2023/01/18 18:40
全国で暗躍「半グレ」の実態 なぜ対策強化 福岡は「工藤会」の重し弱まり…“暴力団と変わらない”
暮らし
2023/01/18 20:55
福岡県警がいわゆる『半グレ』の取締を本格化させます。
一般人でもなく、暴力団でもないグレーな存在とされる不良グループ『半グレ』。
福岡をとりまく『半グレ』の実態とは?
18日、福岡県警のトップ・岡部正勝県警本部長が捜査員を招集しました。
◆福岡県警 岡部正勝 本部長
「あらゆる手法を用いて、準暴力団等に対する集中的な捜査活動が展開されることを期待して訓示と致します」
招集した理由は「準暴力団等集中取締本部」の発足。
すなわち「半グレ」の対策に本腰を上げたのです。
半グレ対策を専門にした取締本部の設置は全国で初めてのこと。
背景には一体何があるのでしょうか。
◆福岡県警 組織犯罪対策課 佐藤弘規 課長
「準暴力団等は特殊詐欺などの犯罪を敢行し、それで得られた資金の一部が暴力団に流れるなど、治安対策上の脅威となっています。ほか、恐喝・暴行・傷害など、やっていることは暴力団と変わらないという風に見ております」
特定危険指定暴力団「工藤会」など、これまで警察が取締りを強化していた「暴力団」は組長をトップにしたピラミッド型の組織。
杯を交わして親分・子分の疑似家族を形成し、厳しい上下関係で組織が統制されています。
こうした事情から、配下の組員が起こした殺人事件でトップの罪が認められたこともあります。
◆記者リポート(2021年8月 福岡地裁)
「野村被告に極刑が言い渡されました」
一方、一般人でもなく暴力団組員でもない、不良グループ「半グレ」は、犯罪の目的や内容によってその都度メンバーが入れ替わる離合集散型です。
誰の指示で動いているのか明確ではなく、暴力団対策法の適用も受けません。
今、そんな半グレグループが全国各地で暗躍していると指摘されています。
Q.半グレの人間は所属をよく変える?
◆ジャーナリスト 花田庚彦さん
「所属している組織が変わるのはあります。(暴力団)組織の人は『〇〇会の誰々です』って言うんですけど、半グレの場合は『誰々の下にいた〇〇です』という紹介の仕方をするんですね。その人間がよそに移ったらすぐ移りますから。『このグループやばい』と思ったら、そのグループを抜けて新しいグループ作れば良い話ですから。楽して金儲けること覚えちゃったら、それを忘れることできないんじゃないですか。(半グレは)どんどん増えていくと思います」
TNCの取材によると、2019年における全国の半グレグループは44つあったとされます。
福岡でも当時「4つの組織」が確認されていました。
◆TNCニュース 2019年2月1日放送より
「借金を踏み倒そうと知人男性に集団で暴行を加えケガをさせた疑いで、北九州市の地下格闘技団体の関係者ら5人が逮捕されました」
地下格闘技団体の「だるま道場」や、かつて広島市を拠点に活動していた覚せい剤密売組織「ISS・インターナショナルシークレットサービス」などが名を連ねていましたが…。
Q.福岡での半グレの現状は?
◆ジャーナリスト 花田庚彦さん
「福岡は平成30年(2018年)には4組織と発表されていたんですが、現在は数え切れないくらいある。九州・福岡に限って言えば」
警察の目をかいくぐって活動しやすいよう、大きな半グレ組織は細分化していき、今やその実態は把握しきれないほどだといいます。
去年11月、福岡では―
◆記者リポート(2022年11月、早良警察署)
「石橋容疑者が出てきました。検察庁に送られます」
現金を貸し付け、法定金利の40倍から140倍に当たる利息を繰り返し受け取った出資法違反の疑いで半グレの男らを検挙。
実に10億円にも上る違法な利益を得ていたとみられ、暴力団との関係も視野に捜査が続いています。
◆ジャーナリスト 花田庚彦さん
「(半グレが)今までそこまで目立たなかったのは、工藤会という盤石の組織があったので半グレはその下に隠れてやってたような感じなんですが、今そのような重しが弱くなってきているので、どんどん跋扈(ばっこ)していくのが現状かなと思って見ています」
福岡県警は工藤会壊滅作戦に力を入れてきたこともあり、組員の数は320人と過去最少になりましたが、その水面下では半グレを使った資金獲得活動が広がりを見せていると警戒を強めています。
◆福岡県警 組織犯罪対策課 佐藤弘規 課長
「暴力団が資金獲得活動をするため、その実態を警察にわかりにくくするために若い者をあえて組員としなかったり、暴力団員が地元の先輩、準暴力団員が地元の後輩、といった場合もあるようです」
半グレ対策こそが暴力団を壊滅へ追い込む次なる一手に。
福岡県警は本部長以下230人の体制で取り締まりを強化します。
◆福岡県警 組織犯罪対策課 佐藤弘規 課長
「特殊詐欺等の資金獲得活動に関する捜査のスペシャリストを集めた本部となっております。まずは準暴力団等の活動実態、組織実態をしっかり調べる、見ていく必要があり、平行して資金獲得活動のための様々な犯罪を1つ1つ取り締まっていくことが大切と考えています」
一般人でもなく、暴力団でもないグレーな存在とされる不良グループ『半グレ』。
福岡をとりまく『半グレ』の実態とは?
