2022/11/14 20:55
「歌で励まされた」 難病ALSと闘う小学校教師 児童と臨んだ全国合唱コンクールに密着 北九州市
暮らし
2022/11/15 20:55
北九州市の小学校で、難病に指定されている病気と闘いながら指導にあたり、合唱全国大会の大舞台に臨んだ先生がいます。
子供たちとともに歩む様子に密着しました。
北九州市小倉北区にある日明小学校。
市の音楽教育の拠点校として、児童たちに音楽の良さを感じてもらい、その能力を伸ばす授業に取り組んでいます。
その日明小学校でもひときわ熱心な児童たちが集うクラブ活動が「合唱カンパニー」です。
メンバーは4年生から6年生の28人で、9月に行われた九州合唱コンクールでは金賞に輝き、学校初の全国大会出場を決めました。
指導するのは竹永亮太先生、今年4月から顧問を務めています。
心がけているのはとにかく「楽しい」練習。
練習のあとも子供たちは先生のもとへかけよります。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「音楽が楽しくなるように、子供たちが一生音楽を続けてくれたら」
精力的に指導する竹永先生ですが、教師になった5年前、衝撃的な知らせを聞くことになりました。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「2018年の1月に遺伝子検査を2年前くらいに受けていたのが帰ってきて、その結果、遺伝子に異常ありということで、これからそういう症状がでてくるかもしれないと」
「ALS=筋萎縮性側索硬化症」の可能性があるとの診断を受けたのです。
ALSとは全身の筋肉が段々と痩せて力がなくなっていく病気です。
厚生労働省が指定している難病で、今も治療法は見つかっていません。
そして、わずかですが遺伝が指摘されるケースも見られ、竹永先生の場合もALSで祖父や母親が闘病する様子を幼いころから見ていたといいます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「なんとなく自分の中でも幼い子供ながらに、自分もいつかなるのかなと、ちょっとした覚悟が常にずっとあった」
顧問として指導に打ち込み始めてまもない今年春。
左足がだんだんと不自由になり、先生は子供たちに病気を発症していることを打ち明けました。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「自分を通してこれから先、そういう方に会ったときに、ただかわいそうじゃなく、支えが必要なときはさりげなく助けられるような子になってほしい。自分を通して少しでもつかんでもらえたら(と思った)」
竹永先生が病気を説明しても、子供たちの態度は変わることはありませんでした。
◆6年生
「とても情熱があって優しい先生です。(全国大会は)先生が心に残る結果を残したいです」
◆5年生
「からかったり、冗談を言ったりするけど、みんな(先生のこと)大好き」
◆大会で伴奏を担当するピアニスト(竹永先生に電話でアドバイス)
「アルトが低めに丁寧にとってくれたら、ピアノも同じ音があるし、第3音目なのでいい感じにハモるはず」
この日、帰宅してから電話していたのは、大会で伴奏を担当するピアニスト。
練習を通して、プロが感じたアドバイスを楽譜に書き込んでいきます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「土日も合唱だし、朝行くときも合唱の曲が車で流れているし、お風呂も合唱の音楽を流しながら聞いたりしてます」
プライベートも合唱指導にささげる日々。
体を動かせる貴重な時間をいかに使っていくのか、ALSの症状が出始めたころは悩みに悩んだといいます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「一生懸命楽しそうに歌っている子供たちの姿と、自分もその歌で励まされたことがあって、この子たちに、合唱に、自分の時間を使おうかなと決めて」
<11月13日>
そして迎えた全日本合唱コンクール全国大会。
大阪の会場についた子供たちは、緊張した面持ちで出番を待ちます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「日本で一番明るく、日本で一番元気に、そういう演奏ができたらいいかなと思います。頑張りましょう!」
そして迎えた本番。
緊張の中迎えた約7分間の演奏。
先生も子供たちも大満足な、これまでで一番の出来栄えでした。
◆5年生
「目標の39校のなかで一番楽しく、明るくを達成できていたと思います」
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「あの子たちと一緒に、はじめて本気でひとつのことに打ち込んで、人生で一番幸せな瞬間ですね。ありがとうと伝えたい」
そして地元に帰ってきた子供たちに、先生から結果が伝えられます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「日明小学校、さっき結果見ました。…『金賞』です!」
◆子供たち
「えーーーーーーー!」
「最高!」
「うそでしょ!」
初出場で「金賞」、さらに39校中4校のみが選ばれる「特別賞」を受賞しました。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「のめり込んでいる何か月間かは、自分が病気ということを忘れるくらい打ち込むことができていたし、定年まで学校の先生は続けたいなと、そのために頑張ろうと前向きな決意に変わりました」
