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知床観光船事故から3年 厳罰化も…繰り返される“安全軽視” 事故教訓に対策進める事業者も 福岡

事件・事故

7時間前

北海道の知床半島沖の観光船沈没事故から4月23日で3年です。

事故を教訓として進む観光船の安全対策とはー

福岡の運航会社を取材しました。
23日、事故が起きた北海道斜里町では大勢の人が犠牲者を悼みました。

26人が乗船し沈没した観光船。

福岡出身の男性2人を含む20人が死亡、6人が行方不明のままです。

当時7歳の男の子もその1人、知床を観光し、母親と一緒に船に乗ったまま行方不明となりました。

◆乗客の家族
「誕生日おめでとう、8歳おめでとうって、本当だったら2人と一緒に誕生日のお祝いをしていたと思う」

この痛ましい事故を受け、国は2023年6月、海上運送法を改正。

違反した事業者に最大1億円の罰金を科すなど厳罰化をはかりました。

しかしー
◆記者リポート(去年10月)
「データの不正改ざんが行われたクイーンビートルに家宅捜索が入りました」

福岡と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」が浸水を隠して運航し、今年4月、JR九州高速船と当時の社長らが海上運送法違反の疑いで書類送検されました。
知床の事故を経ても繰り返される安全を軽視した船の運航。

事故の教訓は生かされているのか。

23日に訪ねたのは、安全対策の強化を進める福岡県糸島市の観光船運航会社です。
◆芥屋大門観光社 吉村次男 社長
「船も損傷することはある。しかしその都度、確実に補修しないといけない。船長とエンジンの音や船体に異常がないか確実に確認している」

国の天然記念物の巨大な洞窟「芥屋の大門」をめぐる観光船を運航していて、インバウンド需要も追い風に、年間約3万人が利用しています。
Q.何人乗り?
◆芥屋大門観光社 吉村次男 社長
「定員20人。運航前に乗客全員にライフジャケットを身に着けさせている」

こちらの観光船では、知床の事故以降、ライフジャケットを水に浸かると自動で膨らむものに切り替えました。

23日は雨が降り、海は時化模様。

事故を教訓に厳格な運航判断をしているといいます。

◆芥屋大門観光社 吉村次男 社長
「今は厳しく安全基準をつけている。それにのっとって、きょうは欠航にしようと判断した」
安全対策はほかにも。

船主部分にあるハッチを開けると…

Q.これはエンジン?
◆芥屋大門観光社 吉村次男 社長
「エンジン。この中に海水が入ると、ここでアウトになる」
トラブルが起きた際、機関室を覆う蓋が外れて浸水しないよう、金具を取り付けます。

さらに金具を紐で縛り、万が一にも蓋が外れないように固定します。
またこちらの会社では、国から義務付けられた衛星電話に加え、無線設備も導入しました。

◆芥屋大門観光社 吉村次男 社長
「(知床の)事故以来、常に考えているのは安心安全。お客様の目線でいろんなことを考えていこうというのがうちの会社の方針です」

乗客乗員の命を守るための安全対策。

事業者の真摯な姿勢が強く求められています。

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