15時間前
【特別ルポ】外国人が支える日本の医療現場は今(前編) 院内に礼拝場所も…インドネシア准看護師に密着
暮らし
15時間前
福岡の医療現場で働く外国人スタッフ。人手不足が深刻化する地域医療の現場で、いま何が起きているのか。その最前線を追った。(全2回のうちの前編)
■外国人スタッフがいないと回らない業務
■外国人スタッフがいないと回らない業務
福岡・大牟田市の精神科病院「大牟田保養院」。
「始業時間は8時30分なんですけど、病院に着くのは午前8時くらい」と自転車で出勤するのはインドネシア人の准看護師、ジハン・ファヒラさん(28)だ。
「始業時間は8時30分なんですけど、病院に着くのは午前8時くらい」と自転車で出勤するのはインドネシア人の准看護師、ジハン・ファヒラさん(28)だ。
ジハンさんは認知症治療病棟で患者の健康管理や食事・排泄・入浴の介助などを担当している。
患者に優しく声をかけながら手際よく業務をこなしていく。
大牟田保養院では看護師不足に伴い、4年前から外国人スタッフを採用していて、現在この病棟で働く看護スタッフ21人のうち約3分の1の6人がインドネシア人だ。
患者に優しく声をかけながら手際よく業務をこなしていく。
大牟田保養院では看護師不足に伴い、4年前から外国人スタッフを採用していて、現在この病棟で働く看護スタッフ21人のうち約3分の1の6人がインドネシア人だ。
大牟田保養院の松尾幸子看護師長は「日本人看護スタッフが徐々に減っていって…。理由は仕事内容、賃金、その辺なんじゃないですかね。インドネシア人スタッフはすごく真面目です。少し教えれば全部、頭にインプットしてくれるんで、頭の回転もいいですし、外国人が来ないととっても困ります。業務が回らない」と外国人スタッフの重要性を語る。
ジハンさんは患者とのコミュニケーションもそつなくこなす。
▼患者(84)
「インドネシア語で『おはよう』は?」
▼ジハンさん
「おはようございます、ね。スラマッパギ」
▼患者(84)
「スラマ…パギ。難しいわな~」
「私が“ヒジャブ(布)”を被っているじゃないですか、だから『日本人じゃないね、どこから来たの?』『インドネシアからですよ』『インドネシア行ったことないわ』とかそういう話をします。楽しいですね」とジハンさんは話す。
ジハンさんは患者とのコミュニケーションもそつなくこなす。
▼患者(84)
「インドネシア語で『おはよう』は?」
▼ジハンさん
「おはようございます、ね。スラマッパギ」
▼患者(84)
「スラマ…パギ。難しいわな~」
「私が“ヒジャブ(布)”を被っているじゃないですか、だから『日本人じゃないね、どこから来たの?』『インドネシアからですよ』『インドネシア行ったことないわ』とかそういう話をします。楽しいですね」とジハンさんは話す。
母国インドネシアの看護短大を卒業後、1年ほど看護師として働いていたジハンさんは24歳のときに日本の看護師免許取得を目指して福岡へ移り住んだ。
そのきっかけとなったのが福岡県の外国人看護職員養成事業だった。
そのきっかけとなったのが福岡県の外国人看護職員養成事業だった。
外国人看護職員養成事業は、看護師不足を受け福岡県医師会が4年前の2022年から始めた取り組みで、インドネシアやミャンマーで日本の看護師資格を目指す人に学習や就労の支援を行う。
福岡県医師会の瀬戸裕司専務理事は「まず日本語教育を向こう(現地)でやる。ですから、そもそも日本語で挫折をしないかたちで福岡の看護学校に来て勉強してもらうと。そして私たち医師会の会員の医療機関で勤めてもらうかたちですから、常に医師会のお手伝いが彼女たちにできている」と話す。
この事業で積極的に受け入れを行っているのが、県内でも特に看護師不足が深刻な大牟田市だ。
■若者の“流失”が深刻な大牟田市
この事業で積極的に受け入れを行っているのが、県内でも特に看護師不足が深刻な大牟田市だ。
■若者の“流失”が深刻な大牟田市
大牟田医師会が運営する看護専門学校では准看護科の入学者数がこの10年で3分の1に激減した。
2026年度は定員を70人から40人に減らしたが、入学したのはその半数の21人にとどまった。
看護科についてはここ数年、入学者が15人を下回り、2026年度いっぱいで募集を休止することが決まっている。
大牟田医師会看護専門学校の吉村渚美子専任教員は、入学者減の理由について「やはり大牟田という土地が高齢化していることと若い人たちが福岡市などに行ってしまうので…」と話す。
