2022/07/25 20:45
【独自】「あのとき、思いとどまっていれば…」 女性刺殺事件の17歳少年 判決後に記者に語った心境
暮らし
2022/07/27 16:10
2020年に福岡市の商業施設で起きた女性刺殺事件の裁判員裁判で、7月25日、少年(17)に懲役10年以上15年以下の不定期刑判決が言い渡されました。
判決から2日経った27日、少年はTNCの記者との接見に応じ、判決への受け止めを語り、初めて後悔の言葉を口にしました。
****************
<福岡拘置所 27日>
◆記者「弁護士と話しはした?」
◆少年「今の所すぐに答えを出さなくていいと。2週間の間に答えを出せばいいという話になりました」
少年は記者の目を真っ直ぐ見ながらこれまで通り淡々と答えました。
****************
一審判決によると、当時15歳だった少年は2020年8月、福岡市の商業施設の女性用トイレで、買い物に訪れていた面識のない女性(当時21)を包丁で多数回刺して殺害しました。
25日の判決公判で、福岡地裁の武林仁美裁判長は「非常に凶悪な犯行」で「人格的な未熟さや成育歴などを理由に保護処分を受けることは社会的に許容し難い」と指摘。
「現時点で再犯のおそれが大きいといわざるを得ない」「被告人の根深い問題の改善には相当の長期間を要する」として、検察側の求刑通り、少年に懲役10年以上15年以下の不定期刑を言い渡しました。
*****************
<福岡拘置所 27日>
◆記者「10~15年と言われた、判決はどう思った?」
◆少年「そんぐらいの行いをしたと感じました」
◆記者「判決は妥当だなと?」
◆少年「妥当だとか、中々言える立場ではないかなと」
◆記者「判決を聞いた時ショックとか怒りは?」
◆少年「判決を聞いて真摯に受け止めたいと自分は思っていたので、ショックとか怒ったりとかいう感情は無く落ち着いた状態でした」
*****************
<判決公判 25日>
裁判長は判決を言い渡した後、少年に次のように言葉を投げかけました。
◆裁判長「あなたは変わらないといけないと思う。長い年月で被害者や遺族に正面から向き合って、心からの謝罪の気持ちを持てるよう信じています」
少年は裁判長の言葉を聞き終えても言葉を発することはありませんでした。
******************
<福岡拘置所 27日>
◆記者「裁判長の最後の言葉に返事や意見をしなかったのはなぜ?」
◆少年「表面上、うわべだけで言うのはあれかなと思って。特に言葉にはしなかったです」
しかし少年は、事件後何度も接見を重ねてきた記者に初めて後悔を口にしました。
◆少年「事実を受け止めたいと思いました」
「今回のようなことを起こしたことについてあのときに思いとどまっていればという気持ちでした」
ところが法廷での少年は、「遺族のことを考えたことがない」「謝罪の意味がわからない」などと被害者遺族の感情を逆なでする発言を繰り返し、未だに遺族への謝罪の言葉すら口にしていません。
*****************
<判決後の会見 25日>
判決後の会見で殺害された被害女性の母親と叔母はー。
◆母親「2年間、時間がある中で、まともな答えが1つもなかったというのが…」
◆叔母「判決の時も犯人が見えていた」
◆母親「背伸びしたり、あくびしたり」
◆叔母「全然反省している様子がない」
◆母親「全部がおかしいですよ。一番悔しかったのは、被告人の言葉で『謝罪の意味がわからない』と。あれは…本当に私言葉は悪いけど、そこから突き刺してやろうかなと思うくらい悔しかったです。『遺族の気持ちを考えたか?』(との問いに、少年は)『考えてない』。全てが全てが全てが全部が…この悔しさって…むなしい…」
*****************
<福岡拘置所 27日>
◆記者「背伸びとかあくびとか、なんでそんなことしたの?」
◆少年「眠れなくて…判決の前気を集中していたので…つい気が緩んでしまってああいう風にしてしまいました」
「無意識とはいえ、ダメな態度をとったなと思います」
◆記者「遺族にはいつになったら謝罪ができる?」
◆少年「まだ2年という短い期間なので安易な言葉とかはかけられない。そんなに長くかからない内に言葉をかけられる状態にしたいと思います」
◆記者「人を殺したこととはどう向き合っている?」
◆少年「人をあやめたことについては全てを奪ってめちゃくちゃにしてしまって…。生きることはどういうことなのか、被害者に対して、生きることはどういうことなのかと感じてます」
◆記者「殺したことではなくて、生きることを考えている?」
◆少年「被害者の方が苦労して生きてきたこと、苦労とかつらい体験とかをして、成人して、これまで積み上げてきたものとかを考えています」
