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米高騰 “消えた21万トン”の背景に業者の買い占めか 「備蓄米」放出で騒動収束に期待 「3~4割安いところまで一気に下げていく」

暮らし

2025/02/12 17:00

去年から続く米の高値。

いわゆる『令和の米騒動』はいつになったら収束するのでしょうか。

米の販売店への取材で見えてきた価格高騰の背景。

そして国が計画する備蓄米放出の効果は?
旦過市場に店舗を構える人気のおむすび店「米夢マイム」。

からっと揚がったぷりっぷりのエビを、ほっくほくのごはんで包み込んだ「海老天むす」。

長く親しまれてきた人気商品です。
◆米夢マイム 中尾憲二さん
「日本人はお米を食べないと生きていけないので」

店主の中尾さんは去年の夏以降、「令和の米騒動」として問題となっている米不足に頭を悩ませています。

◆米夢マイム 中尾憲二さん
「去年の秋の新米から原価ベースで約1.5倍(高い)。『令和の米騒動』をなんとか乗り切らないといけないなと思っています」

去年2月に米5キロあたりの値段は2018円でしたが、今年1月には3650円と、新米が出荷された後も1600円以上上昇。

価格高騰はとどまるところを知りません。
福岡市内の米販売店を訪ねると…

◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉さん
「この辺りが米の倉庫になるんですけど、例年ですと満杯に隙間なく詰まっているような状況」

米の倉庫は例年に比べスカスカに…

この販売店では、販売量を1人5キロに制限しているといいます。

すでに在庫切れとなった銘柄もあるほか、サンプルとして台湾から輸入した米も置かれています。
◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉さん
「一米屋がどうにかできる状況はとうに超えている」

米の高値が続く中、肩を落とす店主。

そんな中、訪れた客は、ある出来事を思い出していました。

◆訪れた客
「あの時も米が高かった、っていうか入らなかったよね」

◆従業員
「平成?平成の時」

1993年から1994年にかけて、全国的な天候不良による凶作で、未曾有の米不足にー

カリフォルニア米やタイ米が店頭に並びました。

「平成の米騒動」と同様の事態となるのか。

農林水産省によりますと、去年の米の生産量は前年より約18万トン増えたといいます。

しかし、集荷業者が集めた量は21万トン減っていたのです。

この「消えた21万トン」について、福岡の米販売店は…

◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉さん
「『平成の米騒動』よりも、米の価格だけを見ればひどい状況になっている。どこの業者さんも買い込みをされているのは間違いない」
農林水産省も、新規で参入した業者が米を買い込んでいる可能性があるとして調査を始めています。

◆江藤拓 農水相(1月31日)
「米はあると、どこかにストックしていると考えざるを得ない」

こうした中、12日午前、報道陣が集まったのは、国が米を備蓄する貯蔵庫です。

国は、災害や不作などの緊急時に備え、政府が保有している米「備蓄米」の放出を決めていて、14日、その概要を発表する方針です。
農産物の流通に詳しい専門家は、放出される備蓄米の量によっては、早ければ3月の末にも効果が見えてくると指摘します。

◆日本総合研究所 三輪泰史さん
「今から3~4割安いところまで一気に下げていくという形になります。3月末~4月ぐらいには備蓄米を大胆に放出した効果というのが実感できる状況になるかなという風に思います」

備蓄米の放出がどこまで価格の安定に結び付くのか。

その行方が注目されます。

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