1. HOME
  2. “海の異変”で「サンマ」激減 シーズン到来も“小さくて高い” スーパーや飲食店も苦悩 【福岡発】

“海の異変”で「サンマ」激減 シーズン到来も“小さくて高い” スーパーや飲食店も苦悩 【福岡発】

暮らし

2022/09/22 18:15

サムネイル
『秋の味覚』の代表格、秋刀魚。

今年もシーズンが到来していますが、福岡の関係者は長引く「海の異変」に気をもんでいます。

9月8日の深夜。

福岡中央魚市場に北海道の根室から到着したのはー

銀色に輝く秋の味覚『サンマ』です。

長年親しまれている庶民の味ですが、今年はー

◆福岡中央魚市場 柴田浩司さん
「例年と比べてやっぱり小さいですよね。細いなっていうイメージはあります」

最も大きいものでも例年の最小サイズという約25cm。

小ぶりなものばかりで入荷量も少ないといいます。

シーズン到来となるサンマですが、セリは行われず、仲買業者と直接売買されます。

◆仲買業者
「小さいですよ」

◆仲買業者
「例年になく少ないって言ってるし、高いですよね」

サンマの水揚げ量日本一を誇る北海道根室市で8月に行われた今年の初水揚げ。

初日は約60トンと去年を下回り、低調なスタートとなりました。

◆漁業者
「小さくてダメ」

◆漁業者
「期待しないとやっていけないから期待してやっていきたい」

水産庁は、今年の漁獲量も低い水準にとどまると見込んでいます。

全国のサンマの漁獲量は近年激減。

2019年からは3年連続で過去最低を更新していますが、明確な原因はわかっていないといいます。

◆福岡中央魚市場 柴田浩司さん
「中国船・台湾船の乱獲、あとは海水温の上昇とか資源の枯渇が一番じゃないかなっていうのは感じますね」

そんな中でも、鮮魚に力を入れているという福岡のスーパーでは、8月末からサンマの販売を始めました。

◆エルショップ 水産バイヤー 金子和人さん
「サイズが去年の半分くらい。本当は加工に回すようなサイズの…缶詰とか」

例年であればこの時期、陳列棚いっぱいに脂の乗ったサンマが並ぶといいますが、この日仕入れたのは6キロ。

価格は1尾340円とやや割高です。

◆「エルショップ」水産バイヤー 金子和人さん
「(例年)この先11月までサンマで潤うんですけど、鮮魚部は。どうしようもない。頭をかかえています」

秋の味覚を楽しみにしているという買い物客もー

◆来店客
「いつも背中がふっくらしたのがたくさん出るんですけど、今年はちょっとスレンダーっていうか」

◆来店客
「高いですね。ちっちゃいし」
Q.でもやっぱり秋は食べたくなりますよね
「これ食わんとね。秋になった気分がしませんな」

◆「エルショップ」水産バイヤー 金子和人さん
「もうちょっと水温が下がってくると、青森・宮城沖までサンマが降りてきますので。その時に脂の乗った美味しいサンマが水揚げされることを祈っています」

サンマの不漁を受け、飲食店も頭を悩ませています。

魚料理が人気の福岡市の定食店で、毎年この時期に人気のメニューが、脂がのった「サンマの塩焼き」です。

しかし、ここ数年は小ぶりのため、数量限定での提供が続き、去年は塩焼きの提供ができませんでした。

この日、北海道産の生サンマを試しに仕入れましたがー

◆「味の正福」料理長 大西一典さん
「身はまだ新しいんですけど、小さすぎてちょっと食べ応えがない。このサイズじゃお出しできないなという感じですね」

サイズが小さいうえ、例年に比べ仕入れ値が一尾あたり150円ほど値上がりしているため、今年の提供を一時見送ることに。

◆「味の正福」料理長 大西一典さん
「もしお客様に出すとしたら、値段の割に小さいサンマでがっかりさせちゃうなというのがありますね。今年は10月中旬くらいにサイズが大きくなればお客様に提供したい。早くもとのように大きなサンマがかえってきて、お客様に安くご提供できたらいい」

手頃な価格で味わえる代表格だったサンマ。

庶民の味は、いつ食卓に戻ってくるのでしょうか。

あなたにおすすめ

  1. HOME
  2. “海の異変”で「サンマ」激減 シーズン到来も“小さくて高い” スーパーや飲食店も苦悩 【福岡発】