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Youtubeおすすめ動画の投手がソフトバンク3位 「史上最多6人指名」富士大監督が見抜いた才能

ホークス

5時間前

今年のドラフト会議で「東北の雄」が注目を集めた。岩手県花巻市にある富士大から指名されたのは6人。同一年のドラフトで1チームから指名された選手の数で史上最多だった。福岡ソフトバンクからドラフト3位指名された安徳駿(あんとく・しゅん=22)投手もその一人だ。

「入学した時はプロに行けるとは思っていなかったけど、高いレベルで切磋琢磨できた。生まれ育った福岡で野球ができれば良いと思っていたので、願いがかなって良かった」。大学の4年間で飛躍を遂げた右腕は、地元球団からの指名に胸を高鳴らせた。

「YouTubeと(富士大)安田監督に感謝です」

富士大進学のきっかけは、安田慎太郎監督(39)の目に留まった一つの動画だった。福岡・久留米商時代は2年夏からエース格。もっとも球速は最速130キロ台と全国的には無名な存在だった。3年になる2020年の春からコロナ禍に見舞われ、その年の夏の甲子園は中止になった。「安田監督もスカウティング活動ができなかったそうで、YouTubeを見ていたときにたまたま僕がおすすめ動画で出てきたみたいです。ボークで点を取られている試合だったと思うんですけど…」。不完全燃焼のまま高校野球生活を終えた安徳に手を差し伸べたのが、安田監督だった。

「100人以上(動画を)見ましたよ。その中で直感が働きました。球速が上がればプロに行けるなと」

安田監督は安徳との"出会い"をそう振り返る。球場スタンドからアマチュアカメラマンが撮影した動画から才能を見極めるのは至難の業。決して鮮明な映像とはいえなかったが、確信があった。「投手であれば指先のかかりの良さと投球フォームのバランスを見るけど、安徳はそこが抜群だった」

選手を見いだす目には「直感」という言葉を使ったものの、育成に関しては明確な指針がある。「除脂肪体重を増やせば、球速も飛距離も伸びる。これはデータから出ていること。データが一番」。筋量が増えればおのずとパフォーマンスは上がる。そのために、トレーニングは徹底的に数値で管理する。成長のために常に全力を出さなければならない環境をつくるという意味でも、大学が降雪地帯にあることは「トレーニングだけに集中できるのは大きい」とプラスだという。

安徳の球速は入学時から15キロ近く上がり、最速は152キロに達した。「ワンバウンドすると思ったボールがストライクになる直球は一級品」。同じドラフトでオリックスから1位指名された麦谷祐介外野手(22)も驚くストレートだが、安田監督は発展途上を強調する。

「骨の長さに対してまだ筋量が少ないので、これから伸びる余地は十分。155キロとか150キロ台終盤までスピードが出るようになればプロでも面白い」

一つの動画、ワンクリックで動き出した運命。東北の地で予言通りに成長を遂げた右腕が、故郷に戻りプロとして新たな扉を開く。(鎌田真一郎)

※Youtube「ももスポチャンネル」で配信中

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