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「座って接客」当たり前になるか 導入しない理由は「なんとなく・特にない」4分の1も 医師は“立ちっぱなし”に警鐘 スタッフの負担軽減・新たな雇用の創出へ

暮らし

2024/09/18 18:30

レジ打ちなどでよく見かける立ち仕事。

この立って行う仕事の負担を減らそうと新たな取り組みが広がりつつあります。



◆ディレクター
「福岡市東区のホームセンターに来ています。こちらでこれまでにない取り組みが始まっているということです」

九州・山口で64店舗を展開するホームセンター。

女性店員がレジで会計をした後、次の客を待っています。



普段通りの光景のように見えますが、実はこの店員を別の角度から見てみると…女性店員は座っていたんです。

このホームセンターでは、9月中旬から県内の5店舗でレジに1台ずつ椅子を設置。

客を待っている間、軽く腰掛けることでレジに立つ店員の負担を軽減したい考えです。



◆グッデイ 店舗運営企画室  池本佳史 室長
「思っている以上にレジでの立ち仕事というところで、腰や足などへの負担が非常にあるという意見がありましたので、そういうところの改善になればと今回導入を決めました」

レジの仕事などで通例となってきた「立ちっぱなし」。

これについて医師は警鐘を鳴らします。



◆高森整形外科・内科 高森義博 院長
「下半身の筋肉が常に収縮している状態になるので、むくみが出たり、血管のこぶができたり、パーツ別で言うと下半身全体、足首から足の裏・膝・腰・首肩、そういったところに負担はかかってくるのかなと思います」

そもそも、厚生労働省の労働安全衛生規則では「就業中しばしば座れる機会がある時は労働者が利用できる椅子を備えなければならない」と定めています。

つまり、椅子の設置を義務づけていますが、導入は進んできませんでした。



こうした状況に風穴を開けようと始まったのが、その名も「座ってイイッスプロジェクト」。

求人情報サイトを運営する会社が全国の企業に向け椅子の設置を呼びかけています。

◆マイナビバイト「座ってイイッスプロジェクト」 南波直樹さん
「プロジェクトメンバーが海外に行く機会があって、海外のスーパーでは座って働いている光景が当たり前だった」



海外と異なり日本では定着してこなかった「座って接客」。

店舗側に「接客中、椅子に座ることを導入しない理由」について調査したところ、最も多かったのは「客の印象悪化を防ぐため」。

そして「なんとなく・特に理由はない」との回答も4分の1を超えました。



◆マイナビバイト「座ってイイッスプロジェクト」 南波直樹さん
「何となくや今までそうだったからなど、そういった当たり前の慣習はこういったきっかけがあればもしかしたら変わっていける部分も日本の中でまだまだ他にもあるのかなと思っております」

プロジェクトに賛同し椅子を設置した福岡市のホームセンター。

懸念していた「客の目」は果たして…。



◆来店客の男性
「レジ?分からないです」

Q.いつも立ってるんですけど
◆来店客の男性
「あ!座ってるんですね。あー見えないです、座っているようには。不快には感じないですね」

◆来店客の男性
「今まで座ったのは見たことないですもんね。お客さんがいない時はいいんじゃないですか。気にはならないですよ」

◆来店客の女性
「ずっと立って待ってるのも辛いだろうなと思うから、もっと広がればいいと思います」

皆さん、座りながらの接客に理解を示しています。



一方、スタッフはというと…

◆レジ歴 約4年 松本昭代さん(52)
「その時の調子も腰が痛いとかもあるので、そういうときは楽かなって思いますね。なんとなくずっと立ってなければいけないという感じがあるので、安心感はいただけるのかなと思います。ただ慣れていないので、私たちが」

レジ歴20年以上というベテランの女性店員は…

◆レジ歴20年以上 前山春美さん(69)
「ずっとこの仕事ですから慣れています。あまり立ち仕事に対しての負担はないです」

これまでしてこなかった立つ・座るの繰り返しがかえって不便だといいます。

◆レジ歴20年以上 前山春美さん(69)
「座って立つというのがちょっと違和感あります。結構動くんですよ。ここ出たりするので、ちょっと狭いから出にくい。慣れていないからかもしれないけど、個人的には(椅子が)ない方が良い」

まだ導入から間もないため戸惑う店員もいますが、この店では職場環境の改善により新たな雇用の創出にもつながると期待を寄せています。



◆グッデイ 店舗運営企画室  池本佳史 室長
「レジなどの業務をしたいけれども、どうしても腰や足が痛いなどで狭まっていた選択肢を広げることで、働けなかった方々に椅子を利用して働けるというのを一度体験していただけたらなと思います」

