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米軍オスプレイ同乗取材 福岡空港に初飛来…“最前線”の海へ ハッチ開け放ち「急角度で上昇」日米韓が共同訓練 協力関係確立急ぐ

政治・行政

3時間前

11月14日、初めて福岡空港に飛来したアメリカ軍の輸送機オスプレイ。

福岡に姿を見せた背景には協力関係の確立を急ぐ日本とアメリカ、そして韓国の安全保障戦略がありました。
14日の午前9時半ごろ、アメリカ海軍の輸送機「オスプレイ」4機が相次いで福岡空港に着陸しました。

目的は、日米韓の共同訓練を視察する駐日アメリカ大使などを、東シナ海に展開する原子力空母に運ぶことで、TNCテレビ西日本など一部の報道機関が同行取材を許されました。
福岡空港に初めて飛来したオスプレイ。

しかもちょうど民間機の離着陸が集中する時間帯に重なっていました。

◆アメリカ海軍のパイロット
「(民間機が)混雑していて我々の前に2機、着陸中の航空機がいた。その後、4機のオスプレイは着陸し、急いで滑走路をあけたので問題はなかった」
空港の一角にあるアメリカ軍専用エリアにスタンバイしたオスプレイ。

エンジンの強力さを物語る高温の排気と、プロペラから吹きつける猛烈な風に圧倒されながら配線むき出しの機内に乗り込みます。

耳や目を保護するきつめのヘルメットと救命胴衣を装着すると、硬いシートにベルトでしっかり体を固定するよう指示されました。

後部のハッチが飛行中も開けっ放しになるためです。
午前10時20分、滑走路に出たオスプレイはほとんど滑走することなく離陸しました。

◆記者リポート
「オスプレイが福岡空港を飛び立ちました。旅客機より加速感を感じるような離陸となりました。急角度で上昇しています。地上がみるみる遠のいている感じです」
プロペラを上向きにしてヘリコプターのように垂直に離陸し、その後はプロペラを正面に向けて、飛行機のように高速で遠くまで飛べるのがオスプレイの最大の特徴です。

訓練海域の韓国・済州島沖の東シナ海まで1時間足らず。

プロペラを再び上向きにしたオスプレイは航行中の原子力空母に着艦し、訓練を視察するエマニュエル駐日大使が降り立ちました。
◆記者リポート
「東シナ海を航行中の原子力空母ジョージワシントンの艦上です。日米韓3カ国の合同訓練が行われていて、沖を見ますと日本の護衛艦でしょうか、艦影を確認することが出来ます」

去年秋の3カ国首脳の合意に基づくこの訓練は、覇権主義的な動きを強める中国とミサイル発射を繰り返す北朝鮮を念頭に、日米韓の協力体制を確立するのが狙いです。
今年6月に続いて早くも2回目となる今回は、弾道ミサイルへの対処や対潜水艦作戦など複数の領域に、世界最高の情報能力を持つ最新鋭のステルス戦闘機を投入し、その効果を実証するのが目的です。

中国にとっては大きな脅威となることから、電波や通信を傍受する中国の情報収集艦と見られる船が空母から見える距離まで近づいていました。
◆海上自衛隊第4護衛隊群司令 夏井隆海将補
「ハイエンドと呼んでいるが、基礎的な訓練からあらゆる領域にわたる訓練を3カ国でやることによって相互運用性の向上につながり、理解の促進にもつながる」
また、アメリカのエマニュエル駐日大使は、艦上で開いた会見で、日米韓の共同訓練は地域の安定のために今後も続いていくものだと強調しました。

さらに、トランプ氏に大統領が代わることの影響を問われた大使は、好ましい例えではないがと前置きした上で次のように答えました。

◆アメリカ エマニュエル駐日大使
「この問題は3カ国の首脳の任期ではなく、国家の抑止戦略に紐付いたものです。インド太平洋、特にこの(東アジア)地域は中国のホームゲームであり、アメリカにとってはアウェーゲームなのです。ですが、同盟国としっかり手を組んで攻守に当たることでホームゲームに近くなります」
大使は影響を否定したものの、日米韓が次期トランプ政権を見据えて協力体制の固定化を急いでいるのは明らかです。

福岡空港に初めて飛来したアメリカ海軍のオスプレイ。

その背景には最前線の海を舞台にした日米韓3カ国の戦略的な思惑がありました。

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