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暑い夏に妖怪の話でちょっと肌寒く…福岡に伝わる様々な妖怪伝説を調べてみた!

暮らし

2022/08/08 11:45

今回のテーマは「福岡の妖怪」。実は、福岡にも様々な妖怪の伝承が伝わっているんです。
福岡市の龍宮寺には人魚伝説が残されています。
鎌倉時代に博多で発見された人魚が龍宮寺に埋葬されたという記述が残っていて、大きさは147メートルもあったというんです。
この人魚伝説の他にも、福岡にはいろんな妖怪の伝承が…。そこで、今回、妖怪事情に詳しいという、こちらの増本さんに教えて頂くことに!
増本さんは福岡を中心に活動する妖怪アート集団のメンバーで、展示会や、妖怪の情報収集・発信などを行っているとのこと。全国を調査し、毎月、「妖怪新聞」まで発行しているんです。
妖怪への情熱が凄すぎて、水木しげる先生に会いに行ったそうです。水木先生は「妖怪は人の心の中にも潜んでいる」というお話をされたそうです。
そんな水木先生の代表作「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する超有名な妖怪「ぬりかべ」は遠賀町に伝承が残っています。
主に、九州地方に伝承が残る妖怪ぬりかべ。現在では有名な妖怪ですが、柳田国男が各地に伝わる妖怪の伝承をまとめた「妖怪談義」で記述するまで、ほとんど知られていない妖怪だったんです。
続いては、久留米市で伝承が多いあの妖怪、ということで、久留米市田主丸にやってきました。田主丸の駅舎は河童です!
話を伺うのが、河童のマスクをしたこの方、「田主丸河童族」の方です。
田主丸河童族とは、昭和30年に福岡出身の芥川賞作家、火野葦平が田主丸を訪れた際に地元住民と結成した「カッパ同好会」から始まったもの。主に町おこしなどを行っているそうです。
この河童族の方によると、河童はもともとは内モンゴルに住んでいましたが、二手に分かれて移動しました。二手に分かれた河童は一方はハンガリーのブダペストへ、もう一方が、九州にやって来ました。
そして、熊本などを経由した後、田主丸の巨瀬川にたくさんのカッパが住み着いたんだそうです。
更に、この巨瀬川にはまた別の河童伝説がありました。江戸時代に書かれた「北筑雑藁」という書物によると、平清盛が巨瀬入道という河童になり、巨瀬川の主になったそうです。
そして、田主丸にもう一つ、ここ石垣山観音寺には、恐ろしい妖怪退治の物語がありました。
こちらの観音寺、とても歴史あるお寺で、なんと、大化の改新からおよそ30年後の673年に建てられたお寺なんだそうです。
「牛鬼」という妖怪の伝説がこのお寺にあるんです。
副住職の方によると、かつて子供や女性が行方不明となる事件が多発したため、当時の住職だった「金光上人」に相談したところ、「牛鬼」という妖怪が現れました。牛鬼は顔が牛、体が鬼という姿だったそうです。金光上人は剣と数珠と呪文で牛鬼を退治したんだそうです。
そして、その「牛鬼の手」がお寺に伝わっています。
貴重なお寺の宝ということで、ご祈祷して頂いてから見せていただきます。
田主丸にある、観音寺に伝わる牛鬼の手がこちら。
副住職は、子供の頃に牛鬼の手の話をおじいさんから聞いたそうなんですが、当時の人たちは災難をもたらした牛鬼の力が宿る「牛鬼の手」をあえて残すことで、逆に災難から守ろうとしたのではないか、とのことでした。
そして、お寺に伝わる江戸時代の巻物に牛鬼の手に関する記述が残っています。
退治した牛鬼の耳を山に埋葬したことから、耳納連山といわれるようになったんだそうです。
2022年8月8日(月) OA

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