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春になっても…ノロウイルスが異例の“長期流行” 2種類のウイルスが時期ずれて広がる 専門家「長引く可能性」 福岡

暮らし

14時間前

冬場の感染症というイメージが強いノロウイルスですが、今年は春になっても異例の流行が続いています。

今も感染が広がっている理由を取材しました。
取材班は15日朝、福岡市内のクリニックを訪ねました。

吐き気などの症状で受診した女性患者は、ノロウイルスを含む感染症胃腸炎の疑いがあると診断されました。

◆受診した女性
「娘が最初に下痢症状が出て、そのあと夫が嘔吐と下痢の症状が出て、その後私という感じ。きついですね、なかなか」

家庭内で広がった感染。

医師はノロウイルスについてある異変を口にします。
◆やまもとホームクリニック 山本希治院長
「(例年)4月はそんなにいなかった。おさまる時期。まだ多少いらっしゃるなという印象はありますね。症状が出た方がいればすぐに対応や対処をしっかりすればいいのですが、気付かないうちに(ノロウイルスが)皆さんに広がってしまう」
ノロウイルスを含む感染性胃腸炎は例年2月末には流行が収まりますが、今年は4月に入った今も感染者数が多い状況が続いていて、この時期としては過去10年で最多となっています。

感染すると激しい嘔吐や下痢を引き起こすノロウイルス。

福岡市では3月以降、34の施設でノロウイルスの集団感染が発生。

これらの施設だけで感染者は600人以上と異例の流行が続いています。

また、栃木県では弁当店の仕出し弁当を食べた男女72人が体調不良を訴え、ノロウイルスが検出されました。

このうち80代の男性1人が死亡し、因果関係を調べています。

この店の弁当を食べたという女性は…。

◆弁当を食べた女性
「呼吸も苦しい状態でした。夜から朝まで眠れず腹痛もひどく、救急車を呼ぶべきか迷いました」

その後、女性は病院で点滴などの治療を受けましたが、今も飲み物さえ受け付けない状態が続いているそうです。
異例の長期流行となっている理由について専門家は…。

◆群馬パース大学大学院 木村博一教授
「同じような時期に2つのウイルスが流行している。これは割と珍しいと思います」

例年流行するのは1つのタイプだけですが、今年は2つのタイプが時期をずらして流行しているといいます。

◆群馬パース大学大学院 木村博一教授
「最初GII.4(1つ目のウイルス)が流行し、GII.17(2つ目のウイルス)が流行して、流行規模と流行時期が長くなる可能性があると考えております。新生活が始まって集団生活の場が変わると思う。(ノロウイルスの)流行が続くので、予防対策も含めて徹底していただければと思います」

■対策は「手洗い」「過熱」「除菌」
基本的な感染対策の1つは「手洗い」。

調理の前や食事の前、トイレの後に石鹸をつけて長くしっかり洗うことが必要です。

そして「加熱」も有効です。

食品の加熱処理は中心部が85℃~90℃の状態で90秒以上が望ましいということです。

さらに「除菌」も大切です。

アルコールではなくて、次亜塩素酸ナトリウムによる除菌・消毒が有効です。

この3つの対策を心がけましょう。

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