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スーパーの米価格18週ぶり値下がり 生産現場では飼料用から主食用に転換の動きも 肥料など値上がりで「ようやく採算ライン」 福岡

暮らし

5時間前

政府の備蓄米放出も、なかなか値段が下がらない米。

その影響は福岡での生産や流通の現場にも及んでいます。



収穫の早い早場米の生産が盛んな福岡県築上町。

農業法人として約40ヘクタールの作付面積を持つ原博文さんの水田でも、4月半ばから始めた田植えが本格化しています。



◆米生産者 原博文さん
「これは『夢つくし』という品種の苗です。今年は米不足もありまして、飼料用米を主食用米に変えました」

Q.主食用米を作った方が値段もいい?
◆米生産者 原博文さん
「収入も違いますね、全然」

飼料用米はニワトリやブタなど家畜の餌に加工される米で、原さんは去年、約25トンを生産しましたが、今年はその8割を主食用の「夢つくし」に転換しました。



背景にあるのは、価格の高騰をもたらしている米不足です。

全国のスーパーでの米の平均価格は、4月末時点で5キロあたり4233円。

17週連続で前週を上回り、去年の同じ時期の2倍を超えています。

原さんの水田では、飼料用から主食用への転換で20トン分の米が増産できる計算ですが、JAのほか九州各地の業者からの相次ぐ引き合いに応えきれないのが実情です。



地域で生産された米が集まる農業倉庫で、低温に保たれた貯蔵庫の中を見せてもらうと…。

◆JA福岡京築 西村仁さん
「例年だったらこちら側は埋まるくらい(米の在庫が)あるんですけど、今年の状況はほとんど米がないような状態」

例年なら天井の高さの半分ほどまで積み上がっているという在庫が、数える程しかありません。

より高い値段を提示する業者に買い負けて、生産者から米を集めるのにも苦労しています。



◆JA福岡京築 西村仁さん
「かなりの業者が(生産者の元へ)直接取引に行っているみたいで、JAの価格より高い金額で提示されてるところもありまして、なかなか農協に出荷がないという状況ではあります。生産者も生活がかかっていますので、経営がうまくいくようなところ、(買取価格が)高いところで少しでも出したいというのがある」

業者との直接取引が増えた結果、本来地元で消費する分の米も県外に流れているといいます。

このためJA福岡京築は、去年生産された米の買い取り価格について当初60キロあたり約1万6000円としていた概算金を段階的に2万1600円まで積み増したほか、今年の概算金についても2万2000円に引き上げて確保に努める方針です。



少ない在庫を取り合う形で高まった米の買い取り価格ですが、生産者が潤っているかというと、そうではありません。

◆米生産者 原博文さん
「肥料・燃料・機械代、それからロータリーの爪など(農機の)消耗品も全て値上りしてますんで。以前は(稲作の)経営がギリギリの状態だった。(買取価格が2万円台に上がり)やっと米作りができる状態になったんだと思います」

Q.米の値段が上がって儲かっているわけではない?
◆米生産者 原博文さん
「もう全然そうです。全然、生産者は儲けてないです」

消費者にとっては米の高騰が続く一方、「ようやく採算ラインに乗った」というのが日本の米作りの実情で、生産者の思いは複雑です。

Q.米が高くてパンにシフトする動きもあるが?
◆米生産者 原博文さん
「それが怖いんですよね。米離れが起きるとまた困るんで、あんまり値段が高いのがですね。ある程度のところで(価格高騰が)止まってもらえればと思います」

全国の5キロ平均価格は18週ぶり値下がり



一方、最新の米価格が12日に発表され、全国のスーパーの米5キロの平均販売価格は、税込みで4214円となり、18週ぶりに値下がりしました。

前週より19円安くなりましたが、依然として去年の2倍の水準が続いています。

こうした状況に、自民党の小野寺政調会長は10日、なかなか流通しない備蓄米について発言しました。

◆自民党 小野寺 政調会長
「もともと米が足らなくて、国民が困らないようにすぐに出すという制度なのに、動かしてみたら目詰まりして全然(市場に)出ていない。やっぱりこの制度、基本的に問題がある」

