、県議会ではその不透明な実態に厳しい目が向けられています。
問題視されているのが福岡市・天神の「アクロス福岡」内にある「アジア獣医師会連合 ワンヘルス福岡オフィス」(FOF)への公金支出です。

蔵内氏が所長を務めるこのオフィスは2023年8月に開設され、アジア・オセアニア各国でのワンヘルスに関する活動情報の共有や大会の企画などを行っているとされています。
県は開設以降、事務所の賃料や光熱費などを全額負担しているほか、研修名目で県職員を2人派遣してきました(9月以降は1人に削減)。

6月までの賃料・光熱費などの総額は約6500万円、8月までに派遣された職員の給与総額は約4300万円に上り、県が支出した額は計約1億円に達しています。
9月定例会の決算特別委員会では、新開崇司県議(無所属の会)が「県が日本獣医師会から事務所の設置候補としてアクロス福岡を指定されたことは事実なのか、あわせて事務所賃借料および管理費について全額負担を求められたのは事実なのか」と質問したのに対し県側が「さまざまな協議の中でそのような意見があったことは承知しております」と明らかにし、蔵内氏が会長を務める日本獣医師会側から働きかけがあったことが浮き彫りとなりました。
服部知事は「福岡の地ワンヘルスセンターの分野横断的な研究における橋渡し役として活躍していただくことを期待する」とオフィスの意義を強調しつつも、「県とともに誘致を行っていただいた各団体の皆様のご意見もうかがった上で、支援の見直しを検討してまいります」と述べ、開設して3年がたつFOFへの支援内容の再検討に言及しました。

議会棟の一室貸し出しに“優遇”?

蔵内氏の“公私混同”が疑われる事例はこれだけにとどまりません。

蔵内氏が去年まで会長を務めていた任意団体「九州の自立を考える会」に、県は議会棟1階の1室を貸し出しています。
TNCが入手した内部資料によると、光熱費などを含めた年間使用料は約56万9000円にとどまっており、蔵内氏が関係する組織に対し著しく優遇しているのではないかとの指摘が相次いでいます。

「議長専決」で海外視察へ

さらに、議会に諮らず決定する「議長専決」をへた海外視察にも疑問の声が上がっています。

当時議長だった蔵内氏が実施を決めた2025年8月の中国視察では、移動日を除く3日間の日程のうち2日間が、県議会側に要請のない「中国獣医師会大会」や「日中韓獣医師会による調印式」に充てられ、蔵内氏はこれらに日本獣医師会会長として出席していました。

日本獣医師会側の負担は宿泊費2泊分だけで、約390万円に上る活動経費の大半は県の公金から支払われていました。

県議会が公表しているデータによると、2025年度までの3年間に実施された海外視察23件のうち、ワンヘルス関連は7件を占めています。

求められる説明責任

「獣医師であると同時に福岡県議会議員としてワンヘルス推進の点では分けることができない」と語っていた蔵内氏。

しかし“公私混同”ともとれる多額の公金投入が明らかになる中、説明責任を果たすよう求める声は日増しに強まっています。

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