◆記者「殺してしまった人に対してかける言葉は?」
◆少年「安易に言葉をかけられる資格はまだないので」
◆記者「少年院の方が更生する可能性は高いと言っていたけど、更生はできると思う?」
◆少年「検察側の証人がいうには、少年刑務所にも治療的な精神療法もあるという話をしていたので、少年刑務所だからといって更生できないとは思わないですし、本人次第だと思います」
◆記者「仮に少年刑務所とすると、どういう生活を?」
◆少年「作業とかが始まったらしっかりと丁寧にしたい。余り時間があれば、勉強だとか、言葉の勉強、漢字だとか、しっかりと勉強して時間を無駄にしないようにしたいと思います」
◆記者「何をしたら更生できると思う?」
◆少年「5年以内に再犯をしないことだと、自分では思っています。何か事件とか犯罪をおかさないということ。更生というのは二度と犯罪を繰り返さないで、まっとうに自分がやったことを受け止めて償うために、1日1日をまっとうに過ごすことが更生かなと」
◆記者「刑務所に入ったとして、出てきたら何がしたい?」
◆少年「何がしたいとかを考える前に、生活費とか、生活を安定させることに集中したいなと。先に何か自分がしたいことをやることはよくないと思っていて。先に生活を安定させることを集中したいです」
◆記者「かんしゃくを起こす自分は、思うだけで改善できる?」
◆少年「気が短いとかは、ずっと悪いクセやと思っていたので、時間をかけて直していけたらと思います」
◆記者「かんしゃくをなくすには何が大事?」
◆少年「治療とか、誰かと話しをして、どういう風に考えていくか、色んな見方で話しあっていくことで、かんしゃくを起こすとかは直したいと思います」
◆記者「社会に出た時人を殺したり犯罪をしない自信は?」
◆少年「絶対に犯罪しないという気持ちはあります」
◆記者「再犯しないと約束できる?」
◆少年「できます」
*****************
記者が投げかけた最後の問いに即答した17歳の少年。
控訴するかどうかについては、「2週間の猶予の中でじっくりと考えたい」と静かに話しました。
判決から2日経った27日、少年はTNCの記者との接見に応じ、判決への受け止めを語り、初めて後悔の言葉を口にしました。
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<福岡拘置所 27日>
◆記者「弁護士と話しはした?」
◆少年「今の所すぐに答えを出さなくていいと。2週間の間に答えを出せばいいという話になりました」
少年は記者の目を真っ直ぐ見ながらこれまで通り淡々と答えました。
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一審判決によると、当時15歳だった少年は2020年8月、福岡市の商業施設の女性用トイレで、買い物に訪れていた面識のない女性(当時21)を包丁で多数回刺して殺害しました。
25日の判決公判で、福岡地裁の武林仁美裁判長は「非常に凶悪な犯行」で「人格的な未熟さや成育歴などを理由に保護処分を受けることは社会的に許容し難い」と指摘。
「現時点で再犯のおそれが大きいといわざるを得ない」「被告人の根深い問題の改善には相当の長期間を要する」として、検察側の求刑通り、少年に懲役10年以上15年以下の不定期刑を言い渡しました。
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<福岡拘置所 27日>
◆記者「10~15年と言われた、判決はどう思った?」
◆少年「そんぐらいの行いをしたと感じました」
◆記者「判決は妥当だなと?」
◆少年「妥当だとか、中々言える立場ではないかなと」
◆記者「判決を聞いた時ショックとか怒りは?」
◆少年「判決を聞いて真摯に受け止めたいと自分は思っていたので、ショックとか怒ったりとかいう感情は無く落ち着いた状態でした」
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<判決公判 25日>
裁判長は判決を言い渡した後、少年に次のように言葉を投げかけました。
◆裁判長「あなたは変わらないといけないと思う。長い年月で被害者や遺族に正面から向き合って、心からの謝罪の気持ちを持てるよう信じています」
少年は裁判長の言葉を聞き終えても言葉を発することはありませんでした。
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<福岡拘置所 27日>
◆記者「裁判長の最後の言葉に返事や意見をしなかったのはなぜ?」
