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福岡の警固断層による地震なら震度6強か 建物の耐震性に懸念…東京より基準の係数低く “南海トラフ”へ備えも

気象・災害

12時間前

13日夜、宮崎県で発生した震度5弱を観測した地震。

福岡県久留米市でも最大震度4を観測しました。

大地震が起きた場合、専門家は、福岡は特にリスクが高い状況にあると指摘します。

■福岡・久留米市では震度4観測



13日夜に発生した宮崎県の日向灘を震源とするマグニチュード6.6の地震では宮崎市などで最大震度5弱の揺れを観測し、駅のガラスが割れたほか、水道管が破裂し道路に水があふれました。。

落石が道路をふさぎ通行止めとなったところもありました。

そして福岡県内では久留米市で最大震度4を観測。

調理器具が大きく揺れている様子も確認できます。



◆記者リポート
「(13日)午後10時半すぎのJR博多駅です。新幹線改札口なんですが、人の流れも少なく、目立った混雑は見られません」

九州新幹線では大きな混乱は見られませんでしたが、上下線で一時遅れが出るなどしました。



今回の地震で懸念されたのが、約32万人の死者が想定されている南海トラフ巨大地震です。

気象庁は関連を調査した結果「巨大地震が起きる可能性が高まっていると考えられない」としていますが、今後1週間は同じ程度の地震への注意を呼びかけています。



地震から一夜明けた14日、福岡県の服部知事も「地震はいつ起きてもおかしくない」と呼びかけました。

◆福岡県 服部誠太郎知事
「自分の命、大切な家族の方の命を守るためにも、この機会に日ごろの備えについて改めてご確認いただきますようお願い申し上げます」



大きな地震が起きるリスクは福岡にもあります。

2005年3月に発生した「福岡県西方沖地震」では最大震度6弱を観測し、133棟の家屋が全壊しました。

死者1人、負傷者1087人と福岡市を中心に大きな被害が出ました。

■福岡の警固断層は最も高い「Sランク」



この西方沖地震の震源域となったのが「警固断層帯」です。

20年前に揺れたのは、玄界灘に位置する「北西部」で、165万人が暮らす福岡市の真下を通っている「南東部」では、まだ地震は起きていません。

2023年に福岡県がまとめた防災計画によると、今後、警固断層(南東部)による地震が発生した場合、福岡市内の多くで「震度6強」の揺れを観測し、死者が1000人以上にのぼると想定されています。

政府の特別機関は、30年以内に地震が起きる確率について警固断層を最も高い「Sランク」と位置づけています。



この「Sランク」について専門家は…。

◆福岡大学 高山峯夫 教授
「多くの人が“今後30年に震度6強の地震が起こる可能性が数パーセント”と言われてもピンと来ないと思うが、ゼロではない、いつかは起こる地震なので、それがいつ来るかは分からないけど、そういったものに対する備えが必要」

大きな地震への備えとして懸念されるのが「建物の耐震性」です。

その耐震性について「福岡は特にリスクが高い状況にある」との指摘があります。


■東京より耐震基準が低い福岡



◆福岡大学 高山峯夫 教授
「耐震基準の中で、例えば東京を1とすると、熊本は0.9という基準が設けられていて、福岡は実は0.8なんです」

高山教授が指摘するのが「地震地域係数」です。

これは、国が地震の発生頻度や被害の程度などを基に耐震基準を0.7~1.0までの間で地域ごとに定めているもので、東京や大阪などが1に対して福岡は0.8と低く設定されています。

この「0.8」という数字について、高山教授は…。

◆福岡大学 高山峯夫 教授
「同じ建物を東京と福岡で建てた場合には、『建築基準に従って建ててください』と言えば、東京よりは少し弱いというか、耐震性が弱い建物が建てられるのが福岡ということになる」

1980年以来、1度も改定されていないという「地震地域係数」。

2016年の熊本地震や去年の能登半島地震も、いずれも係数が「0.9」の地域で地震が発生したことなどから、国は去年、やっと見直しの検討を始めました。

そういった背景から、この機会に住宅の耐震基準などを改めて確認してほしいと高山教授は呼びかけています。

◆福岡大学 高山峯夫 教授
「耐震性の低い古い住宅にお住まいの方は耐震化の検討が必要。建物だけではなくて、いろんな家具とか、あるいは天井とか、それが地震の時どうなるか、あるいは対策はちゃんとできているかを確認していく必要があると思う」

■震度6強の揺れを体験



去年、川崎キャスターが防災センターで地震の揺れを体験した時の映像では、机に必死にしがみついている様子が見受けられます。

「震度6強」は「動くこともできず飛ばされることもある」というレベルですが、この震度6強という数字は福岡市の警固断層で地震が発生した場合に市内の多くの場所で観測されると想定されています。

そして警固断層で震度6強の地震が起きた場合に大きな問題となりそうなのが「帰宅困難者」です。

福岡市によると、市内では約19万人の帰宅困難者が出るおそれがあり、このうち天神地区と博多駅の周辺で最大3万8000人が職場にも滞在できず、行き場がなくなる可能性があります。
13日夜、宮崎県で発生した震度5弱を観測した地震。

