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「道路陥没はどこでも起きうる」専門家が警告 原因の多くは「下水管の破損」老朽化でさらに増加か 異常気象も一因に 福岡

事件・事故

10時間前

現在も救助活動が続く埼玉県で起きた道路の陥没事故。

陥没は県内でもたびたび発生していて、専門家は「今後さらに増えていく」と警鐘を鳴らしています。

埼玉県八潮市で発生した陥没事故。

転落したトラックに乗っていた74歳の男性運転手は、発生から3日以上が経った31日も安否不明となっています。

30日にはこれまでできた2つの穴の間が崩落し、今では直径40メートルほどの1つの穴になり、男性の救助は難航しています。
道路の大規模な陥没といえば福岡でもありました。

2016年にJR博多駅前で起きた陥没事故は地下鉄七隈線の延伸工事が原因とされ、幸いにもけが人はいませんでしたが、ライフラインが一時寸断される事態になりました。
その後も、陥没は全国で度々起きていて、去年9月には千葉県市原市の国道で、さらに広島市でも住宅街の道路に巨大な穴ができ、建物が傾く被害も出ました。

国土交通省によりますと、道路の陥没は大小さまざまですが全国で年間1万件以上起き、県内でも相次いでいます。

昨年度、確認されたのは福岡市だけで少なくとも60件に上ります。
こうした中、久留米市では31日、市の職員がマンホール内部の下水管を調べました。

埼玉県での陥没事故を受け独自に緊急点検が行われたのです。
◆久留米市 下水道整備課 執行啓児さん
「市民に安心して生活してもらうため、独自に下水道を緊急点検した」

道路陥没の原因として最も多くを占めるのが下水管の破損です。
地盤工学の専門家は…。

◆芝浦工業大学 稲積真哉教授
「今ある下水道管の多くは高度経済成長期に建設された。現在まで60年が経過している。(下水管の)耐用年数は50年」
下水管の耐用年数は50年とされていますが、これを超え老朽化している下水管がいま増えているのです。

福岡市では50年を超えている下水管が全体の1割程度、北九州市では2割にあたる1000キロが耐用年数を超えています。

専門家は今後、下水管の老朽化に加え異常気象の影響もあり、陥没がどこでも起きうると指摘します。

◆芝浦工業大学 稲積真哉教授
「気象環境が年を追うごとに激甚化している。老朽化や気象環境の激甚化を見ると、今後、道路陥没は増えていくと想定している」
今後ますます増えるおそれがある道路の陥没。

予兆があるかどうかが気になりますが、専門家によると「基本的に予兆はない」といいます。

ただし今回のような大規模な陥没に限ると、くぼみやひびなどが生じるケースがあり予兆と捉えることもできるということです。

もし、陥没の予兆と思われる現象に遭遇した場合は国の「道路緊急ダイヤル#9910」などに連絡してほしいと話しています。

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