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熊本地震から10年 倒壊した木造住宅の70%以上が「旧耐震」 福岡の住宅の耐震化は 「新耐震」住宅を補強しても…県の補助対象外で費用は自己負担

気象・災害

5時間前

観測史上初めて2回の震度7を観測した熊本地震。

「前震」から4月14日で10年です。

住宅に甚大な被害が出た中、福岡での住宅の耐震化は進んでいるのか、取材を進めるとある課題も見えてきました。
10年前の4月14日、熊本県を襲った最大震度7の地震。

そして、そのわずか28時間後ー

再び最大震度7、マグニチュード7.3の地震が発生しました。

《2016年》
◆TNCアナウンサー
「阿蘇大橋があった場所ですが、大規模な土砂崩れで阿蘇大橋がもろとも壊されています」

◆記者リポート
「見て下さい住宅が完全に倒壊しています」

この地震による死者は災害関連死を含めて278人。

建物の全半壊は4万3000棟以上にのぼりました。
当時、現地を調査した、福岡大学の高山峯夫教授は被害の特徴をこう指摘します。

◆福岡大学 工学部 高山峯夫 教授
「旧耐震、古い住宅の被害がとても大きくて、完全に倒壊するとか住み続けることができない状態になっていた」
地震に対する最低限の強度を定めた「耐震基準」は3段階に分かれています。

1981年5月までは「旧耐震」基準で、震度6以上の大地震では倒壊する危険性が高いとされています。

そして、2000年5月までが「新耐震」で、震度6強以上でも倒壊しない基準に強化されましたが、現在では注意が必要だとされています。

さらに2000年6月からは壁の配置などの基準を厳格化し、現在の耐震基準となりました。

調査によりますと、熊本地震で被害が集中した益城町では、倒壊した木造住宅のうち70%以上が「旧耐震」でした。

一方で、「新耐震」も25%が倒壊しています。

◆福岡大学 工学部 高山峯夫 教授
「耐震基準が新しくなって被害を減らしていくことにつながったが、全く被害がないという状況には今至ってない。住宅がいつ建設されて、どんな耐震性を持つかを把握することが大切」
福岡にもそのリスクは眠っています。

福岡市中心部を通る「警固断層」です。

警固断層地震は国が示す分類で最も危険度が高いSランク。

最大震度7の揺れが予想され、今後30年以内の発生確率は0.3%~6%と言われています。

県の調査では、被害想定は死者数が1800人、建物の全半壊は12万棟以上と見込まれています。

◆福岡大学 工学部 高山峯夫 教授
「熊本地震はほぼ0%という確率で起きた。それに比べると警固断層の発生確率は高い」
いつ起きてもおかしくない地震に備えて、耐震のリフォーム工事を行う人もいます。

この家は1988年に建てられた「新耐震」の住宅ですが、住人の女性は中古で住宅を購入するタイミングで耐震診断を受けることに決めました。

◆依頼者
「(以前地震で)夜中にすごい揺れで飛び起きて、あの時の不安は強く記憶に残っていて、できるだけ災害に強い住宅の方が日頃安心して住めると思って」
診断にあたったのは耐震の専門家・前田修さんです。

壁の強さや建物の劣化度などについて調べた結果はー

◆福岡市耐震推進協議会 前田修 会長
「1階は今の(耐震)基準を下回っていて、倒壊する可能性が高い」

この結果を受けて、天井も床も壊さない手法で壁の補強などを工事を行うことになりました。

◆福岡市耐震推進協議会 前田修 会長
「金物の補強や軸を組んで、その上に耐震ボードを貼る」

この工事で壁の強度を今の3.5倍に上げて、現在の耐震基準まで高めるといいます。
一方で、課題もー

福岡県の補助制度は1981年5月より前の「旧耐震」のみが対象で、「新耐震」基準のこの住宅の工事費用は全額自己負担となったのです。

◆福岡市耐震推進協議会 前田修 会長
「新耐震基準もどんどん古くなって劣化している。新耐震基準に対しての補助金も行政に考えていただきたい」

熊本地震から10年。

個人の備えはもちろん、誰もが対策に踏み出せるような「制度のアップデート」も求められています。

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