福岡5歳児餓死 “暴力も食事制限も母親が” 法廷でママ友と母親が真っ向対立
暮らし
2022/08/31 20:30
福岡県篠栗町の5歳児餓死事件の裁判員裁判は8月31日に3回目を迎えました。
支配関係にあったとされるママ友の女と母親が法廷で相まみえましたが、双方の主張は真っ向から対立しました。
*****************
2020年4月、福岡県篠栗町で当時5歳の碇翔士郎ちゃんが餓死した事件。
起訴状などによりますと、無職の赤堀恵美子被告(49)は、生活全般を支配していた母親の碇利恵被告(40)に指示して翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず死に至らしめたとして保護責任者遺棄致死などの罪に問われています。
8月29日から始まった裁判では、ママ友だった赤堀被告による「支配」が本当にあったのかどうかが争点となっています。
3回目を迎えた8月31日の公判は、支配されていたとされる母親の碇利恵被告が検察側の証人として出廷し、赤堀被告と相まみえることになりました。Tシャツに黒の長ズボンといういでたちで現れた碇被告は、はっきりした口調で赤堀被告と関わるようになったきっかけなどを証言しました。
◆証人尋問やり取り
検察「緊張してますか?」
碇被告「してます」
検察「赤堀被告と会う前は専業主婦?」
碇被告「はい」
検察「赤堀被告との出会いは?」
碇被告「次男のお遊戯会で近くに赤堀がポツンといた」
検察「最初の印象は?」
碇被告「正直言っていいですか?ダサいなと思いました」
出会った時点の関係は「支配」とは正反対の構図。しかしその後、赤堀被告は様々な嘘を重ねて碇被告を周囲から孤立させていったといいます。
◆証人尋問やり取り
検察「2017年(餓死事件の3年前)、赤堀被告以外のママ友と関係が悪化とあるが、どうして?」
碇被告「赤堀から『ママ友があんたの文句言いよるよ』と言われました。『(私の)次男が(子供を)泣かせるから遊ばせたくない』とか」
「孤立化」に続いて始まったとされるのが「経済的な搾取」です。赤堀被告は翔士郎ちゃんを餓死させた罪のほか、碇被告に「夫が浮気をしている」などと嘘を吹き込み、浮気の調査費用などの名目であわせて約200万円をだまし取るなどした罪にも問われています。金銭を要求する際、赤堀被告は「ボス」と呼ぶ第三者を登場させていました。
◆証人尋問やり取り
検察「ボスとは?」
碇被告「ボスはヤクザの元奥さんで、何でも子どものトラブルを裁判して金で解決してくれると」
検察「浮気調査の金額は?」
碇被告「ボスが旦那の調査費用を出してくれていて、『家が一軒建つくらいの額』と。3500万円くらいだと思っていた」
検察「領収書とかの書面は?」
碇被告「なかったです」
検察「なんか変だな、とかはなかった?」
碇被告「なかったです。赤堀に払ってると思ってなくて、ボスに払ってると思っていたので」
経済的に困窮した碇被告の家庭は、食事までも管理されるようになります。餓死する5ヵ月ほど前、空腹に耐えかねて冷蔵庫の食べ物をつまみ食いした翔士郎ちゃんを赤堀被告は叱りつけ投げ飛ばしたと言います。
◆赤堀被告(碇被告の証言より)
「お前は何でそんなことしたんだ!お前は5歳じゃない!お前はもう飯食うな!これから3日間は食うな!」
亡くなる間際には、あわせて2週間以上も食事を与えられなかったという翔士郎ちゃん。
今年6月に行われた自身の裁判では、赤堀被告による支配が認定され懲役5年の判決が言い渡されていて、碇被告が控訴しています。
一方、碇被告が証言に立つあいだ、赤堀被告は終始メモをとっていて、ノートは文字でびっしりと埋め尽くされていました。
赤堀被告は29日の初公判で起訴内容を全て否認し無罪を主張しています。
