2022/12/14 10:46
「35年間、母親以外と会話なし」 冷蔵庫に両親の“殺害”遺体 次男が語る“引きこもり生活” 福岡地裁
暮らし
2022/12/14 16:35
福岡市で2021年6月、高齢の両親を殺害し、遺体を冷蔵庫に遺棄した罪に問われている次男(60)の初公判が、14日、福岡地裁で開かれました。
法廷で次男は、犯行の動機や35年続いた引きこもり生活の実態を明らかにしました。
法廷で次男は、犯行の動機や35年続いた引きこもり生活の実態を明らかにしました。
しっかりとした足取りで入廷してきた黒縁メガネの男。
◆裁判長
「名前は?」
◆松本被告
「松本淳二です」
◆裁判長
「職業は?」
◆松本被告
「無職です」
両親を殺害し遺体を遺棄した罪に問われている松本淳二被告(60)です。
◆裁判長
「名前は?」
◆松本被告
「松本淳二です」
◆裁判長
「職業は?」
◆松本被告
「無職です」
両親を殺害し遺体を遺棄した罪に問われている松本淳二被告(60)です。
◆TNCのニュースより(2021年6月29日放送)
「福岡市西区で住宅の冷蔵庫から高齢の男女2人の遺体が見つかりました」
事件が発覚したのは2021年6月。
「福岡市西区で住宅の冷蔵庫から高齢の男女2人の遺体が見つかりました」
事件が発覚したのは2021年6月。
福岡市西区横浜にある元酒店だった住宅で、松本博和さん(88)と、妻の満喜枝さん(87)の遺体が発見されました。遺体が見つかったのは、酒店で使っていた業務用冷蔵庫の中。電源は入っておらず、テープできれいに目張りされていたといいます。
両親と同居していた次男の松本被告は、遺体発見当時、行方が分からなくなっていましたが、それから5日後、事件は急展開します。
◆記者リポート
「男が改札口から出てきました。捜査員に囲まれています」
警察は逃走していた松本被告を死体遺棄の疑いで逮捕したのです。
◆記者リポート
「男が改札口から出てきました。捜査員に囲まれています」
警察は逃走していた松本被告を死体遺棄の疑いで逮捕したのです。
捜査関係者によると、松本被告は両親の遺体を遺棄した後、電車を利用して岩手県まで移動。その後、京都府まで南下する、実に2300キロに及ぶ逃走劇の末、潜伏先だった京都市のホテルにいたところを捜査員が発見しました。
◆記者リポート
「いま松本容疑者がゆっくりと警察車両から出てきました」
その後、松本被告は、父親の博和さんの首を電気コードで絞めて殺害し、遺体を業務用冷蔵庫に遺棄した他、母の満喜枝さんについても首を締めた上で冷蔵庫に閉じ込め窒息死させた罪で起訴されました。
「いま松本容疑者がゆっくりと警察車両から出てきました」
その後、松本被告は、父親の博和さんの首を電気コードで絞めて殺害し、遺体を業務用冷蔵庫に遺棄した他、母の満喜枝さんについても首を締めた上で冷蔵庫に閉じ込め窒息死させた罪で起訴されました。
そして12月14日迎えた、裁判員裁判の初公判。
罪状認否で松本被告は-
◆松本被告
「間違いありません」
はっきりとした声で起訴内容を認めました。
罪状認否で松本被告は-
◆松本被告
「間違いありません」
はっきりとした声で起訴内容を認めました。
一体なぜ、松本被告は凶行に及んだのか?
