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ソフトバンク孫オーナーを動かした「大谷翔平の活躍」 4年ぶり日本一へ出陣...その先にある世界一

ホークス

4時間前

プロ野球の日本シリーズとメジャーリーグのワールドシリーズ。同じタイミングで日米球界の「頂上決戦」が幕を開ける。いよいよ大詰めを迎える2024年シーズン、主役は間違いなく大谷翔平だった。

本塁打、打点のタイトルに加え史上初の50-50(同一シーズンでの50本塁打&50盗塁)を達成、さらには最終戦まで三冠王の可能性を残すという異次元の活躍は筆舌に尽くしがたい。「世界一」を求め歴史的な大型契約でドジャースに移籍、その1年目にいきなりワールドシリーズでヤンキースとの対戦が実現した。東西の名門球団が頂上決戦で相まみえるのは実に43年ぶりのことだ。

そんな大谷翔平の姿を、4年ぶりの日本一を目指してDeNAとの日本シリーズに出場するソフトバンクの孫正義オーナーも注視しているという。米メディアが「ユニコーン」とも称する無双ぶり。その背景に最先端技術の活用があると知り、積極的に自チームにも採り入れた。「大谷選手の活躍をきっかけに孫オーナーがチームに導入しよう、ということになった」。球団のデータサイエンス担当者がそう説明するマシンが「トラジェクトアーク」だ。
 
ソフトバンクは昨年、個別の投手が投げるボールの回転数や変化量を忠実に再現できる打撃練習用マシン「アイピッチ」を導入した。打者の全体的なレベルアップを支えたが、今年採用したトラジェクトアークはさらにジャイロ成分(回転効率)を反映させることもできる。マシンに備わる画面には実際の投球モーションが映し出され、極めて再現性の高い球質の“コピー”が可能となった。
 
ただ、このマシンを使いこなすには、専門性の高い「頭脳」が必要となる。ソフトバンクの小山亮チーム戦略室長は「専門性の高いスペシャリストがいることが、うちの強み」と語る。最先端の技術を導入するだけではなく、それを使いこなす人材もそろえる。これにより、初めて成果が出るという。

トラジェクトアークにはまず、各投手のデータ入力が必要になる。投手が投げた球種ごとのベストボールを抽出し、実際の投球モーションにひもづける。作業上の負担が増してもベストボールを探し出すのは、実際に打席に立った際に選手が「想像以上のボールだ」と驚いたり、差し込まれないようにしたりするためだ。
 
さらに、入力したデータ通りの球筋に安定させるために一つの球種につき10球程度のデモンストレーションを繰り返す。城所収二R&Dチーフは「最初はとにかく“投げ込み”が必要」と強調する。ソフトバンクがこのマシンを設置したのは6月ごろ、実際に使えるようになったのは8月だった。

リース料は3年でおよそ1億円という最新鋭のマシン。今年はシーズン途中ということもありファーム施設への導入にとどめたが、来季は本拠地のみずほペイペイドームでも稼働予定という。就任1年目で4年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた小久保裕紀監督が掲げる大きなテーマは王イズムの継承、そして最先端技術の活用。2005年の球界参入以来、一貫したスローガン「めざせ!世界一」を掲げるソフトバンクは、常勝軍団再建へ揺るぎない信念で“補強”を進める。(鎌田真一郎)

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