逮捕された占い師　“だまし取った1000万円”は即日別の顧客の口座に…“自転車操業”か　返済約束する“預かり書”発行も　福岡

占い師として知人にウソの投資話を持ちかけ現金をだまし取った疑いで逮捕された女が、被害女性に現金の預かり書を渡していたとみられることが分かりました。



◆田齊容疑者が作成した預かり書(関係者提供)
「私、春山法子は平成30年10月11日にA様より金1000万円をお預かり致し、2カ月後に10％の利益のお返しと、3カ月後に元金のお返しをお約束して、お預かり致します」

これは、現金1000万円を預かった知人に対し、“春山法子”という女が渡した書面。



その女というのが…

◆記者リポート
「午後4時です。女が出てきました。真っ直ぐ前を向きながら車両に乗り込みます」



4日、詐欺の疑いで逮捕された占い師・春山法子こと田齊法子容疑者です。

田齊容疑者は2018年、福岡市内に住む52歳の知人女性Aさんに対し、架空の投資話を持ちかけ現金1000万円をだまし取った疑いが持たれています。



今年5月、TNCの取材に応じていたAさんはー。

◆被害者Aさん
「一番大好きで一番信頼していた人なので、人をだますとかいう風に見えないし、犯罪者と一番遠い人と思っていたので、本当に驚いた」

2016年、子供の幼稚園の親同士として田齊容疑者に出会ったAさんとその夫。

次第に家族ぐるみの付き合いとなって2年が経った頃、田齊容疑者から架空の投資話を持ちかけられたといいます。



その際に受け取っていたのがこちらの書面。

「預かり書」と書かれ、元本と配当の返済を約束する内容となっています。

◆被害者Aさんの夫
「最初は300万円くらいで、（利益が）5～6％とかついて2カ月後くらいに戻ってくる」

“占い師”として多くの顧客を抱えていた田齊容疑者。

2018年以降、同様の手口で約70人から総額20億円程度をだまし取ったとみられています。

捜査関係者によるとAさんから振り込まれた現金1000万円は、“その日のうちに”別の顧客の口座に振り込んでいたということです。



即日振込をした背景について捜査関係者はー。

◆捜査関係者（取材による）
「数年にわたり自転車操業の状態だった」

逮捕された時、田齊容疑者の口座にはほとんど金が残っていなかったといいます。

集めた金の一部は配当に見せかけるために使われていて警察は、田齊容疑者が顧客に投資実態があるかのように装っていたとみています。

一方で、田齊容疑者を知る人は…

◆田齊容疑者を知る人
「普通の主婦ではない。ランドローバー、レンジローバーとかポルシェ、(車を)半年かそこらぐらいに年に1～2回するくらい」

数年前まで福岡市内の高級住宅街にある家賃数十万円の借家で、家族と一緒に暮らしていたという田齊容疑者。

大勢の顧客たちから集めた大金は、「うその配当金」と「贅沢な暮らし」に消えてしまったのでしょうか。

田齊容疑者は詐欺の容疑を否認していて、警察は引き続き事件の全容解明を進めています。