2023/02/15 14:54
有明海ノリ不作続く 品薄状態で価格は例年の2倍に 寒波の影響「明」と「暗」【福岡発】
暮らし
2023/02/15 17:10
食卓に欠かせない「ノリ」の記録的な不作が続いています。
九州の北西部にある海域「有明海」はノリの一大産地として知られていますが、1月下旬の“最強寒波”など天候の影響で、生産量が例年の3割ほどまで落ち込み、価格が高騰しています。
問題に直面している生産現場を取材しました。
◆スタッフ(ノリすき体験のようす)
「1、2の3」
◆子供
「難しい~」
2月12日に大牟田市で開催された「福岡有明のり感謝祭」。
ノリすき体験やノリの販売を通して、県産有明ノリのPRが行われました。
コロナ禍で3年ぶりの開催ということもあって、多くの親子連れなどで賑わいました。
◆ノリすきを体験した小学3年生
「楽しかった。ご飯と一緒に食べたい」
私たちの食卓に欠かせない「ノリ」。
しかし、来場者からは懸念の声もー
◆来場者
「今年はあまり出来が良くないと聞いた」
いま、大きな問題となっている「ノリの記録的な不作」。
イベントを主催した漁協関係者も…
◆福岡有明海漁連 西田晴征会長
「私も60年この業界にいるが、今まであったことがない大変な状況」
ノリの一大産地・有明海を襲っている、かつてないほど深刻な不作。
養殖の現場では最近、改善傾向が見え始めた一方で…
◆ノリ養殖歴35年 田中智幸さん(53)
「(ノリが吸収する)栄養が回復したが、逆に生産ができない漁場が出たというのが…」
ノリの産地が直面している新たなピンチとは?
◆川崎キャスター
「きょうは柳川市に来てます。今年、記録的な不作になってる有明海のノリなんですが、今どういう状況になってきたのか、養殖業者の方に聞いてみたいと思います。おはようございます」
◆田中智幸さん
「おはようございます」
14日に訪ねたのは、ノリの養殖を営んで35年の田中智幸さんです。
私たちは1カ月前にも田中さんを取材していました。
その時のノリ養殖の現場は…
◆田中智幸さん(1月17日)
「黄色なんですよね」
1カ月前、田中さんの養殖するノリは、本来真っ黒なはずが黄色っぽい色をしていて、商品価値はほぼゼロ。
今シーズンの生産量は例年の9割減、売り上げにして6000万円ほど減るのではないかという危機的な状況でした。
不作の一番の原因は、例年の半分程度という雨の少なさです。
ノリが育つのに必要な、川から流れ込む栄養分が不足。
さらに、好天が続いたことで植物プランクトンが大量発生。
ただでさえ不足している栄養分を食べてしまい、ノリは栄養分をほとんど吸収できなかったのです。
あれから1カ月。
有明海には、2月にかけて何度かまとまった雨や雪が降ったといいますが…
2月14日、再び船に同乗して養殖網のノリを見せてもらうと…
◆田中智幸さん
「結構回復したんです。まだいつもの本調子ではないんですけど。この前の十数年来の大寒波のおかげなんです」
1月のノリと比べると一目瞭然で、栄養分を吸収し、本来の黒々とした有明ノリの姿に戻りつつありました。
◆田中智幸さん
「生育的には平年に近いノリができて、みんなすごく喜んでいます」
◆川崎キャスター
「味も、もう回復してる?」
◆田中智幸さん
「そうですね」
◆川崎キャスター
「(試食して)おいしい、磯の味がします」
◆田中智幸さん
「うん、風味がですね」
これで、例年の9割減になるのではと危惧していた生産量に回復の兆しがー
しかしー
◆田中智幸さん
「でも、また別の意味で問題が発生して、そこでみんな頭を悩ませている」
新たな問題とは何なのか?