先生と子供たちが一体となって挑んだ大舞台。
先生も、そして子供たちも、ひと回り大きく成長した大会となりました。
子供たちとともに歩む様子に密着しました。
北九州市小倉北区にある日明小学校。
市の音楽教育の拠点校として、児童たちに音楽の良さを感じてもらい、その能力を伸ばす授業に取り組んでいます。
その日明小学校でもひときわ熱心な児童たちが集うクラブ活動が「合唱カンパニー」です。
メンバーは4年生から6年生の28人で、9月に行われた九州合唱コンクールでは金賞に輝き、学校初の全国大会出場を決めました。
指導するのは竹永亮太先生、今年4月から顧問を務めています。
心がけているのはとにかく「楽しい」練習。
練習のあとも子供たちは先生のもとへかけよります。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「音楽が楽しくなるように、子供たちが一生音楽を続けてくれたら」
精力的に指導する竹永先生ですが、教師になった5年前、衝撃的な知らせを聞くことになりました。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「2018年の1月に遺伝子検査を2年前くらいに受けていたのが帰ってきて、その結果、遺伝子に異常ありということで、これからそういう症状がでてくるかもしれないと」
「ALS=筋萎縮性側索硬化症」の可能性があるとの診断を受けたのです。
ALSとは全身の筋肉が段々と痩せて力がなくなっていく病気です。
厚生労働省が指定している難病で、今も治療法は見つかっていません。
そして、わずかですが遺伝が指摘されるケースも見られ、竹永先生の場合もALSで祖父や母親が闘病する様子を幼いころから見ていたといいます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「なんとなく自分の中でも幼い子供ながらに、自分もいつかなるのかなと、ちょっとした覚悟が常にずっとあった」
顧問として指導に打ち込み始めてまもない今年春。
左足がだんだんと不自由になり、先生は子供たちに病気を発症していることを打ち明けました。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「自分を通してこれから先、そういう方に会ったときに、ただかわいそうじゃなく、支えが必要なときはさりげなく助けられるような子になってほしい。自分を通して少しでもつかんでもらえたら(と思った)」
竹永先生が病気を説明しても、子供たちの態度は変わることはありませんでした。
◆6年生
「とても情熱があって優しい先生です。(全国大会は)先生が心に残る結果を残したいです」
◆5年生
「からかったり、冗談を言ったりするけど、みんな(先生のこと)大好き」
◆大会で伴奏を担当するピアニスト(竹永先生に電話でアドバイス)
「アルトが低めに丁寧にとってくれたら、ピアノも同じ音があるし、第3音目なのでいい感じにハモるはず」
この日、帰宅してから電話していたのは、大会で伴奏を担当するピアニスト。
練習を通して、プロが感じたアドバイスを楽譜に書き込んでいきます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「土日も合唱だし、朝行くときも合唱の曲が車で流れているし、お風呂も合唱の音楽を流しながら聞いたりしてます」
プライベートも合唱指導にささげる日々。
体を動かせる貴重な時間をいかに使っていくのか、ALSの症状が出始めたころは悩みに悩んだといいます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「一生懸命楽しそうに歌っている子供たちの姿と、自分もその歌で励まされたことがあって、この子たちに、合唱に、自分の時間を使おうかなと決めて」
<11月13日>
そして迎えた全日本合唱コンクール全国大会。
大阪の会場についた子供たちは、緊張した面持ちで出番を待ちます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「日本で一番明るく、日本で一番元気に、そういう演奏ができたらいいかなと思います。頑張りましょう!」
そして迎えた本番。
緊張の中迎えた約7分間の演奏。
先生も子供たちも大満足な、これまでで一番の出来栄えでした。
◆5年生
「目標の39校のなかで一番楽しく、明るくを達成できていたと思います」
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「あの子たちと一緒に、はじめて本気でひとつのことに打ち込んで、人生で一番幸せな瞬間ですね。ありがとうと伝えたい」
そして地元に帰ってきた子供たちに、先生から結果が伝えられます。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「日明小学校、さっき結果見ました。…『金賞』です!」
◆子供たち
「えーーーーーーー!」
「最高!」
「うそでしょ!」
初出場で「金賞」、さらに39校中4校のみが選ばれる「特別賞」を受賞しました。
◆日明小 合唱カンパニー顧問 竹永亮太 先生
「のめり込んでいる何か月間かは、自分が病気ということを忘れるくらい打ち込むことができていたし、定年まで学校の先生は続けたいなと、そのために頑張ろうと前向きな決意に変わりました」
先生と子供たちが一体となって挑んだ大舞台。
先生も、そして子供たちも、ひと回り大きく成長した大会となりました。
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