2026年度は定員を70人から40人に減らしたが、入学したのはその半数の21人にとどまった。
看護科についてはここ数年、入学者が15人を下回り、2026年度いっぱいで募集を休止することが決まっている。
大牟田医師会看護専門学校の吉村渚美子専任教員は、入学者減の理由について「やはり大牟田という土地が高齢化していることと若い人たちが福岡市などに行ってしまうので…」と話す。
そんな中、2年前から県の事業を通して合計20人の外国人学生が准看護科に入学した。
2026年2月にはジハンさんを含む7人が准看護師試験に合格し、全員が地元の医療機関で働いている。
大牟田医師会看護専門学校の富安信夫校長は「今後の人材不足が予測されるこの大牟田市において、まず外国人学生を受け入れて、学びの場で日本のシステムに慣れて頂いて、ぜひ日本に溶け込んで、そして日本の医療を支えてもらいたいと思います」と期待を寄せる。
■病院側が礼拝場所を提供
2026年2月にはジハンさんを含む7人が准看護師試験に合格し、全員が地元の医療機関で働いている。
大牟田医師会看護専門学校の富安信夫校長は「今後の人材不足が予測されるこの大牟田市において、まず外国人学生を受け入れて、学びの場で日本のシステムに慣れて頂いて、ぜひ日本に溶け込んで、そして日本の医療を支えてもらいたいと思います」と期待を寄せる。
■病院側が礼拝場所を提供
午前中の業務を終えたジハンさんが神妙な面持ちで向かったのは、インドネシア人スタッフが集まる休憩室だった。
その目的は、お祈りだ。
ジハンさんたちイスラム教徒は1日5回、決められた時間にサウジアラビアのメッカの方角へ向かって祈りを捧げることが義務とされていて、病院がこのようにお祈りができる場所を提供している。
ジハンさんのこの日の弁当のメニューは、卵焼きとブロッコリーとトマト。
日本食は調味料のみりんやしょうゆにアルコールが含まれているため、ほとんど食べられない。
「福岡は豚骨ラーメンなので、食べられないです。残念…」とジハンさんは笑った。
豚肉やアルコール類などを摂取できなかったり、肌を露出する服装が禁じられていたりとイスラム教徒には多くのルールがあり、受け入れる病院側には十分な理解が求められる。(後編に続く)
◇ ◇ ◇
■外国人との“共生”とは…ドキュメンタリー番組の放送決定
その目的は、お祈りだ。
ジハンさんたちイスラム教徒は1日5回、決められた時間にサウジアラビアのメッカの方角へ向かって祈りを捧げることが義務とされていて、病院がこのようにお祈りができる場所を提供している。
ジハンさんのこの日の弁当のメニューは、卵焼きとブロッコリーとトマト。
日本食は調味料のみりんやしょうゆにアルコールが含まれているため、ほとんど食べられない。
「福岡は豚骨ラーメンなので、食べられないです。残念…」とジハンさんは笑った。
豚肉やアルコール類などを摂取できなかったり、肌を露出する服装が禁じられていたりとイスラム教徒には多くのルールがあり、受け入れる病院側には十分な理解が求められる。(後編に続く)
◇ ◇ ◇
■外国人との“共生”とは…ドキュメンタリー番組の放送決定
いま福岡には過去最多となる12万人超の外国人が暮らしています。社会の急激な変化で時には排他的な動きもみられる中で“共生”の行方はどうなるのか、福岡の現状から考えるドキュメンタリー番組が制作・放送されます。
ナレーションを担当したのは、トム・クルーズさんの吹き替えなどで知られる声優の森川智之さんです。
FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品「“共生”の現在地~福岡と隣人12万人の岐路~」は2026年5月27日(水)24時45分(28日(木)午前0時45分)からTNCエリア(福岡・山口)で放送されます。
※全国のフジテレビ系列局でも順次放送されます。
ナレーションを担当したのは、トム・クルーズさんの吹き替えなどで知られる声優の森川智之さんです。
FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品「“共生”の現在地~福岡と隣人12万人の岐路~」は2026年5月27日(水)24時45分(28日(木)午前0時45分)からTNCエリア(福岡・山口)で放送されます。
※全国のフジテレビ系列局でも順次放送されます。
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