備蓄米の放出について価格がつり上がりやすい入札の形を取っていることなどを問題視しました。
政府の備蓄米放出も、なかなか値段が下がらない米。

その影響は福岡での生産や流通の現場にも及んでいます。
収穫の早い早場米の生産が盛んな福岡県築上町。

農業法人として約40ヘクタールの作付面積を持つ原博文さんの水田でも、4月半ばから始めた田植えが本格化しています。
◆米生産者 原博文さん
「これは『夢つくし』という品種の苗です。今年は米不足もありまして、飼料用米を主食用米に変えました」

Q.主食用米を作った方が値段もいい?
◆米生産者 原博文さん
「収入も違いますね、全然」

飼料用米はニワトリやブタなど家畜の餌に加工される米で、原さんは去年、約25トンを生産しましたが、今年はその8割を主食用の「夢つくし」に転換しました。
背景にあるのは、価格の高騰をもたらしている米不足です。

全国のスーパーでの米の平均価格は、4月末時点で5キロあたり4233円。

17週連続で前週を上回り、去年の同じ時期の2倍を超えています。

原さんの水田では、飼料用から主食用への転換で20トン分の米が増産できる計算ですが、JAのほか九州各地の業者からの相次ぐ引き合いに応えきれないのが実情です。
地域で生産された米が集まる農業倉庫で、低温に保たれた貯蔵庫の中を見せてもらうと…。

◆JA福岡京築 西村仁さん
「例年だったらこちら側は埋まるくらい(米の在庫が)あるんですけど、今年の状況はほとんど米がないような状態」

例年なら天井の高さの半分ほどまで積み上がっているという在庫が、数える程しかありません。

より高い値段を提示する業者に買い負けて、生産者から米を集めるのにも苦労しています。
◆JA福岡京築 西村仁さん
「かなりの業者が(生産者の元へ)直接取引に行っているみたいで、JAの価格より高い金額で提示されてるところもありまして、なかなか農協に出荷がないという状況ではあります。生産者も生活がかかっていますので、経営がうまくいくようなところ、(買取価格が)高いところで少しでも出したいというのがある」

業者との直接取引が増えた結果、本来地元で消費する分の米も県外に流れているといいます。

このためJA福岡京築は、去年生産された米の買い取り価格について当初60キロあたり約1万6000円としていた概算金を段階的に2万1600円まで積み増したほか、今年の概算金についても2万2000円に引き上げて確保に努める方針です。
少ない在庫を取り合う形で高まった米の買い取り価格ですが、生産者が潤っているかというと、そうではありません。

◆米生産者 原博文さん
「肥料・燃料・機械代、それからロータリーの爪など(農機の)消耗品も全て値上りしてますんで。以前は(稲作の)経営がギリギリの状態だった。(買取価格が2万円台に上がり)やっと米作りができる状態になったんだと思います」

Q.米の値段が上がって儲かっているわけではない?
◆米生産者 原博文さん
「もう全然そうです。全然、生産者は儲けてないです」

消費者にとっては米の高騰が続く一方、「ようやく採算ラインに乗った」というのが日本の米作りの実情で、生産者の思いは複雑です。

Q.米が高くてパンにシフトする動きもあるが?
◆米生産者 原博文さん
「それが怖いんですよね。米離れが起きるとまた困るんで、あんまり値段が高いのがですね。ある程度のところで(価格高騰が)止まってもらえればと思います」

全国の5キロ平均価格は18週ぶり値下がり
一方、最新の米価格が12日に発表され、全国のスーパーの米5キロの平均販売価格は、税込みで4214円となり、18週ぶりに値下がりしました。

前週より19円安くなりましたが、依然として去年の2倍の水準が続いています。

こうした状況に、自民党の小野寺政調会長は10日、なかなか流通しない備蓄米について発言しました。

◆自民党 小野寺 政調会長
「もともと米が足らなくて、国民が困らないようにすぐに出すという制度なのに、動かしてみたら目詰まりして全然(市場に)出ていない。やっぱりこの制度、基本的に問題がある」

備蓄米の放出について価格がつり上がりやすい入札の形を取っていることなどを問題視しました。

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