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記者が“闇バイト”に応募してみたら… 「タタキ(強盗)でもいいっすよ」「それなりに痛い目に遭っちゃいます」 勧誘役が語る“犯行”の裏側 相次ぐ強盗事件の入り口に

事件・事故

3時間前

関東地方で相次ぐ、いわゆる「闇バイト」による強盗事件。

「闇バイト」の勧誘役が赤裸々に犯行の実態を明かしました。

容疑者たちが犯罪に手を染めたきっかけの多くは、いわゆる「闇バイト」とされています。

勧誘の入口となるSNSでは、『即日即金』『報酬高額案件』など甘い勧誘の文言がずらり。

そこで、記者が取材用のアカウントを作りメッセージを送ってみると…
◆記者
「私がフォローしていない人なんですが、急にメッセージが来ました」

<返信メッセージ>
『かなり稼げる仕事の枠が急遽1つ空きまして連絡させていただきました』

この相手の別の投稿には「チーム全員で動くので安全に仕事ができる」との文言も…

早速このアカウントに返信します。

すると…
<返信メッセージ>
『シグナルはダウンロードされていますか?』

秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」は、通話やメッセージの履歴が短時間で消える機能があり、首都圏で相次ぐ強盗事件でも指示役からの連絡手段として使われていたとみられています。
◆記者
「電話がかかってきましたね。このまま出ようと思います」
(以後、記者は匿名「ももちさん」を名乗って会話を続ける)

◆“闇”の採用担当者
「もしもし」
◆記者
「もしもし。聞こえてますか」
◆“闇”の採用担当者
「はい。お疲れ様です」
◆記者
「お疲れ様です」
◆“闇”の採用担当者
「早速なんですけど、何個か質問がありまして。今お住まいはどちら?」
◆記者
「福岡なんですけど」
◆“闇”の採用担当者
「ご年齢は?」
◆記者
「29歳です」
◆“闇”の採用担当者
「仕事は何されます?」
◆記者
「会社員です」
◆“闇”の採用担当者
「どういった関係の仕事ですかね?」
◆記者
「情報通信関係です」

突然始まった「採用面接」。

ほかにも免許証の有無や貯金額など、矢継ぎ早に質問が飛んできます。

◆“闇”の採用担当者
「出張可能ですか?」
◆記者
「はい。できます」
◆“闇”の採用担当者
「お!仕事の曜日が月曜から金曜になるんですど、東京とか神奈川とかに来ることは?」
◆記者
「事前に合わせれば行くことはもちろん可能です」
◆闇の採用担当者
「分かりました。内容がUDっていうものになるんですよ。(高齢者宅などから)カードを受け取ってもらって、近くのコンビニで下ろしてもらって、それをまた次の人間に渡してもらうんですけど」

どうやらこの案件は、特殊詐欺の受け子(U)・出し子(D)。

報酬は1回あたり5万円から10万円だといいます。

事実だとすれば明らかな犯罪行為ですが…
◆“闇”の採用担当者
「自分たちはその辺かなり気を使っていて、見張りの人間がいるんですよ。警察関係の車両が近くに止まっていないか、身内の人間が帰ってきていないとか、それを確認した上で『ももちさん』に行ってもらう」
◆記者
「私自身が受け取ったものを持っていなくなったらどうなる?」
◆“闇”の採用担当者
「必ず捕まえにいく。それなりに痛い目に遭っちゃいますよ」
◆記者
「今まで逃げて捕まった人は?」
◆“闇”の採用担当者
「もちろん。身分証も先に出してもらうんで、ももちさんの免許証をもらうとするじゃないですか。もちろん逃げたらその家にも行きますし、家の周りも捕まえるまで必ず見張るので。最悪、親の所にもいきますし。覚悟は必要ですけど、変なことしなければ僕たちがももちさん側に何かをするっていうわけではないですし」

次々に恐ろしい言葉を投げかけてくる“闇”の採用担当者。

このところ逮捕者が相次ぐ強盗についても尋ねてみると…

◆記者
「強盗とかって…」
◆“闇”の採用担当者
「そういうのではまったくない。やりたいですか?」
◆記者
「(求人は)あるのはある?」
◆“闇”の採用担当者
「まあ、はい。タタキ(強盗)の方がいいっすか?」
◆記者
「タタキの方が稼げる?」
◆“闇”の採用担当者
「タタキって運なんですよ。どこどこのお宅に何千万円あるって実際に行ったら20万円しかないとか。カネになんないし、そっちのほうが罪重くなるんで、リスクに対してリターンがあいまい過ぎるかなって。もしよろしければタタキでもいいっすよ」

「強盗」も紹介できると明言しました。
ここで記者が身分を明かすと…

◆記者
「私、テレビ西日本の記者なんですけど、このままお話を聞いても大丈夫か?…通話がきれましたね」

この後、闇の採用担当者と連絡がつくことはありませんでした。
いったん「闇バイト」に応募してしまうと、犯人グループ、いわゆる指示役に個人情報を握られることになります。

そのため、すでに逮捕されている実行役の中には「家族にも危害が加えられるかもしれないと思って断れなかった」「逃げたら殺すと言われた」と供述している容疑者もいて、末端の実行役は逆に内輪で脅されたりすることもあるようです。

こうした現状もあり、警察庁の幹部が異例の呼びかけを行っています

◆警察庁 生活安全企画課 阿波拓洋 課長
「犯罪に関わってはいけません。勇気を持って抜け出し、すぐに警察に相談してください。警察は、相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します。安心して、そして勇気を持って今すぐ引き返してください」

警察庁がこの呼びかけをした後、10月26日時点で少なくとも3人が保護されたということです。

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