「座って接客」が今後客と店の双方にとって「当たり前」になるのか。

これからのプロジェクトの広がりに注目です。
レジ打ちなどでよく見かける立ち仕事。

この立って行う仕事の負担を減らそうと新たな取り組みが広がりつつあります。
◆ディレクター
「福岡市東区のホームセンターに来ています。こちらでこれまでにない取り組みが始まっているということです」

九州・山口で64店舗を展開するホームセンター。

女性店員がレジで会計をした後、次の客を待っています。
普段通りの光景のように見えますが、実はこの店員を別の角度から見てみると…女性店員は座っていたんです。

このホームセンターでは、9月中旬から県内の5店舗でレジに1台ずつ椅子を設置。

客を待っている間、軽く腰掛けることでレジに立つ店員の負担を軽減したい考えです。
◆グッデイ 店舗運営企画室  池本佳史 室長
「思っている以上にレジでの立ち仕事というところで、腰や足などへの負担が非常にあるという意見がありましたので、そういうところの改善になればと今回導入を決めました」

レジの仕事などで通例となってきた「立ちっぱなし」。

これについて医師は警鐘を鳴らします。
◆高森整形外科・内科 高森義博 院長
「下半身の筋肉が常に収縮している状態になるので、むくみが出たり、血管のこぶができたり、パーツ別で言うと下半身全体、足首から足の裏・膝・腰・首肩、そういったところに負担はかかってくるのかなと思います」

そもそも、厚生労働省の労働安全衛生規則では「就業中しばしば座れる機会がある時は労働者が利用できる椅子を備えなければならない」と定めています。

つまり、椅子の設置を義務づけていますが、導入は進んできませんでした。
こうした状況に風穴を開けようと始まったのが、その名も「座ってイイッスプロジェクト」。

求人情報サイトを運営する会社が全国の企業に向け椅子の設置を呼びかけています。

◆マイナビバイト「座ってイイッスプロジェクト」 南波直樹さん
「プロジェクトメンバーが海外に行く機会があって、海外のスーパーでは座って働いている光景が当たり前だった」
海外と異なり日本では定着してこなかった「座って接客」。

店舗側に「接客中、椅子に座ることを導入しない理由」について調査したところ、最も多かったのは「客の印象悪化を防ぐため」。

そして「なんとなく・特に理由はない」との回答も4分の1を超えました。
◆マイナビバイト「座ってイイッスプロジェクト」 南波直樹さん
「何となくや今までそうだったからなど、そういった当たり前の慣習はこういったきっかけがあればもしかしたら変わっていける部分も日本の中でまだまだ他にもあるのかなと思っております」

プロジェクトに賛同し椅子を設置した福岡市のホームセンター。

懸念していた「客の目」は果たして…。
◆来店客の男性
「レジ?分からないです」

Q.いつも立ってるんですけど
◆来店客の男性
「あ!座ってるんですね。あー見えないです、座っているようには。不快には感じないですね」

◆来店客の男性
「今まで座ったのは見たことないですもんね。お客さんがいない時はいいんじゃないですか。気にはならないですよ」

◆来店客の女性
「ずっと立って待ってるのも辛いだろうなと思うから、もっと広がればいいと思います」

皆さん、座りながらの接客に理解を示しています。
一方、スタッフはというと…

◆レジ歴 約4年 松本昭代さん(52)
「その時の調子も腰が痛いとかもあるので、そういうときは楽かなって思いますね。なんとなくずっと立ってなければいけないという感じがあるので、安心感はいただけるのかなと思います。ただ慣れていないので、私たちが」

レジ歴20年以上というベテランの女性店員は…

◆レジ歴20年以上 前山春美さん(69)
「ずっとこの仕事ですから慣れています。あまり立ち仕事に対しての負担はないです」

これまでしてこなかった立つ・座るの繰り返しがかえって不便だといいます。

◆レジ歴20年以上 前山春美さん(69)
「座って立つというのがちょっと違和感あります。結構動くんですよ。ここ出たりするので、ちょっと狭いから出にくい。慣れていないからかもしれないけど、個人的には(椅子が)ない方が良い」

まだ導入から間もないため戸惑う店員もいますが、この店では職場環境の改善により新たな雇用の創出にもつながると期待を寄せています。
◆グッデイ 店舗運営企画室  池本佳史 室長
「レジなどの業務をしたいけれども、どうしても腰や足が痛いなどで狭まっていた選択肢を広げることで、働けなかった方々に椅子を利用して働けるというのを一度体験していただけたらなと思います」

「座って接客」が今後客と店の双方にとって「当たり前」になるのか。

これからのプロジェクトの広がりに注目です。

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