船を移動させて、別の漁場に向かうとー
◆川崎キャスター
「さらに沖合に15分くらい来たんですけど、これ見えますか、けっこう漁場が荒れてるんですね」
◆田中智幸さん
「もう1つの問題というのが、寒波の被害。網が裂けたり、支柱が折れたり。生産が不能になる漁場がすごく出たのも現実なんですよね」
1月下旬の寒波による強風や高波で、ノリを育てる網や支柱そのものが被害を受け、ノリの生産ができなくなってしまったのです。
その被害は全体の5割にも及んでいます。
◆田中智幸さん
「言葉が出なかったというのが正直なところ。せっかくノリの色素が回復して、今からいいノリが取れ始めるという希望があったが、この現状を見て『ああ、終わったな』と」
この被害で、ノリの生産量は例年の3割ほどまでしか届かない見込みです。
品薄状態が続き、価格は例年の約2倍という異常事態になっているということです。
◆田中智幸さん
「本当に、ノリ養殖はすごく経費がかかる。そこで色落ちや(資材の)被害があったときに、特措法みたいなもので補助とか助成金とかがもしあれば、すごく助かるんですけど…」
(TNC報道ワイド「記者のチカラ」 2023年2月14日OAより)
九州の北西部にある海域「有明海」はノリの一大産地として知られていますが、1月下旬の“最強寒波”など天候の影響で、生産量が例年の3割ほどまで落ち込み、価格が高騰しています。
問題に直面している生産現場を取材しました。
◆スタッフ(ノリすき体験のようす)
「1、2の3」
◆子供
「難しい~」
2月12日に大牟田市で開催された「福岡有明のり感謝祭」。
ノリすき体験やノリの販売を通して、県産有明ノリのPRが行われました。
コロナ禍で3年ぶりの開催ということもあって、多くの親子連れなどで賑わいました。
◆ノリすきを体験した小学3年生
「楽しかった。ご飯と一緒に食べたい」
私たちの食卓に欠かせない「ノリ」。
しかし、来場者からは懸念の声もー
◆来場者
「今年はあまり出来が良くないと聞いた」
いま、大きな問題となっている「ノリの記録的な不作」。
イベントを主催した漁協関係者も…
◆福岡有明海漁連 西田晴征会長
「私も60年この業界にいるが、今まであったことがない大変な状況」
ノリの一大産地・有明海を襲っている、かつてないほど深刻な不作。
養殖の現場では最近、改善傾向が見え始めた一方で…
◆ノリ養殖歴35年 田中智幸さん(53)
「(ノリが吸収する)栄養が回復したが、逆に生産ができない漁場が出たというのが…」
ノリの産地が直面している新たなピンチとは?
◆川崎キャスター
「きょうは柳川市に来てます。今年、記録的な不作になってる有明海のノリなんですが、今どういう状況になってきたのか、養殖業者の方に聞いてみたいと思います。おはようございます」
◆田中智幸さん
「おはようございます」
14日に訪ねたのは、ノリの養殖を営んで35年の田中智幸さんです。
私たちは1カ月前にも田中さんを取材していました。
その時のノリ養殖の現場は…
◆田中智幸さん(1月17日)
「黄色なんですよね」
1カ月前、田中さんの養殖するノリは、本来真っ黒なはずが黄色っぽい色をしていて、商品価値はほぼゼロ。
今シーズンの生産量は例年の9割減、売り上げにして6000万円ほど減るのではないかという危機的な状況でした。
不作の一番の原因は、例年の半分程度という雨の少なさです。
ノリが育つのに必要な、川から流れ込む栄養分が不足。
さらに、好天が続いたことで植物プランクトンが大量発生。
ただでさえ不足している栄養分を食べてしまい、ノリは栄養分をほとんど吸収できなかったのです。
あれから1カ月。
有明海には、2月にかけて何度かまとまった雨や雪が降ったといいますが…
2月14日、再び船に同乗して養殖網のノリを見せてもらうと…
◆田中智幸さん
「結構回復したんです。まだいつもの本調子ではないんですけど。この前の十数年来の大寒波のおかげなんです」
1月のノリと比べると一目瞭然で、栄養分を吸収し、本来の黒々とした有明ノリの姿に戻りつつありました。
◆田中智幸さん
「生育的には平年に近いノリができて、みんなすごく喜んでいます」
◆川崎キャスター
「味も、もう回復してる?」
◆田中智幸さん
「そうですね」
◆川崎キャスター
「(試食して)おいしい、磯の味がします」
◆田中智幸さん
「うん、風味がですね」
これで、例年の9割減になるのではと危惧していた生産量に回復の兆しがー
しかしー
◆田中智幸さん
「でも、また別の意味で問題が発生して、そこでみんな頭を悩ませている」
新たな問題とは何なのか?
船を移動させて、別の漁場に向かうとー
◆川崎キャスター
「さらに沖合に15分くらい来たんですけど、これ見えますか、けっこう漁場が荒れてるんですね」
◆田中智幸さん
「もう1つの問題というのが、寒波の被害。網が裂けたり、支柱が折れたり。生産が不能になる漁場がすごく出たのも現実なんですよね」
1月下旬の寒波による強風や高波で、ノリを育てる網や支柱そのものが被害を受け、ノリの生産ができなくなってしまったのです。
その被害は全体の5割にも及んでいます。
◆田中智幸さん
「言葉が出なかったというのが正直なところ。せっかくノリの色素が回復して、今からいいノリが取れ始めるという希望があったが、この現状を見て『ああ、終わったな』と」
この被害で、ノリの生産量は例年の3割ほどまでしか届かない見込みです。
品薄状態が続き、価格は例年の約2倍という異常事態になっているということです。
◆田中智幸さん
「本当に、ノリ養殖はすごく経費がかかる。そこで色落ちや(資材の)被害があったときに、特措法みたいなもので補助とか助成金とかがもしあれば、すごく助かるんですけど…」
(TNC報道ワイド「記者のチカラ」 2023年2月14日OAより)
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