5歳児餓死の直前「ママごめんね」 母親が語る当日 「許せないのは私」 福岡地裁
暮らし
2022/06/09 17:00
2020年、福岡県篠栗町で当時5歳だった男の子が餓死した事件の裁判は、6月9日、検察側・弁護側による被告人質問で、男の子が亡くなる当日の状況についてのやりとりが行われました。
起訴状によりますと、篠栗町の無職・碇利恵被告(40)は2020年4月、知人の赤堀恵美子被告(49)と共謀し、当時5歳の三男翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず餓死させた保護責任者遺棄致死の罪に問われています。
いわゆるママ友だった赤堀被告は、“碇被告の夫が浮気をしている”などの嘘を言い、“ボス”と呼ばれる架空の人物を利用するなどして碇被告を支配していたとされています。
9日の被告人質問で、碇被告は、翔士郎ちゃんが亡くなる当日(2020年4月18日)の状況について語りました。
<被告人質問(検察側)、2020年4月18日の状況>
夕方、翔士郎ちゃんを屋外で運動させたという碇被告。
このとき、翔士郎ちゃんは目がうつろで「きつい、頭が痛い」と訴えていたといいます。
その後、自宅に戻り、リビングで丸まったままの翔士郎ちゃんを見て-。
◆検察側
「翔士郎ちゃんの目は開いていた?」
◆碇被告
「開いていました」
◆検察側
「どんな様子だった?」
◆碇被告
「目が開いているが焦点が合わない、どこを見ているか分からない」
◆LINEのやりとり(検察側が示す)
碇被告「翔が息はしとるけど、トンどるんかいな?」
赤堀被告「死ぬっちゃない?」
碇被告「死ぬ?」
◆検察側
「(LINEを送ったとき)どんな気持ちだった?」
◆碇被告
「不安な気持ちで送った。簡単に『死ぬっちゃない?』と言われたことも嫌だった。赤堀がそのあとすぐに来た。赤堀が(翔士郎ちゃんの)足を触ったりして反応を確かめた。翔は『うーん』って反応した。赤堀は『反応するけん大丈夫』と帰っていった」
このあと午後10時ごろになって、翔士郎ちゃんの異変に気付いたという碇被告は-。
◆検察側
「どんな感じ?」
◆碇被告
「眠っている感じでした」
◆検察側
「ずっと見ていた」
◆碇被告
「赤堀被告が様子を見ろと言ってた(=普段から指示されていた)から(子供と)みんな気にしてい見ていた」
◆検察側
「見てただけ?」
◆碇被告
「見てることしか出来なかったです」
さらに119番通報せず赤堀被告に助けを求めたことについてはー。
◆検察側
「どうして赤堀被告の家に行った?」
◆碇被告
「助けを求めに行って」
◆検察側
「その時点で119番通報することは思い浮かばなかった?」
◆碇被告
「出来なかった。何をするにも“ボス”と赤堀被告の許可が必要だったんです。救急車を呼ぶのも許可がいりました」
◆検察側
「どうすればよかったと思う?」
◆碇被告
「赤堀被告たちに怒られても反抗しとけば良かったと思います」
◆検察側
「どうしてできなかった?」
◆碇被告
「赤堀被告を信じて、“ボス”を恐れていたから」
そして、赤堀被告の夫が通報したことで、ようやく翔士郎ちゃんは病院に搬送されました。
<被告人質問(弁護側)>
◆弁護側
「医者とも話しましたか?」
◆碇被告
「『心臓が弱いから無理かもしれない』と言われました。『助けてください』と言いました」
◆弁護側
「赤堀被告には何か言われた?」
◆碇被告
「赤堀被告は『警察に聞かれても夫の不倫のことや“ボス”のことは言ったらいかんけん』と言いました。私はそれどころではなく聞き流しました」
そして、碇被告は翔士郎ちゃんと最期に交わした言葉を明かしました。
◆碇被告
「あの子がうずくまっていて、『しょうー』といった時に私のことを見ました」
◆弁護側
「翔ちゃんは何か言ってましたか?」
◆碇被告
「『ママごめんね』です」
◆弁護側
「赤堀被告へはどう思いましたか?」
◆碇被告
「絶対に許さんと思いました」
◆弁護側
