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福岡でもインバウンド急増 制限緩和から2カ月 観光業界に活気戻るも…人手不足が課題に

暮らし

2022/12/20 20:55

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多くの外国人観光客で賑わう福岡空港国際線ターミナル。

「サワディーカップ」
「ウエルカム九州」

この日やってきたのは、タイからのツアー客29人。

ほとんどがコロナ前に日本を訪れたことがあるリピーターだといいます。

◆タイのツアー客
「何年も待って、やっとチャンスが来て福岡に来られました」

◆タイのツアー客
「東京、京都、北海道、大阪に行って、ここ(九州)。化粧品を買いたい」

◆タイのツアー客
「海鮮や九州の郷土料理が食べたいです」

早速バスに乗り込み、3泊4日の九州ツアーへ出発です。

福岡県への外国人入国者数は、コロナの影響で2020年春以降激減していましたが、2カ月前に水際対策が大幅に緩和。

10月は4万9000人あまり、11月は12万3000人あまりと、コロナ前の半分以上にまで回復しています。

インバウンドの動向に詳しい専門家は―

◆九州産業大学 地域共創学部 千相哲 教授
「まだ中国はクルーズ船客が止まっている状況なので、今のところは韓国からが増えている。(訪日客の)6割はリピーター。日本が初めての人は今コロナ禍なので(訪日を)控えている。LCC(格安航空会社)が復旧していくと、今後タイなど(東南アジア)からかなり増える可能性がある」

タイからのツアー客を乗せたバスは、最初の目的地・太宰府市の竈門神社へ。

ここでのお目当てのひとつが―

◆タイのツアー客
「“無一郎君”が好きです」

タイでも人気のアニメ『鬼滅の刃』の聖地ともいわれるこの神社に来ることを楽しみにしている人も多いようです。

日本で初めてのランチは久留米市にあるしゃぶしゃぶ食べ放題の店へ。

◆タイのツアー客
「おいしかった。無制限で食べられるから食べ放題が好き」

今回のツアーを企画した旅行会社の担当者は、タイ人ツアーのポイントについて―

◆ドリームインターフェイス 平山哲規さん
「やはり1番は温泉。季節ごとに見られるスポットというのは入れるようにしている。ビュッフェスタイルが好み。お買い物は大好きですので、1日に1回はどこかで入れている」

ツアー2日目、やってきたのは佐賀県鳥栖市の「鳥栖プレミアムアウトレット」。

ここでは1時間半のフリータイムを過ごします。

日本製のスポーツシューズを購入した親子は―

◆タイのツアー客
「(1足)6000円くらいでした。タイでは1万9000円くらい。こっちのほうが安いし、円安でさらにお得」

こちらの家族はブランドのバッグとポーチを購入。

◆タイのツアー客
「全部で6万円くらいです。円安で値段が安くなっていることが購入の決め手になりました」

千教授はインバウンドの買い物事情について―

◆九州産業大学 地域共創学部 千相哲 教授
「為替レート(円安)の影響もあるが、もともと日本で買った方が安い。もう1点、日本の魅力は種類が豊富。富裕層は買い物意欲がコロナ前より高まっているという調査結果がある。ブランドを求めたり、日本的なものを求める人が増えてきているので、日本で高額なものを購入するというニーズは今後続くのではないか」

ツアー3日目、一行が訪れたのは福岡市の「ららぽーと福岡」。

真っ先に向かったのは―

タイ人の間でもSNSなどで話題だという『ガンダム』。

◆タイのツアー客
「初めて見たけど驚いた。アニメと全く同じ大きさですね」

今年4月にオープンした「ららぽーと福岡」は、いまやインバンドツアーには欠かせない人気の立ち寄りスポットになっているそうです。

その後一行は福岡市の中心部にあるホテルへ移動。

引き続き、天神でショッピングや食事を楽しむといいます。

ようやく戻ってきたインバウンドの姿。

経済回復への期待が高まる一方で、受け入れる側にはこんな問題も―

◆福岡東映ホテル 井内聡一郎 副支配人
「(コロナ禍で)スタッフが徐々に減っていって、忙しさはコロナ前を超えている状況ですので、かなり大変な思いをしています。なかなか募集をかけても人が応募してきてくれない。賃金もどんどん上がっているので、対応して上げていかないと応募に繋がらない」

全国旅行支援と水際対策の緩和で一気に需要が高まり、ホテル業界全体が人手不足に陥っているといいます。

またバス会社も―

◆昴交通 立川憲治 副社長
「ドライバーがいないので、私たち(管理職)も運転している。(ドライバーは)マックスのときの3分の1くらい。(以前いたドライバーは)今再就職して他の職業に就いているので、そこが安定しているのでなかなか戻ってこない」

来年3月からの国際クルーズ船受け入れ再開に向け、準備を進める福岡市。

新型コロナの不安が拭いきれない中、需要増に対応した人員をどう確保するのかも、今後の大きな課題となりそうです。

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