事件の背景について、検察側は次のように指摘しました。
◆検察側(冒頭陳述より)
「被告人は大学中退後、30年以上はほぼ無職の状態を続けていた」
「引きこもりがちの生活を送る一方、アニメを見るなどの趣味を過ごす時間を大切にしていた」
「2021年初頭から父親は認知症を発症」
「母親が腰椎骨折をした」
「いっそ死んでくれと思うようになった」
「父親からトイレの介助を初めて頼まれた際、鬱積したいらだちが爆発して殺害に至った」
「父親の殺害を目撃した母親についても口封じのため殺害した」
「介護疲れと呼べるものではなく同情すべき点はない」
と、松本被告を断罪。
さらに検察側は、事件後、松本被告が自宅に訪れた介護支援センターの職員に対して「両親はいなくなっている」「行き先はわからない」「警察への相談はまだ様子を見たい」などと言って隠ぺい工作をしていたと指摘しました。
事件の背景について、検察側は次のように指摘しました。
◆検察側(冒頭陳述より)
「被告人は大学中退後、30年以上はほぼ無職の状態を続けていた」
「引きこもりがちの生活を送る一方、アニメを見るなどの趣味を過ごす時間を大切にしていた」
「2021年初頭から父親は認知症を発症」
「母親が腰椎骨折をした」
「いっそ死んでくれと思うようになった」
「父親からトイレの介助を初めて頼まれた際、鬱積したいらだちが爆発して殺害に至った」
「父親の殺害を目撃した母親についても口封じのため殺害した」
「介護疲れと呼べるものではなく同情すべき点はない」
と、松本被告を断罪。
さらに検察側は、事件後、松本被告が自宅に訪れた介護支援センターの職員に対して「両親はいなくなっている」「行き先はわからない」「警察への相談はまだ様子を見たい」などと言って隠ぺい工作をしていたと指摘しました。
一方、弁護側は「被告人は孤独を選ぶ人格障害があり、被告人の行動と障害には関連性がある」「事件の背景や遺族心情を考慮して量刑を判断してほしい」と主張しました。
午後からは被告人質問が行われ、35年間続いた松本被告の引きこもり生活の実態が語られました。
<被告人質問(弁護側)>
◆弁護側
「月々の小遣いはいくら?」
◆松本被告
「もともと3万円、最近は1万円くらい」
◆弁護側
「35年間ずっとその生活?」
◆松本被告
「ほぼそんな感じ」
◆弁護側
「部屋で何をしていた?」
◆松本被告
「漫画を読んだり、テレビやDVD観たり」
◆弁護側
「友人と出かけることは?」
◆松本被告
「ない」
◆弁護側
「35年間1度も?」
◆松本被告
「ない」
◆弁護側
「仲良い友達は?」
◆松本被告
「いない」
◆弁護側
「35年間、1度も母親以外と会話なし?」
◆松本被告
「はい」
◆弁護側
「35年間、父親との会話はほとんどない?」
◆松本被告
「会話と呼べるようなものは無かった」
<被告人質問(弁護側)>
◆弁護側
「月々の小遣いはいくら?」
◆松本被告
「もともと3万円、最近は1万円くらい」
◆弁護側
「35年間ずっとその生活?」
◆松本被告
「ほぼそんな感じ」
◆弁護側
「部屋で何をしていた?」
◆松本被告
「漫画を読んだり、テレビやDVD観たり」
◆弁護側
「友人と出かけることは?」
◆松本被告
「ない」
◆弁護側
「35年間1度も?」
◆松本被告
「ない」
◆弁護側
「仲良い友達は?」
◆松本被告
「いない」
◆弁護側
「35年間、1度も母親以外と会話なし?」
◆松本被告
「はい」
◆弁護側
「35年間、父親との会話はほとんどない?」
◆松本被告
「会話と呼べるようなものは無かった」
さらに松本被告は、両親を殺害したのは「勢い」と語りました。
<被告人質問(弁護側)>
◆弁護側
「トイレの介助だけで殺意が?」
◆松本被告
「積もり積もってきたことが爆発した感じです」
「母の介助で、そもそも手一杯だったので」
◆弁護側
「なぜ殺した?」
◆松本被告
「あの時はブレーキが効かなかった。アクセルを踏み込んでしまって勢い任せのままというか」
◆弁護側
「両親を殺したら今の生活を維持できないと思うけど?」
◆松本被告
「あの時はどうでもいいかな、という気持ちもあった。このまま破綻してもしょうがない」
松本被告は淡々と質問に答え続けました。
松本被告の裁判は12月19日に論告求刑。
判決は年明け1月6日に予定されています。
<被告人質問(弁護側)>
◆弁護側
「トイレの介助だけで殺意が?」
◆松本被告
「積もり積もってきたことが爆発した感じです」
「母の介助で、そもそも手一杯だったので」
◆弁護側
「なぜ殺した?」
◆松本被告
「あの時はブレーキが効かなかった。アクセルを踏み込んでしまって勢い任せのままというか」
◆弁護側
「両親を殺したら今の生活を維持できないと思うけど?」
◆松本被告
「あの時はどうでもいいかな、という気持ちもあった。このまま破綻してもしょうがない」
松本被告は淡々と質問に答え続けました。
松本被告の裁判は12月19日に論告求刑。
判決は年明け1月6日に予定されています。
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