18日、福岡県警のトップ・岡部正勝県警本部長が捜査員を招集しました。
◆福岡県警 岡部正勝 本部長
「あらゆる手法を用いて、準暴力団等に対する集中的な捜査活動が展開されることを期待して訓示と致します」
招集した理由は「準暴力団等集中取締本部」の発足。
すなわち「半グレ」の対策に本腰を上げたのです。
半グレ対策を専門にした取締本部の設置は全国で初めてのこと。
背景には一体何があるのでしょうか。
◆福岡県警 組織犯罪対策課 佐藤弘規 課長
「準暴力団等は特殊詐欺などの犯罪を敢行し、それで得られた資金の一部が暴力団に流れるなど、治安対策上の脅威となっています。ほか、恐喝・暴行・傷害など、やっていることは暴力団と変わらないという風に見ております」
特定危険指定暴力団「工藤会」など、これまで警察が取締りを強化していた「暴力団」は組長をトップにしたピラミッド型の組織。
杯を交わして親分・子分の疑似家族を形成し、厳しい上下関係で組織が統制されています。
こうした事情から、配下の組員が起こした殺人事件でトップの罪が認められたこともあります。
◆記者リポート(2021年8月 福岡地裁)
「野村被告に極刑が言い渡されました」
一方、一般人でもなく暴力団組員でもない、不良グループ「半グレ」は、犯罪の目的や内容によってその都度メンバーが入れ替わる離合集散型です。
誰の指示で動いているのか明確ではなく、暴力団対策法の適用も受けません。
今、そんな半グレグループが全国各地で暗躍していると指摘されています。
Q.半グレの人間は所属をよく変える?
◆ジャーナリスト 花田庚彦さん
「所属している組織が変わるのはあります。(暴力団)組織の人は『〇〇会の誰々です』って言うんですけど、半グレの場合は『誰々の下にいた〇〇です』という紹介の仕方をするんですね。その人間がよそに移ったらすぐ移りますから。『このグループやばい』と思ったら、そのグループを抜けて新しいグループ作れば良い話ですから。楽して金儲けること覚えちゃったら、それを忘れることできないんじゃないですか。(半グレは)どんどん増えていくと思います」
TNCの取材によると、2019年における全国の半グレグループは44つあったとされます。
福岡でも当時「4つの組織」が確認されていました。
◆TNCニュース 2019年2月1日放送より
「借金を踏み倒そうと知人男性に集団で暴行を加えケガをさせた疑いで、北九州市の地下格闘技団体の関係者ら5人が逮捕されました」
地下格闘技団体の「だるま道場」や、かつて広島市を拠点に活動していた覚せい剤密売組織「ISS・インターナショナルシークレットサービス」などが名を連ねていましたが…。
Q.福岡での半グレの現状は?
◆ジャーナリスト 花田庚彦さん
「福岡は平成30年(2018年)には4組織と発表されていたんですが、現在は数え切れないくらいある。九州・福岡に限って言えば」
警察の目をかいくぐって活動しやすいよう、大きな半グレ組織は細分化していき、今やその実態は把握しきれないほどだといいます。
去年11月、福岡では―
◆記者リポート(2022年11月、早良警察署)
「石橋容疑者が出てきました。検察庁に送られます」
現金を貸し付け、法定金利の40倍から140倍に当たる利息を繰り返し受け取った出資法違反の疑いで半グレの男らを検挙。
実に10億円にも上る違法な利益を得ていたとみられ、暴力団との関係も視野に捜査が続いています。
◆ジャーナリスト 花田庚彦さん
「(半グレが)今までそこまで目立たなかったのは、工藤会という盤石の組織があったので半グレはその下に隠れてやってたような感じなんですが、今そのような重しが弱くなってきているので、どんどん跋扈(ばっこ)していくのが現状かなと思って見ています」
福岡県警は工藤会壊滅作戦に力を入れてきたこともあり、組員の数は320人と過去最少になりましたが、その水面下では半グレを使った資金獲得活動が広がりを見せていると警戒を強めています。
◆福岡県警 組織犯罪対策課 佐藤弘規 課長
「暴力団が資金獲得活動をするため、その実態を警察にわかりにくくするために若い者をあえて組員としなかったり、暴力団員が地元の先輩、準暴力団員が地元の後輩、といった場合もあるようです」
半グレ対策こそが暴力団を壊滅へ追い込む次なる一手に。
福岡県警は本部長以下230人の体制で取り締まりを強化します。
◆福岡県警 組織犯罪対策課 佐藤弘規 課長
「特殊詐欺等の資金獲得活動に関する捜査のスペシャリストを集めた本部となっております。まずは準暴力団等の活動実態、組織実態をしっかり調べる、見ていく必要があり、平行して資金獲得活動のための様々な犯罪を1つ1つ取り締まっていくことが大切と考えています」