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「いじめによる重大事態」認定 高校の部活動トラブルをめぐる不登校 再調査委「生徒は心身の苦痛を感じていた」 福岡

政治・行政

2025/02/19 15:20

福岡県内の私立高校で4年前、生徒が部活動でのトラブルで不登校になったことについて再調査を進めていた県の再調査委員会は「いじめによる重大事態」と認定し、学校側の対応を批判しました。

17日午前、再調査委の伊藤巧示委員長は1年3カ月に及んだ再調査の報告書を服部誠太郎知事に手渡しました。

報告書によりますと2021年4月、福岡県内の私立高校で2年生の生徒が部活動でのトラブルから不登校となりました。

この部活動ではコーチの1人を生徒の父親が務めていましたが、生徒が不登校になる直前にはコーチと揉めた部員について部員間で話し合いが行われていて、その事実関係が論点の1つとなっていました。

学校側の第三者委員会はこの話し合いについて2021年10月、「不登校になった生徒1人に詰め寄るといった行為は確認できない」などとして「いじめに該当しない」との結論を出しました。

これに対し生徒の保護者が「いじめを受けたと訴える当事者自身に事情を聞かないまま結論づけている」として2022年11月、県に再調査を求めていました。

いじめ防止対策推進法では、いじめ行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じれば「いじめ」に該当することになり、世間一般での「いじめ」の概念よりかなり広くなっています。

これを踏まえ再調査委は、生徒が部員どうしの話し合いで大勢の部員から意見を求められたことについて、それまでの部内の人間関係などの背景を考えると「心身の苦痛を感じていた」と評価できるなどとして「いじめ」に該当するとした上で、不登校という重大事態が引き起こされたと認定しました。

その上で▽学校側の年1回の全生徒アンケートにいじめの有無を尋ねる設問がなかった▽部活動内のトラブルを校長に報告するルールはあったが形骸化していた▽第三者委の調査方法は国の基本方針などから大きく逸脱していたことなどを挙げ、学校側の対応を批判しました。

報告書を受け取った服部知事は、「県内すべての学校に対しても今回の報告書の内容の周知を図り、再発防止に努めたい」としています。

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