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悲劇のV逸から日本一へ CS初采配のソフトバンク藤本監督が警戒する第1の天敵「山川へはOK」

ホークス

2022/10/07 14:00

 就任1年目でクライマックスシリーズ(CS)初采配となるソフトバンクの藤本博史監督が7日、一戦必勝の姿勢を改めて強調した。

 パ・リーグ全日程最終日に逆転で優勝をさらわれてから5日。戦績、勝率はオリックスと全く同じながら今季の直接対決の結果により2位に甘んじた「史上初」の悲劇のショックも消えない中、藤本監督の目はしっかりと2年ぶりの日本一へつながる道を見つめていた。

 「開き直ってやる。悔しい気持ちは当然持ってるけど、ずるずる引きずっても仕方ないからね」

 8日に始まるファーストステージ(S)の相手はリーグ3位の西武。今季対戦成績は14勝10敗1分けと勝ち越しているものの最後の2試合はいずれも敵地で黒星だった。9月27日は山川に先制2ランを許すなどして完敗。勝つか引き分けで優勝が決まっていた10月1日は延長11回、不動のセットアッパー藤井が山川にサヨナラ2ランを浴び今季初黒星。バッテリーを組んでいた海野とともに涙を流すシーンが象徴する衝撃的な1敗となった。

 藤本監督はこの山川に対し、改めて警戒警報を発令した。

 「森と山川、この2人に打たれて負けた試合がだいぶあるから要注意。森と山川の前にランナーを出さないのが大事。ヒットを打たれることは仕方ない。フォアボールの走者を出してその2人に回ると嫌な感じがする。投手は攻めて攻めて、ゾーンの中で戦ってもらえたら」

 山川は今季41本塁打、90打点の2冠。打線の中軸を担う森とともに警戒するのは当然といえば当然だが、今季の対戦成績がその警戒度を増幅させる。山川のソフトバンク戦での打率3割2分9厘、20打点は自身のカード別で最高の数字。西武の10勝のうち山川が決勝打を放ったのは6試合(ペイペイドーム4試合)、そのうち5試合は本塁打によるものだった。
 
 ソフトバンク投手陣の今季与四球は12球団最多の474。藤本監督は「マウンドに行ったピッチャーは思い切ってゾーンの中に投げ込んでくれたら」と強く促しながらも、例外として「逃げて逃げてではなく攻めて攻めてゾーンに投げて、その中でなら特に山川に対してのフォアボールはOKじゃないか」と条件つきで四球を容認する姿勢を示した。

 ソフトバンクは2019年のCSファーストS第2戦から日本シリーズを含めたポストシーズンでプロ野球最長の16連勝中。CSの西武戦はプレーオフ時代の06年を含め5度連続で勝ち上がっている。これらの好データは過去のものとして、初めて短期決戦で指揮を執る藤本監督は「負けたら終わりのトーナメントと同じ。使う側も思い切って(選手を)代えていきたい」と言い切った。

 本拠地ペイペイドームでの今季勝率は6割6厘。本拠地で戦ったCSのステージ敗退は10年が最後で11年以降は8連続で次ステージへ進出または突破している。満員の4万人近いファンで埋まることが予想されるスタンドの後押しを受け、オリックスが待つ京セラドーム大阪へ行くことができるか。CS第1の天敵である「山川封じ」が成功すればその確率は一気に高くなる。

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