◆少年「表面上、うわべだけで言うのはあれかなと思って。特に言葉にはしなかったです」
しかし少年は、事件後何度も接見を重ねてきた記者に初めて後悔を口にしました。
◆少年「事実を受け止めたいと思いました」
「今回のようなことを起こしたことについてあのときに思いとどまっていればという気持ちでした」
ところが法廷での少年は、「遺族のことを考えたことがない」「謝罪の意味がわからない」などと被害者遺族の感情を逆なでする発言を繰り返し、未だに遺族への謝罪の言葉すら口にしていません。
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<判決後の会見 25日>
判決後の会見で殺害された被害女性の母親と叔母はー。
◆母親「2年間、時間がある中で、まともな答えが1つもなかったというのが…」
◆叔母「判決の時も犯人が見えていた」
◆母親「背伸びしたり、あくびしたり」
◆叔母「全然反省している様子がない」
◆母親「全部がおかしいですよ。一番悔しかったのは、被告人の言葉で『謝罪の意味がわからない』と。あれは…本当に私言葉は悪いけど、そこから突き刺してやろうかなと思うくらい悔しかったです。『遺族の気持ちを考えたか?』(との問いに、少年は)『考えてない』。全てが全てが全てが全部が…この悔しさって…むなしい…」
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<福岡拘置所 27日>
◆記者「背伸びとかあくびとか、なんでそんなことしたの?」
◆少年「眠れなくて…判決の前気を集中していたので…つい気が緩んでしまってああいう風にしてしまいました」
「無意識とはいえ、ダメな態度をとったなと思います」
◆記者「遺族にはいつになったら謝罪ができる?」
◆少年「まだ2年という短い期間なので安易な言葉とかはかけられない。そんなに長くかからない内に言葉をかけられる状態にしたいと思います」
◆記者「人を殺したこととはどう向き合っている?」
◆少年「人をあやめたことについては全てを奪ってめちゃくちゃにしてしまって…。生きることはどういうことなのか、被害者に対して、生きることはどういうことなのかと感じてます」
◆記者「殺したことではなくて、生きることを考えている?」
◆少年「被害者の方が苦労して生きてきたこと、苦労とかつらい体験とかをして、成人して、これまで積み上げてきたものとかを考えています」
◆記者「殺してしまった人に対してかける言葉は?」
◆少年「安易に言葉をかけられる資格はまだないので」
◆記者「少年院の方が更生する可能性は高いと言っていたけど、更生はできると思う?」
◆少年「検察側の証人がいうには、少年刑務所にも治療的な精神療法もあるという話をしていたので、少年刑務所だからといって更生できないとは思わないですし、本人次第だと思います」
◆記者「仮に少年刑務所とすると、どういう生活を?」
◆少年「作業とかが始まったらしっかりと丁寧にしたい。余り時間があれば、勉強だとか、言葉の勉強、漢字だとか、しっかりと勉強して時間を無駄にしないようにしたいと思います」
◆記者「何をしたら更生できると思う?」
◆少年「5年以内に再犯をしないことだと、自分では思っています。何か事件とか犯罪をおかさないということ。更生というのは二度と犯罪を繰り返さないで、まっとうに自分がやったことを受け止めて償うために、1日1日をまっとうに過ごすことが更生かなと」
◆記者「刑務所に入ったとして、出てきたら何がしたい?」
◆少年「何がしたいとかを考える前に、生活費とか、生活を安定させることに集中したいなと。先に何か自分がしたいことをやることはよくないと思っていて。先に生活を安定させることを集中したいです」
◆記者「かんしゃくを起こす自分は、思うだけで改善できる?」
◆少年「気が短いとかは、ずっと悪いクセやと思っていたので、時間をかけて直していけたらと思います」
◆記者「かんしゃくをなくすには何が大事?」
◆少年「治療とか、誰かと話しをして、どういう風に考えていくか、色んな見方で話しあっていくことで、かんしゃくを起こすとかは直したいと思います」
◆記者「社会に出た時人を殺したり犯罪をしない自信は?」
◆少年「絶対に犯罪しないという気持ちはあります」
◆記者「再犯しないと約束できる?」
◆少年「できます」
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記者が投げかけた最後の問いに即答した17歳の少年。
控訴するかどうかについては、「2週間の猶予の中でじっくりと考えたい」と静かに話しました。
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