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「前に進むための通過点」危険運転に“数値基準”盛り込んだ改正法が施行…飲酒運転事故の遺族語る 福岡・海の中道3児死亡事故から20年

暮らし

11時間前

「危険運転」の適用にあたり飲酒の数値基準を導入した改正法が21日、施行されました。

20年前の飲酒運転事故で我が子3人を奪われた母親はどのように受け止めているのでしょうか。
21日午後、大阪市で開かれた講演会。

登壇したのは、飲酒運転による事故で最愛の家族を亡くした福岡の大沼かおりさんです。

◆大沼かおりさん
「苦しみも悲しみも今も消えることはない。それでも暗闇の中で生き続けた先に小さな光を見いだすことができた」

2006年8月、福岡市東区の海の中道大橋で、直前まで酒を飲んでいた男の車が大沼さん家族5人の乗る車に追突、車は海に転落し大沼さんの幼い子供3人の命が奪われました。
まもなく20回目の命日となる中、飲酒運転を巡る法整備は21日、大きな転換点を迎えました。

危険運転致死傷罪の要件を見直す改正自動車運転処罰法が施行されたのです。

これまで飲酒運転は「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」と判断された場合に「危険運転」が適用されていましたが、21日からアルコールの数値基準が「呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上」と明確化されます。

同時に道路交通法も改正され「酒酔い運転」の基準についても危険運転と同様に「呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上」が適用されることになりました。

今回の法改正で捜査の現場はどのように変わるのでしょうか。
◆福岡県警交通指導課 交通取締指導官 熊丸貴博 警部
「(これまでの)規定であればやはり曖昧な部分があった。酔いの程度は、やはり人それぞれ違うので個別具体的に判断するようになっていた」

警察は、これまで飲酒運転を摘発する際「鑑識カード」と呼ばれる捜査書類を使って、アルコール数値のほか、飲酒の状況に関する回答や歩行能力などを記録し、その結果を総合的に判断して“酒気帯び運転”か“酒酔い運転”かを決定していて、“酒酔い”について明確な基準はありませんでした。

◆福岡県警交通指導課 交通取締指導官 熊丸貴博 警部
「今回新たな基準が導入されたことによって、飲酒運転でより確実に取り締まることができますので、悪質・危険な運転者を道路交通の場から排除することができると考えてます」
数値基準が示されたことで明確化された線引き。

飲酒運転事故で3人の子供を失った大沼さんは今回の法改正について…。

◆大沼さん
「数値があるということは1つの明確な判断材料になったのかなと思う。1歩前進したのかなと思う」

改正法の施行を評価する一方で複雑な思いもあります。

◆大沼さん
「すぐに検挙されたわけではないが私たちの場合で運転手の男は0.25だった」

3人の子供の命を奪った運転手の呼気から当時、検出されたアルコールは0.25ミリグラム。

「危険運転」や「酒酔い運転」の適用基準となる0.5ミリグラムには達していませんでした。

大沼さんなど遺族団体はこれまで数値基準を見直すよう要望書を提出していましたが変わりませんでした。

◆大沼さん
「0.3ミリグラムでと要望は出したんですけどそれはちょっと今回は。その点についてはまだまだ前に進むための通過点かなと思ってます。これから変わっていく種をまいている状態だと思う」

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