2023/04/12 18:06
旦過市場火災から1年 仮設店舗完成も“2回引っ越し“の壁 進む復興の一方で続く葛藤 北九州市
2023/04/19 18:00
福岡県北九州市の旦過市場が大規模な火災に見舞われて、4月19日で丸1年が経ちました。
被災した店舗を含む21店舗が入居予定の仮設店舗が完成するなど復興が進む一方で、店の再開にあたって、ある現実に直面する人もいます。
◆記者リポート
「今おそらく開店に向けて準備してます。看板もついています」
去年4月の火災から1年。
焼けた場所には、最大26店舗が入居可能な仮設店舗「旦過青空市場」が完成。
復興は着実に進んでいるかのように見えます。
降りしきる雨の中、この「旦過青空市場」を複雑な思いで見つめている人がいます。
荒巻松美さんです。
◆荒巻松美さん
「待ちに待った仮設店舗ということで、すごく楽しみに待ってたんですけど、費用的な問題が起きている」
荒巻さんは旦過市場で海鮮料理が看板の店「お食事処あらまき」を営んでいました。
しかし去年8月の2回目の火災で店は全焼。
失意のどん底に突き落とされました。
◆荒巻松美さん(去年8月)
「涙が止まらない。早く一歩前に進もうと思っても今は考えられない」
被災後も店再開へ行動を移せずにいた荒巻さん。
そうした中、去年11月、旦過市場での店再開へ背中を押す出来事が-
◆北橋市長(当時)
「旦過地区再整備事業のさらなる推進、旦過市場の賑わい創出を目的として整備するものです」
旦過市場の焼け跡に、現在の青空市場となる仮設店舗の建設が発表されたのです。
入居対象となったのは、建物老朽化やそばを流れる川の氾濫に対応するため市が火災前から進めていた再整備事業のエリアで、荒巻さんの焼けた店も対象に含まれていました。
◆荒巻松美さん
「すごく嬉しかったですよ。仮設店舗ができてからどうするか決めようと」
なじみがある場所でお客さんと言葉を交わすことができるのは、この旦過だけ。
絶対にこの場所で再開すると動き始めた矢先、入居を躊躇せざるを得ない現実が浮かび上がってきました。
◆荒巻松美さん
「見積もり出してもらったら、結構予想よりも金額張ってきたんで」
荒巻さんが二の足を踏む理由、その一つがお金の問題です。
1区画あたりの面積はわずか5坪。
飲食店を再開しようとする荒巻さんには厳しいものでした。
◆荒巻松美さん
「厨房を作って、お客さん入れるためにカウンター作って」
さらに、店のサイズにあわせて冷蔵庫などをそろえなければならず、サイズダウンした店で家賃に見合う集客ができるか不安が募ります。
さらに追い打ちをかけたのが、契約期間の短さです。
再整備後に立つ商業施設に入居を希望している荒巻さん。
その場合、わずか2年で仮設店舗を出ることになり、高い費用で購入する機材を新たな店では活用できない可能性も高いのです。
◆荒巻松美さん
「焼けたところ、オープンして4年たってなかったんですよ。まだ(ローンを)返してる途中」
被災店舗へは最大で120万円の助成金もありますが、荒巻さんは再度、依頼した見積もりを待っている状況です。
◆荒巻松美さん
「できる限り仮設店舗で営業できれば。市場の中で育ってきているから離れたくないのが一番」
1年が経ち、復興が目に見える形で進む旦過市場。
一方、様々な事情で旦過での再開を夢見つつ、葛藤し続ける人がいるのも事実です。
被災した店舗を含む21店舗が入居予定の仮設店舗が完成するなど復興が進む一方で、店の再開にあたって、ある現実に直面する人もいます。
◆記者リポート
「今おそらく開店に向けて準備してます。看板もついています」
去年4月の火災から1年。
焼けた場所には、最大26店舗が入居可能な仮設店舗「旦過青空市場」が完成。
復興は着実に進んでいるかのように見えます。
降りしきる雨の中、この「旦過青空市場」を複雑な思いで見つめている人がいます。
荒巻松美さんです。
◆荒巻松美さん
「待ちに待った仮設店舗ということで、すごく楽しみに待ってたんですけど、費用的な問題が起きている」
荒巻さんは旦過市場で海鮮料理が看板の店「お食事処あらまき」を営んでいました。
しかし去年8月の2回目の火災で店は全焼。
失意のどん底に突き落とされました。
◆荒巻松美さん(去年8月)
「涙が止まらない。早く一歩前に進もうと思っても今は考えられない」
被災後も店再開へ行動を移せずにいた荒巻さん。
そうした中、去年11月、旦過市場での店再開へ背中を押す出来事が-
◆北橋市長(当時)
「旦過地区再整備事業のさらなる推進、旦過市場の賑わい創出を目的として整備するものです」
旦過市場の焼け跡に、現在の青空市場となる仮設店舗の建設が発表されたのです。
入居対象となったのは、建物老朽化やそばを流れる川の氾濫に対応するため市が火災前から進めていた再整備事業のエリアで、荒巻さんの焼けた店も対象に含まれていました。
◆荒巻松美さん
「すごく嬉しかったですよ。仮設店舗ができてからどうするか決めようと」
なじみがある場所でお客さんと言葉を交わすことができるのは、この旦過だけ。
絶対にこの場所で再開すると動き始めた矢先、入居を躊躇せざるを得ない現実が浮かび上がってきました。
◆荒巻松美さん
「見積もり出してもらったら、結構予想よりも金額張ってきたんで」
荒巻さんが二の足を踏む理由、その一つがお金の問題です。
1区画あたりの面積はわずか5坪。
飲食店を再開しようとする荒巻さんには厳しいものでした。
◆荒巻松美さん
「厨房を作って、お客さん入れるためにカウンター作って」
さらに、店のサイズにあわせて冷蔵庫などをそろえなければならず、サイズダウンした店で家賃に見合う集客ができるか不安が募ります。
さらに追い打ちをかけたのが、契約期間の短さです。
再整備後に立つ商業施設に入居を希望している荒巻さん。
その場合、わずか2年で仮設店舗を出ることになり、高い費用で購入する機材を新たな店では活用できない可能性も高いのです。
◆荒巻松美さん
「焼けたところ、オープンして4年たってなかったんですよ。まだ(ローンを)返してる途中」
被災店舗へは最大で120万円の助成金もありますが、荒巻さんは再度、依頼した見積もりを待っている状況です。
◆荒巻松美さん
「できる限り仮設店舗で営業できれば。市場の中で育ってきているから離れたくないのが一番」
1年が経ち、復興が目に見える形で進む旦過市場。
一方、様々な事情で旦過での再開を夢見つつ、葛藤し続ける人がいるのも事実です。
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