◆赤堀被告(29日の初公判)
「指示はしていません」
「窃盗の件も頼まれておろしてきたのでそこも違います」
碇被告への支配を真っ向から否定し、「碇被告に嫌われたくなかったから仲良く付き合っていた」などと、検察の主張とは逆の立場だったと訴えていた赤堀被告。
31日の法廷では被告人質問が行われ、赤堀被告が証言台に立ちました。
◆被告人質問やり取り
弁護側「(碇被告から金を)受け取っていたのは本当?」
赤堀被告「受け取っていません。(碇被告が)『ボスから金を借りているので支払いにあてている』とは聞いていました」
また碇被告が「ヤクザの元妻」だと証言していたボスの存在についてはー
◆被告人質問やり取り
弁護側「(ボスとの)面識は?」
赤堀被告「ありません」
弁護側「碇被告に聞かされていた?」
赤堀被告「はいそうです。『男性の方』と」
弁護側「関係性は?」
赤堀被告「(碇被告が)一緒になりたいと思っていると聞いたが、詳しい名前を聞いたことはないです」
ボスは女性ではなく男性で、碇被告が話を持ち出した人物だと主張しました。
また、翔士郎ちゃんを投げ飛ばしたとされる暴力行為についても否定し、体のアザの原因は碇被告の暴力だと証言しました。
◆被告人質問やり取り
弁護側「翔士郎ちゃんを掴んで投げたことは?」
赤堀被告「していません。あざが出来ていたので『どうしたと?』と翔に聞いたら『ママに叩かれた』と言っていた」
さらに赤堀被告は、餓死につながる最大の要因である碇被告と子供たちへの「食事制限」についても関与を否定しました。
◆被告人質問やり取り
弁護側「食事制限についてあなたが指示したことは?」
赤堀被告「ありません。どのようにやっていたか分かりません」
支配の構図を全否定し一貫して無罪を主張しているママ友の赤堀被告。
真っ向から主張が対立する母親の碇被告との応酬は、9月1日の法廷でも続くことになっています。
支配関係にあったとされるママ友の女と母親が法廷で相まみえましたが、双方の主張は真っ向から対立しました。
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2020年4月、福岡県篠栗町で当時5歳の碇翔士郎ちゃんが餓死した事件。
起訴状などによりますと、無職の赤堀恵美子被告(49)は、生活全般を支配していた母親の碇利恵被告(40)に指示して翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず死に至らしめたとして保護責任者遺棄致死などの罪に問われています。
8月29日から始まった裁判では、ママ友だった赤堀被告による「支配」が本当にあったのかどうかが争点となっています。
3回目を迎えた8月31日の公判は、支配されていたとされる母親の碇利恵被告が検察側の証人として出廷し、赤堀被告と相まみえることになりました。Tシャツに黒の長ズボンといういでたちで現れた碇被告は、はっきりした口調で赤堀被告と関わるようになったきっかけなどを証言しました。
◆証人尋問やり取り
検察「緊張してますか?」
碇被告「してます」
検察「赤堀被告と会う前は専業主婦?」
碇被告「はい」
検察「赤堀被告との出会いは?」
碇被告「次男のお遊戯会で近くに赤堀がポツンといた」
検察「最初の印象は?」
碇被告「正直言っていいですか?ダサいなと思いました」
出会った時点の関係は「支配」とは正反対の構図。しかしその後、赤堀被告は様々な嘘を重ねて碇被告を周囲から孤立させていったといいます。
◆証人尋問やり取り
検察「2017年(餓死事件の3年前)、赤堀被告以外のママ友と関係が悪化とあるが、どうして?」
碇被告「赤堀から『ママ友があんたの文句言いよるよ』と言われました。『(私の)次男が(子供を)泣かせるから遊ばせたくない』とか」