福岡県久留米市でも最大震度4を観測しました。

大地震が起きた場合、専門家は、福岡は特にリスクが高い状況にあると指摘します。

■福岡・久留米市では震度4観測
13日夜に発生した宮崎県の日向灘を震源とするマグニチュード6.6の地震では宮崎市などで最大震度5弱の揺れを観測し、駅のガラスが割れたほか、水道管が破裂し道路に水があふれました。。

落石が道路をふさぎ通行止めとなったところもありました。

そして福岡県内では久留米市で最大震度4を観測。

調理器具が大きく揺れている様子も確認できます。
◆記者リポート
「(13日)午後10時半すぎのJR博多駅です。新幹線改札口なんですが、人の流れも少なく、目立った混雑は見られません」

九州新幹線では大きな混乱は見られませんでしたが、上下線で一時遅れが出るなどしました。
今回の地震で懸念されたのが、約32万人の死者が想定されている南海トラフ巨大地震です。

気象庁は関連を調査した結果「巨大地震が起きる可能性が高まっていると考えられない」としていますが、今後1週間は同じ程度の地震への注意を呼びかけています。
地震から一夜明けた14日、福岡県の服部知事も「地震はいつ起きてもおかしくない」と呼びかけました。

◆福岡県 服部誠太郎知事
「自分の命、大切な家族の方の命を守るためにも、この機会に日ごろの備えについて改めてご確認いただきますようお願い申し上げます」
大きな地震が起きるリスクは福岡にもあります。

2005年3月に発生した「福岡県西方沖地震」では最大震度6弱を観測し、133棟の家屋が全壊しました。

死者1人、負傷者1087人と福岡市を中心に大きな被害が出ました。

■福岡の警固断層は最も高い「Sランク」
この西方沖地震の震源域となったのが「警固断層帯」です。

20年前に揺れたのは、玄界灘に位置する「北西部」で、165万人が暮らす福岡市の真下を通っている「南東部」では、まだ地震は起きていません。

2023年に福岡県がまとめた防災計画によると、今後、警固断層(南東部)による地震が発生した場合、福岡市内の多くで「震度6強」の揺れを観測し、死者が1000人以上にのぼると想定されています。

政府の特別機関は、30年以内に地震が起きる確率について警固断層を最も高い「Sランク」と位置づけています。
この「Sランク」について専門家は…。

◆福岡大学 高山峯夫 教授
「多くの人が“今後30年に震度6強の地震が起こる可能性が数パーセント”と言われてもピンと来ないと思うが、ゼロではない、いつかは起こる地震なので、それがいつ来るかは分からないけど、そういったものに対する備えが必要」

大きな地震への備えとして懸念されるのが「建物の耐震性」です。

その耐震性について「福岡は特にリスクが高い状況にある」との指摘があります。


■東京より耐震基準が低い福岡
◆福岡大学 高山峯夫 教授
「耐震基準の中で、例えば東京を1とすると、熊本は0.9という基準が設けられていて、福岡は実は0.8なんです」

高山教授が指摘するのが「地震地域係数」です。

これは、国が地震の発生頻度や被害の程度などを基に耐震基準を0.7~1.0までの間で地域ごとに定めているもので、東京や大阪などが1に対して福岡は0.8と低く設定されています。

この「0.8」という数字について、高山教授は…。

◆福岡大学 高山峯夫 教授
「同じ建物を東京と福岡で建てた場合には、『建築基準に従って建ててください』と言えば、東京よりは少し弱いというか、耐震性が弱い建物が建てられるのが福岡ということになる」

1980年以来、1度も改定されていないという「地震地域係数」。

2016年の熊本地震や去年の能登半島地震も、いずれも係数が「0.9」の地域で地震が発生したことなどから、国は去年、やっと見直しの検討を始めました。

そういった背景から、この機会に住宅の耐震基準などを改めて確認してほしいと高山教授は呼びかけています。

◆福岡大学 高山峯夫 教授
「耐震性の低い古い住宅にお住まいの方は耐震化の検討が必要。建物だけではなくて、いろんな家具とか、あるいは天井とか、それが地震の時どうなるか、あるいは対策はちゃんとできているかを確認していく必要があると思う」

■震度6強の揺れを体験
去年、川崎キャスターが防災センターで地震の揺れを体験した時の映像では、机に必死にしがみついている様子が見受けられます。

「震度6強」は「動くこともできず飛ばされることもある」というレベルですが、この震度6強という数字は福岡市の警固断層で地震が発生した場合に市内の多くの場所で観測されると想定されています。

そして警固断層で震度6強の地震が起きた場合に大きな問題となりそうなのが「帰宅困難者」です。

福岡市によると、市内では約19万人の帰宅困難者が出るおそれがあり、このうち天神地区と博多駅の周辺で最大3万8000人が職場にも滞在できず、行き場がなくなる可能性があります。

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