「翔士郎ちゃんにとって許せないのは、赤堀被告か、あなた、どっちだと思いますか?」
◆碇被告
「私だと思います」
起訴状によりますと、篠栗町の無職・碇利恵被告(40)は2020年4月、知人の赤堀恵美子被告(49)と共謀し、当時5歳の三男翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず餓死させた保護責任者遺棄致死の罪に問われています。
いわゆるママ友だった赤堀被告は、“碇被告の夫が浮気をしている”などの嘘を言い、“ボス”と呼ばれる架空の人物を利用するなどして碇被告を支配していたとされています。
9日の被告人質問で、碇被告は、翔士郎ちゃんが亡くなる当日(2020年4月18日)の状況について語りました。
<被告人質問(検察側)、2020年4月18日の状況>
夕方、翔士郎ちゃんを屋外で運動させたという碇被告。
このとき、翔士郎ちゃんは目がうつろで「きつい、頭が痛い」と訴えていたといいます。
その後、自宅に戻り、リビングで丸まったままの翔士郎ちゃんを見て-。
◆検察側
「翔士郎ちゃんの目は開いていた?」
◆碇被告
「開いていました」
◆検察側
「どんな様子だった?」
◆碇被告
「目が開いているが焦点が合わない、どこを見ているか分からない」
◆LINEのやりとり(検察側が示す)
碇被告「翔が息はしとるけど、トンどるんかいな?」
赤堀被告「死ぬっちゃない?」
碇被告「死ぬ?」
◆検察側
「(LINEを送ったとき)どんな気持ちだった?」
◆碇被告
「不安な気持ちで送った。簡単に『死ぬっちゃない?』と言われたことも嫌だった。赤堀がそのあとすぐに来た。赤堀が(翔士郎ちゃんの)足を触ったりして反応を確かめた。翔は『うーん』って反応した。赤堀は『反応するけん大丈夫』と帰っていった」
このあと午後10時ごろになって、翔士郎ちゃんの異変に気付いたという碇被告は-。
◆検察側
「どんな感じ?」
◆碇被告
「眠っている感じでした」
◆検察側
「ずっと見ていた」
◆碇被告
「赤堀被告が様子を見ろと言ってた(=普段から指示されていた)から(子供と)みんな気にしてい見ていた」
◆検察側
「見てただけ?」
◆碇被告
「見てることしか出来なかったです」
さらに119番通報せず赤堀被告に助けを求めたことについてはー。
◆検察側
「どうして赤堀被告の家に行った?」
◆碇被告
「助けを求めに行って」
◆検察側
「その時点で119番通報することは思い浮かばなかった?」
◆碇被告
「出来なかった。何をするにも“ボス”と赤堀被告の許可が必要だったんです。救急車を呼ぶのも許可がいりました」
◆検察側
「どうすればよかったと思う?」
◆碇被告
「赤堀被告たちに怒られても反抗しとけば良かったと思います」
◆検察側
「どうしてできなかった?」
◆碇被告
「赤堀被告を信じて、“ボス”を恐れていたから」
そして、赤堀被告の夫が通報したことで、ようやく翔士郎ちゃんは病院に搬送されました。
<被告人質問(弁護側)>
◆弁護側
「医者とも話しましたか?」
◆碇被告
「『心臓が弱いから無理かもしれない』と言われました。『助けてください』と言いました」
◆弁護側
「赤堀被告には何か言われた?」
◆碇被告
「赤堀被告は『警察に聞かれても夫の不倫のことや“ボス”のことは言ったらいかんけん』と言いました。私はそれどころではなく聞き流しました」
そして、碇被告は翔士郎ちゃんと最期に交わした言葉を明かしました。
◆碇被告
「あの子がうずくまっていて、『しょうー』といった時に私のことを見ました」
◆弁護側
「翔ちゃんは何か言ってましたか?」
◆碇被告
「『ママごめんね』です」
◆弁護側
「赤堀被告へはどう思いましたか?」
◆碇被告
「絶対に許さんと思いました」
◆弁護側
「翔士郎ちゃんにとって許せないのは、赤堀被告か、あなた、どっちだと思いますか?」
◆碇被告
「私だと思います」
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