「孤立化」に続いて始まったとされるのが「経済的な搾取」です。赤堀被告は翔士郎ちゃんを餓死させた罪のほか、碇被告に「夫が浮気をしている」などと嘘を吹き込み、浮気の調査費用などの名目であわせて約200万円をだまし取るなどした罪にも問われています。金銭を要求する際、赤堀被告は「ボス」と呼ぶ第三者を登場させていました。
◆証人尋問やり取り
検察「ボスとは?」
碇被告「ボスはヤクザの元奥さんで、何でも子どものトラブルを裁判して金で解決してくれると」
検察「浮気調査の金額は?」
碇被告「ボスが旦那の調査費用を出してくれていて、『家が一軒建つくらいの額』と。3500万円くらいだと思っていた」
検察「領収書とかの書面は?」
碇被告「なかったです」
検察「なんか変だな、とかはなかった?」
碇被告「なかったです。赤堀に払ってると思ってなくて、ボスに払ってると思っていたので」
経済的に困窮した碇被告の家庭は、食事までも管理されるようになります。餓死する5ヵ月ほど前、空腹に耐えかねて冷蔵庫の食べ物をつまみ食いした翔士郎ちゃんを赤堀被告は叱りつけ投げ飛ばしたと言います。
◆赤堀被告(碇被告の証言より)
「お前は何でそんなことしたんだ!お前は5歳じゃない!お前はもう飯食うな!これから3日間は食うな!」
亡くなる間際には、あわせて2週間以上も食事を与えられなかったという翔士郎ちゃん。
今年6月に行われた自身の裁判では、赤堀被告による支配が認定され懲役5年の判決が言い渡されていて、碇被告が控訴しています。
一方、碇被告が証言に立つあいだ、赤堀被告は終始メモをとっていて、ノートは文字でびっしりと埋め尽くされていました。
赤堀被告は29日の初公判で起訴内容を全て否認し無罪を主張しています。
◆赤堀被告(29日の初公判)
「指示はしていません」
「窃盗の件も頼まれておろしてきたのでそこも違います」
碇被告への支配を真っ向から否定し、「碇被告に嫌われたくなかったから仲良く付き合っていた」などと、検察の主張とは逆の立場だったと訴えていた赤堀被告。
31日の法廷では被告人質問が行われ、赤堀被告が証言台に立ちました。
◆被告人質問やり取り
弁護側「(碇被告から金を)受け取っていたのは本当?」
赤堀被告「受け取っていません。(碇被告が)『ボスから金を借りているので支払いにあてている』とは聞いていました」
また碇被告が「ヤクザの元妻」だと証言していたボスの存在についてはー
◆被告人質問やり取り
弁護側「(ボスとの)面識は?」
赤堀被告「ありません」
弁護側「碇被告に聞かされていた?」
赤堀被告「はいそうです。『男性の方』と」
弁護側「関係性は?」
赤堀被告「(碇被告が)一緒になりたいと思っていると聞いたが、詳しい名前を聞いたことはないです」
ボスは女性ではなく男性で、碇被告が話を持ち出した人物だと主張しました。
また、翔士郎ちゃんを投げ飛ばしたとされる暴力行為についても否定し、体のアザの原因は碇被告の暴力だと証言しました。
◆被告人質問やり取り
弁護側「翔士郎ちゃんを掴んで投げたことは?」
赤堀被告「していません。あざが出来ていたので『どうしたと?』と翔に聞いたら『ママに叩かれた』と言っていた」
さらに赤堀被告は、餓死につながる最大の要因である碇被告と子供たちへの「食事制限」についても関与を否定しました。
◆被告人質問やり取り
弁護側「食事制限についてあなたが指示したことは?」
赤堀被告「ありません。どのようにやっていたか分かりません」
支配の構図を全否定し一貫して無罪を主張しているママ友の赤堀被告。
真っ向から主張が対立する母親の碇被告との応酬は、9月1日の法廷でも続くことになっています。
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