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「唯一無二の味」“カツカレーそば”にお別れ 都心の老舗そば店が73年の歴史に幕 最終日は約4時間で550食完売 福岡

暮らし

1時間前

73年にわたって福岡市で愛されてきた人気そば店が多くの人たちに惜しまれながら20日、最後の営業日を迎えました。
◆記者リポート(20日)
「午前10時45分です。開店15分前ですが、100人以上の長い行列ができています」

福岡市の中心部天神にある人気のそば店「みすゞ庵」。

突然の閉店の知らせから約1ヵ月、20日に最後の営業日を迎えました。

朝早くから常連客や閉店を知った昔なじみの客も懐かしさに駆られ次々と訪れ、開店前には100人を超える長い行列ができました。
◆来店客(40代)
「最後というのはなかなか信じられない感じではあるんですけど、いつも通り食べて、感謝の気持ちも含めてですね」

◆来店客(20代)
「最後にしっかり味をかみしめたいと思います」

◆来店客(40代)
「もう今月4回目。ベスト電器に勤めていたので、50数年間お店の下にあって、仕事のお昼とか帰るときとか通っていました」
そして…「長いことお待たせしました」と開店。

待ちわびた人たちが次々と店の中に流れ込み、すぐに満席となりました。
多くの人のお目当ては「みすゞ庵」の名物「カツカレーそば」。

だしの効いたカレーそばの上に揚げたての大きなカツをのせた一品は、常連客のリクエストから生まれたそうです。
◆来店客(40代)
「もう寂しいです。ものすごく寂しいですけど、しっかり味わって胸に刻みたいと思います」

◆来店客(50代)
「悲しいですけどね…。すごいおいしいんでですね」

◆来店客(50代)
「いつもと変わらずおいしくて『みすゞ庵』は唯一無二の味だと思っています」
1952年に天神の一等地に店を構え、買い物客やサラリーマンなど多くの客でにぎわってきた「みすゞ庵」。

共同でビルを所有するベスト電器の閉店や人手不足なども追い打ちをかけ、小籏社長は店を閉めることを決断したといいます。
◆みすゞ庵 小籏三保子 社長
「本当に助けられて、皆様に助けられて、食べに来てくださる方もいたから、助けられてここまでできた」

そして開店から4時間が経った午後3時すぎ、約550食分のそばとうどんが完売しました。
◆みすゞ庵 小籏直幸 店長
「本当に皆様に愛されてたんだなと思いますよね。代々引き継いできたお店で、やっぱり悲しい気持ちもありますし、でも皆さんが笑顔で帰ってもらったなら、やっててよかったなと幸せな気持ちでいっぱいです」

最後まで変わらぬおいしさを届けた「みすゞ庵」は惜しまれながら、73年の歴史に静かに幕を下ろしました。

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